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ス、スライムが燃えてる!? え!? スライムって燃えるの!?

今日の20時次話投稿します。

「いやー、ここも久しぶりだなぁー」


「そうねぇー」


「広ーい!」


「スライムが……プヨンプヨンしてる……プヨンプヨン……」


 めっちゃニルが目をキラキラさせてる……。


「食っちゃダメだぞ」


「あうぅ……」


 俺らはリヴェットに地図を貰った後、団員達の居場所の一つの、スライム平原にテレポート裏技(バグ)を使って来た。


「さてと……この中からその……団員を探すんだよな?」


「ムッズいわねこれ……」


「まず……団員がどんな見た目なのか……分からない……」


「取り敢えず行こー!」


 レカがピューっと行ってしまう。


 いやー、こう言う時のレカの行動力には脱帽(だつぼう)だ。


 まあ、あまり考えてないってのがあるかもしてないが。


「ちょ、待てよレカー!」


 そう言ってレカを追いかける。


 だが、やはりニルが言った通り団員の姿形(すがたかたち)が分からなければ探しようがない。


 うーん……皆テントであったような見た目なのだろうか……だとしたら超分かりやすいが。


「あっ! 見て見てあれー!」


 レカがはしゃぎつつ指を差している。


「どうしたレカ?」


「スライムが燃えてるー!」


「……は?」


 スライムが燃えてる? 何だそれ?


 スライムはゼリーみたいなものだろ? それが燃える訳……


『ゴォォォォォォ』


 燃えてた! 凄い燃えてた! てか本当に結構燃えてるし!


 周りにいる奴が燃えないかすげぇ心配になってくるんだけど!?


「ん……? あれ?」


 よく見ると、炎の色が……臙脂色(えんじいろ)だな……。


 …………え、もしかしてこのスライムが団員!?


 嘘ぉ!?


 スライムが団員のサーカス団なんて聞いた事無いぞ!?


 いやまぁあんな時とか場所とか関係ないサーカス団の団員だから不思議じゃないかもだけど!


「ナイスだレカ! もしかしたらあいつが団員かもしれないぞ!」


「本当!? 褒めて褒めてー!」


「おう! 凄い凄い!」


 レカの頭をわしゃわしゃと撫でてやり、早速臙脂スライムに話しかける。


「あのぉー……」


『……』


「すみませぇーん」


『……』


「俺はイイジマって言いまして……臙脂のサーカス団の団長であるリヴェットさんから招集の(めい)を受けて来ました……」


『……ピギッ』


「え?」


『ピギッ、ピギッ』


「……」


 やべぇ……何言ってるか全然分かんねぇ…で。


 ちょ、誰か『ほん◯くコンニャク〜!』って言葉が分かる(よう)になるこんにゃくでもくれ!


『ピギッ…………これで言語の把握は良しか?』


「うわっ!?」


 いきなり喋りだしたぞ!? こっわ……。


『団長の召集の命、確認した。(しか)れども、団長がこの者を命の使いに出す事に、疑問ありけり』


「……ん?」


其方(そなた)と手合わせを願おう』


「はぁ!?」


 驚いたのも束の間、臙脂スライムがピュピュピュッと炎を飛ばしてくる。


「うおっと!?」


 それをなんとか反射神経で避け、【神速】を発動する。


 いやー、突然何なんだあいつは。


 手合わせって……俺自分で言うのも何だが結構強いと思うぞ?


「イイジマ! 大丈夫!?」


「大丈夫だ!」


『汝らには来ないで貰おう……我とこの者の差し向かいなのだ』


 くそ……これじゃあマジでタイマンをするっきゃなさそうだ。


 取り敢えず、殺したらマズイだろうからワンパン裏技は禁止だな。


 ならば……


「【水出現】!」


『!?』


 炎には水! 昔からの鉄則!


『ウグォォォォ……』


 よし! やっぱ効いてるな!


「【水出現】!」


『ウグッ……【炎伝い】!』


 あっ! そのスキルは!


『ふんっ!』


 臙脂スライムが飛び上がり、また炎を飛ばして来る。


 だが、先程とは全く量が違った。


 何十個もの炎が飛んできていた。


「まあ、このくらいは!」


【神速】を使ってる俺なら、この量の炎を避けるなど容易い、が……。


『こちらだ』


 背後から声がする。


「声かけてくれてサンキュ!」


 瞬時に声がした方向から遠ざかるように避ける。


 そして銃弾を一発放つ。


 しかし、ポヨンとそのままのスピードで跳ね返された。


 その跳ね返された銃弾を避け、【水出現】を発動する。


 先程臙脂スライムがやった【炎伝い】というスキルは、周囲にある炎にワープする事が出来るというスキルだ。


 俺も後で習得しとこう。


『グハッ……』


 なんか、臙脂スライムの色が段々薄くなって来てるな……。


「なぁ、そろそろやめた方が良いんじゃないか? 俺が強いってのは分かったろ?」


『……確かにそうだな』


 お互い攻撃の手が止む。


『其方の強さは確認した。団長が令の使いを汝にしたのにも頷ける』


「分かって貰えたのなら結構だ」


『我は団長の元へ戻るとしよう』


 そう言って臙脂スライムの形が変化し始める。


「うぉ!? 何だ!?」


 段々と、あの臙脂のサーカス団にいた団員達と同じような姿形になっていく。


 ……元々の姿それなんかい。


 ぶっちゃけると最初からそれでいて欲しかった。


『では、テントにて(また)お会いしよう』


 そう言って彼は地面にツルンと入るように消えた。


「イイジマ、怪我とかは無い?」


「全然大丈夫だ」


「良かった……」


「彼……凄かった……イイジマの後ろの……炎からニョキって出て来た……」


「あぁー【炎伝い】か」


 マジであれ短距離ワープにも使えるから便利なんだよなぁー。


 マジで後で入手しとこう。


「イイジマー! 次はどこなのー!?」


「えーと……次は……」


 スライム平原から一番近い場所を指す。


「ここだな」


「ここは……」


 リルチャー森林。


 高低差が凄い森林としてインワドでは有名だった。


「じゃ、裏技使って行くぞー。今回は2回経由するから気を付けてなー」


 そう言って早速1回目のテレポート裏技をするのだった。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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