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森人族の主食って……これなん?

 近くの飯屋に行き、席に座る。


「さぁーてと、どんな料理があるのかなー」


 ペラッとメニューを開く。


『ギイロロバッタ揚げ』


「!?」


 バタンとメニューを閉じる。


 おい、今嫌な文字が見えたんだが?


「……!」


「…………!」


 ルリカとニルもメニュー見て絶句してるし!


「イ、イイジマ……、お店変えない……?」


「無理だ、多分他の店もこんな感じだ」


「えぇ……」


 ルリカの顔色がより悪くなる。


「虫……うーん……食べれなくは……ない……かも……?」


 ニル凄ぇな! 勇気あるなぁー!


 というかあれ? 森人族って狩りをしてるんだよな!? 何で虫料理ばっかなんだ!?


「仕方ない、一番マシそうなヤツを選ぼう」


「じゃ、じゃあ……コオロギにしましょ! コオロギは食べやすいって聞くし……」


「そうしよう……」


 コオロギ、正確にはレルリドコオロギ揚げを頼む。


「昆虫食ねぇ……」


 まさかインワドにあるとは。


「私食べられるかしら?」


「頑張って……ルリカ……」


 そして俺らが覚悟を決めた頃、コオロギが到着する。


 揚げられているお陰で、少しコオロギっぽさが無くなっている。


「ん〜? わー! これ何ー!?」


 寝てたレカが起きてコオロギを指差す。


「あー、えーっと……コオロg」


「鳥よ! 鳥肉よ!」


 ルリカが俺の言葉を(さえぎ)って嘘を言う。


 あー、いや、確かにそっちの方が良いな。


 知らぬが仏ってやつだな。


「いただきまーす!」


 レカがパクリと食べる。


 ひ、一口で行った……!


「もぎゅもぎゅ……ごくん」


 ど、どうだ?


「少し硬かったけど美味しー!」


 良かった……鳥肉じゃないとバレてないみたいだ……。


「じゃあ、俺らも行こうか……」


「えっ、ええ、そうね……」


 (はし)でコオロギを挟む。


 レカみたいに一口で行った方が良いよなこれ……?


 思い切って一口で行く。


「ううっ……!」


 コ、コオロギの脚の食感がする……!


 なんというか、海老の殻な感じ。


 あんまり美味しくはないな……。


「ごくん……ふぅー」


 一息ついたら即水をがぶ飲みする。


「ぷはぁー」


 うん、やっぱ昆虫食はアカンわ。


 虫だと思うとどんだけ美味い味付けでも不味く感じる。


「もぐもぐ」


 ニルは……凄い食ってるなぁ……。


 まあ猫はよく虫を食べるから……好きなのかなー……?


「うっ……ゴクン」


 お、やっとルリカが飲み込んだ。


「んっ!」


 そして一気に水を飲んだ。


「ふぅー……ヤバイわね、これ」


「ああ、ヤバイな」


 慣れれば美味いのだろう。


 だが慣れる日は一生来ないだろうな。


「ほ、他にはどんなメニューが……?」


 興味本意で見てみる。


『ピイルネムシの幼虫炙り』


 オーケー、もう何も見ないどこう。


 これ以上見たらきっと俺の腹にいるコオロギ君が口から出てきちゃう。


「ニル、レカ、後は任せた」


「任せてー!」


「任された……」


 二人が物凄い勢いで食べ始める。


 これから昆虫食が出た時は彼女達に任せよう。


 そしてコオロギが全部無くなり、お金を払って外に出た。


 あー何でだろう。凄い外の空気が美味しい。


「さてと、じゃあ帰るか」


 そう言って教会に戻る。


「そういやここって風呂どうなってんだろ?」


「あ、確かにどうなってるのかしら?」


 風呂場をガラッと開けてみる。


『ワシャワシャ』


「「!?」」


 お風呂場には、沢山の虫がいた。


「……ここに……入るのか?」


「無理無理無理無理!」


「後で【水出現】と【炎出現】で風呂作ってやるから、入ってくれ」


「本当にありがとうイイジマ!」


 これは仕方ない。


 この風呂に入れと言うのは流石に酷すぎる。


 俺も嫌だ。


 という訳で、実は今まで結構練習してきていたスキルを発動する。



「【創造】!」



 このスキルはめちゃくちゃ強い。


 名前通り、頭に浮かべた物を創造する事が出来る。


 ただ、扱いが非常に難しく、インワドでは強いが扱いが難しいスキルランキングで堂々の一位に輝いた。


 何故難しいのかというと、頭の中でその物について隅々まで考えないといけないからだ。


 これが難しすぎた訳だ。


 だが、今から創るのは所謂(いわゆる)ドラム缶なので、めちゃくちゃ創りやすい。


「ふっ!」


 意識を集中させ、ドラム缶の表面や内面、色や硬さなどを考える。


 そして全て考えれたところで、ポンッとドラム缶が目の前に現れた。


「やっぱこのスキルは便利だなー」


 めちゃくちゃ疲れるんだけど。


 そしてこのドラム缶の中に【水出現】で水を入れて、【炎出現】で温める。


「こんくらいか……」


 数十分後、指をお湯に入れて温度を確認する。


「もう入っても大丈夫だぞー」


 そう部屋に言いに行ってベットに横たわる。


 俺は別に最後で構わない。


 決して変な下心がある訳じゃないからな?


 勘違いしないでくれよ?


「じゃあ私もレカが先に入るわー」


「行ってくるねー!」


 二人が部屋を出ていく。


「……ねえ……イイジマ……」


「ん? どうした?」


 ドアがパタンと閉じられてから数秒後、ニルが話しかけて来た。


「……えっと……」


「何だ何だ? 少し真剣な話な雰囲気だが」


「ド……ドワーフの国で……リレオが言ってた……その……捕食者(イーターズ)……覚えてる……?」


「……ああ」


 リレオとの戦いで一番印象に残ったのそれだったしなー。


 忘れる訳が無い。


「その……なんて言うか……その事について……知りたい?」


 ……マジか。今なのか、話すの。


 今じゃないと思って油断してた。


「あぁー……ニルが話したいなら、聞きたいかな」


「じゃあ……話すね……」


 そう言ってニルは自分の〝過去〟について語り出した。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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