ドラム缶風呂って意外と熱い
「その後……キル以外の仲間達がどうなったのかは……分からない……」
「……」
重っ! 話の内容重っ!
ニルの過去ってこんな重いのかよ!
「何というか……話させて悪い……」
「あっ……全然……大丈夫……むしろ私が……イイジマに話したいから……話しただけだし……」
話したいから話した……ねぇ。
なんか信頼されてる感があって凄い嬉しい。
「イイジマー!」
レカがトテトテと走って来る。
「上がったわよー。あら? 何話してたの?」
濡れて肌がテカテカしているルリカも入って来た。
「いや、特に」
「世間話……」
「そう」
ルリカはそう言うとベットに横たわった。
「それじゃ、どっちが先に行くかじゃんけんするか」
「良いよ……」
じゃんけんをして、ニルが勝つ。
「ぐぁぁー!」
「私の……勝ち……何で負けたか……明日までに考えてきて……」
「何でお前がそのネタを知ってる」
「じゃ……行ってくるね……」
ニルはササッと行ってしまった。
「……ふぅー」
マジか。俺負けたのか、じゃんけんで。
インワドでは、俺はこう言うのも何だがじゃんけんでは負け無しだった。
理由は単純、分かるのだ。相手が何を出すかが。
手の動き、顔の表情、指の位置。
それを瞬時に見て何を出すのかが分かっていた。
だがニルは……それが無かった。
手の動きはお互いが手を出し合うまで全く動かず、顔も動いておらず、指の位置も全てが指の振り幅の中心だった。
どうなってんだニルの手……。
床にダランと寝っ転がる。
「イイジマ、寝っ転がるならベットにしなさい」
「いやー、長年負けた事の無いもので負けるとこんな気分になるんだな……」
「何よそれ、ほら立って」
ルリカが俺の腕を掴んで立たせる。
「ニルが上がるまでベットに寝っ転がってなさい」
「分かった」
ルリカに言われた通り、ベットに寝っ転がる。
ま、実際予想はしてたし、むしろ清々しい気がする。
その後、20分くらいダラーンとしたり、レカと遊んだらしてると
「上がった……」
ニルが風呂から上がって来た。
「よし、じゃあ行くか」
少し湯気が出ているニルの横を通り、ドラム缶風呂の前に行く。
「うし」
指で温度を確かめ、ちゃんと温かったので、服を脱いで入る。
「うあっち!」
底の方がめちゃくちゃ熱い!
よくよく考えたらそりゃそうだよな! 下に直で炎当ててるんだもんな!
「ひ、【氷雨】!」
底の方に向けて放ったが……
「あ、やべ」
水がカッチコチに凍った。
身動きが取れん。
本来の力ならバキッと割れるだろうが、寒すぎて手足に力が入らない。
いやマジで映画とかで氷に包まれた奴が氷を割って出て来れるのって凄いなぁ……。
……あ、別に割ろうとしなくて良いじゃん。
今このドラム缶の下に炎がある訳だし。
勝手に溶けるだろ。
てか水風呂ならぬ氷風呂、悪く無いなぁ……。
このキンキン具合が堪らない。
「ん?」
何だろう、何か一瞬視線を感じた気がする。
はっ! まさか俺の裸が見たい覗きが!?
いやいる訳ないか。
「じ〜……」
「じ〜……」
「……」
いた! いたわ俺の裸が見たい覗き!
てかあれルリカとニルだよな? 何してんだあいつら。
「おーい!」
「「!?」」
「何覗いてんだよ! そんなに俺の裸が見たいのか!?」
「「…………」」
あれ? なんか気まずそうな顔をして引っ込んでしまった。
ちょっと後で聞いてみるか。
氷が溶けて来たので、バリンと割った。
「うおぉ……寒ぃ……」
急いで体を拭いて服を着る。
因みに部屋着は初期装備だ。
流石に戦闘服で寝たりはしない。
「ルリカー、ニルー?」
2人共ビクッとする。
「さっき覗いてたのは何だったんだー?」
「な、何の事かしら〜?」
いやはぐらかすの下手すぎだろ。
「……何の事か……分からない……」
「はぁ〜……理由は言わなくても良いが、覗かないでくれ。流石の俺でも恥ずかしい」
「ごめんなさい……」
「ごめん……イイジマ……」
2人が少し俯く。
「んじゃ、俺はもう寝る」
そう言ってベットに寝転がり、何で覗いて来たのかをひたすら考えて、眠りに落ちるのであった――。
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