ど、どうしてお前がここに!?
「あっ! イイジマ!」
教会内に戻るとルリカが俺の元へ駆け寄って来た。
「どこ行ってたの!?」
「いやー、何というか、ヤバい所?」
「何よそれ……まあ、無事で良かったわ」
俺らの声に気付いたのか、レカとニルも奥の部屋から出て来た。
「イイジマー!」
「イイジマ……!」
「あ、悪いな皆んな、遅くなった」
「遅ーいー!」
「心配……した……」
「いや、ホントすまん」
そして俺らは、なんだかんだでドラム缶風呂に入って寝た。
翌日。
「起ーきーてー!」
「んぅん……?」
誰だ俺に馬乗りして来ているのは。
「イイジマ!」
「……んぉっ!?」
目の前にはイライザの顔があった。
「な、何でここにいるんだお前!?」
「私があの図書館から出られないと思ったのぉ〜?」
「思ってたわ……」
あの図書館の中なら何でも出来るんだから、マジで出てくると思わなかった。
「で、何の用なんだ?」
「ただ単にイイジマが今どこにいるのか気になっただけ」
「……?」
どういう事だ?
「えっとね、私の図書館に入れる入り口って不定期に変わるの」
「え!? そうなのか!?」
まるでハ◯ルの動く城の様な感じだな……。
「だからまあイイジマが来た所が気になったんだけど、まさか森人族の村だなんてね……」
「初めてか?」
「うん。初めて」
イライザでも森人族の村に入った事はないのか。
いやまあ用が無かっただけか。
「取り敢えず、俺がどこにいるのかってのは分かったろ? ほら帰った帰った」
「ちょっと! レディーにそんな言い方はなくない?」
「546歳の女性をレディーとは呼ばないだろ!」
「失礼ね!」
「そもそも昨日強制的に迷路をさせられたからあんま会いたくねぇよ!」
「うぐっ……まあ、確かにそれは……」
「と、いう訳で、帰ってくれ」
そう言うと隣のベットからギシッと音がした。
「んもぅ〜、何なのよ朝っぱらから騒いで…………」
……ん? どうしたそんな顔をして。
チラッと今の自分の状況を見る。
……そうだ俺馬乗りされてるわ。
側からヤバイ風にしか見えないわ。
「待てルリカ! 今お前が考えてる事は間違いなく誤解だ!」
「だ、誰よその女の子!? イイジマ! あんたそういう年齢の子が好きなの!?」
「だから違うっつってんだろ!」
「…………何してるの……?」
あ、やべ、声大きくし過ぎたせいでニルが起きてしまった。
いや待て、これはチャンスかもしれない。
「おおニル! 頼む! 誤解を解いてくれ! 目覚めたらこいつが俺に馬乗りして来てたんだよ!」
「……ルリカ……イイジマを……どう処す……?」
おいぃぃぃぃぃぃ!
「もちろん、こうよ」
ルリカが俺の服の襟を掴んでベットから引きずり落とす。
そしてズルズルと部屋の奥の方へと引っ張っていく。
「待て待て待て待てマジで誤解だ!」
「正座ぁ!」
「いやだから誤解だって言ってるだろ?」
「馬乗りさせてるのによく言えるわね!」
「させてねぇよ!」
その後、ルリカとニルに一時間説教された。
「チーン」
「凄い、効果音の筈なのに口からその音が出てる」
「イイジマ……死んじゃった……?」
「ただの説教で死んだ人はいないわよ」
「はっ」
「あ、生き返った」
「勝手に殺すな」
凄いキツイ説教だった……。
「貴方が仮死状態になっている間にイライザさんから事情は聞いたわ」
「お、良かった。……待て、イライザ」
「何?」
「もっと早く言えば俺説教されずに済んだくね?」
「……」
この野郎……狙ってやったな……。
「はぁー、まあ良い。取り敢えず俺は無実で良いよな?」
「そうね、ごめんイイジマ」
「ごめん……」
「頼むから次はもう少し情報を集めてから判断してくれよ?」
そう言って俺はベットに腰掛ける。
「それで……今日はどうするの……?」
「あー、特に予定無いなぁー」
「迷路やらない?」
「やらねぇよ」
「じゃあ……少しこの付近の森を……探索しない……?」
「良いなそれ!」
そう言って立ち上がると
「私も行く!」
とイライザが言って来た。
「え、何で?」
「帰ったって退屈だし」
「……まあ、付いてくるだけなら別に良いか」
「やった」
そして俺らはこの森を探索する事にしたのだった。
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