イライザの種族
「グビグビグビグビ」
「グビグビグビグビ」
「「ぷはぁー!」」
さて、今俺らが何を飲んでいるのかというと、禁書を開いた時に習得した【薬品生成】で生成したポーションである。
因みに効果は走る速度が速くなるというものだ。
具体的には体感8%速くなった。
【神速】とランナーの職業のお陰でマジで速く移動出来る。
「イイジマ、コレ意外とイケるわね」
「ポーションってどんな味なんだろうと思ってたが、こんな味なんだな」
「まあポーション毎に味が違うんだけどね」
「へぇー」
ポーションはインワドの時の俺とは無縁の物だった。
だって裏技でポーションの効果の数倍は高い効果得られたし。
そもそもHPとMP無限だし。
「んじゃ、走るぞー」
「えー、もう少し休憩してからでも良くない?」
「この図書館の中なら何でも出来るんだろ? 疲労を回復して付いて来てくれ」
そう言って走る。
「も〜! 勝手な奴ー!」
イライザはそう言いつつも付いて来た。
「所でさ」
「何?」
「お前って何者なんだ?」
「言ったでしょ、ここの司書だって」
「いやそうじゃなくてな、種族的な」
「あー……」
イライザが上を向いて考える。
普通に考えるならば森人族だろう。
だが、森人族は500歳を超えたら流石に大人の姿にはなる。
だがイライザは中学生くらいだ。
まあ魔法で若さを保っているなんてのも考えられるが、それは考えたらキリがない。
「魔法で若さを保っているとかではないわ」
「あ、違うのか」
「まず貴方、私が心を読んでる時点で分からない?」
「は……?」
「この世に心を読める種族なんて一つだけでしょ」
「……あ」
いたわ、心を読める種族。
インワドで、数々のプレイヤーを苦しめてきた種族、精霊種だ。
「正解」
「マジか、お前精霊種だったのか」
「どお? 凄いでしょ」
「うん、まあ……」
「ちょ、何よその微妙な反応!」
「いやだってなぁ……お前らって何か性格が悪いイメージしか無いんだよ」
「えぇ〜」
先程数々のプレイヤーを苦しめたと言ったが、それは精霊種の性格に難がある事にある。
毒舌、洒落にならない冗談、普通に暴行、などなど。
「全く、だから迷路を攻略させるのか」
「ちょっと! 精霊種に対しての偏見が凄すぎない!?」
「でも実際俺やられたからなぁ……」
インワドをやり始めて一ヶ月が経ったある日、俺は精霊種と出会った訳だが、出会って早々
「あ! 人族だ! えーい!」
と言われて毒をぶっかけられて死んだ。
出会ってから死ぬまでの時間およそ三秒。
それ以降俺は精霊種に対して嫌悪感がある。
まあでもイライザは精霊種の中では相当マシな方だろう。
「そうよ、私ってホント良い奴なのよ」
「あーはいはい」
疲れて来たので休憩する。
「ほら、これ」
「あ、ありがと」
ポーションを手渡す。
「ふぅー、ポーション美味ぇ〜」
「そうね、まあまあ良い出来じゃない?」
イライザはそう言ってまたグビッと飲む。
「なあ、ゴールまで後どんくらいだ?」
「それを言ったら迷路の楽しみがなくなるじゃない」
「俺は強制的にさせられているだけで一切楽しんでないんだがな?」
そんなこんなでポーションを飲んだりして三時間経った。
いやホントここ広すぎだろ……。
てか待てよ、あの製作所ってこんな広い訳ないもんな……やっぱあの魔法陣のお陰でここに来れたっぽいな。
「イライザ」
「どうしたの?」
「魔法陣ってあるだろ?」
「あるわね」
「あの魔法陣に魔法を100個ぶち込んで大きさを半径50cmくらいに出来るか?」
「無理ね」
「だよなぁ……」
マジであの魔法陣なんなんだろ?
そう思っていると、強烈な光が顔に当たった。
「うわっ!?」
な、何だ?
「おっめでとー! ゴール!」
「え、マジ?」
「凄いねぇー! ここまで速く攻略した人なんて見た事ない!」
「そりゃそうだろうな」
取り敢えず、これでここともお別れか。
「んじゃあまたなイライザ!」
「……うん」
……今一瞬悲しそうな顔をしたような……。
うーん……よし!
「この村にいる間たまに遊びに来てやるから」
「ほ、ホント!?」
イライザが満面の笑みでこちらを見る。
「ホントだホント」
「ありがと!」
そして俺はそのゴールから出た。
「よっと」
魔法陣からペッと吐き出される様に出された。
「痛ってててて……」
さてと、数時間いなかったからもう夕方か。
急いでルリカ達の所へ行こう。
扉を開け、スゥーと息を吸い込んで、ルリカ達の所へ向かった。
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