人体改造……? あれ? もしかしてこれって……?
「ふぁ〜」
昨日、超大型ロボを討伐した俺らは、500万Gとかいう大金を手に入れ、宿に戻って来たわけだが……。
「ま、言うてなんも変わらんわな」
倒したって言っても所持金が500万増えただけだ。
いやまあだけって額ではないんだが。
500万って相当大金だしな。
「イ、イイジマ!」
「どうした? そんな慌てて」
「外! 外!」
「外?」
窓から外を覗くと、何故か人だかりが出来ていた。
「うわっ、何だあれ?」
「なんかイイジマを一目見たいーって」
「はぁ?」
俺を見たい? どういう事だ?
「イイジマって昨日あの超巨大ロボを倒したじゃない?」
「ああ」
「その影響で……」
「なるほどなぁ」
大体分かった。
よーするに俺は今動物園のパンダ状態って事だ。
「ど、どうするのイイジマ?」
「簡単だ。【透明化】を使えば良い」
「あ、そっか」
姿を見られたく無いなら姿を消せば良いじゃない。
という事で【透明化】を発動する。
まあ、このスキルは自分にしか発動出来ないんだが。
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「どこへ行くの?」
「温泉」
「い、行ってらっしゃい……」
そして俺はバレない様に窓を開けてジェットパックを使って飛んだ。
「な、何だ?」
「なんか変な音がするぞ?」
「でも、音がする方には何も無いぞ!?」
うわー、なんか凄い混乱してる。
さっさと行っちゃお。
そして温泉に行き、水風呂に入る。
温泉にまで来て水風呂に入るって……今更だが結構変な事をしているな……。
ま、やめないけど。
そして、熱い風呂に入って上がる。
「いやーやっぱ気持ち良かったなー。そうだ、せっかくだしあそこに行こう」
インワドでかなーり人気だった場所だが……正確にいうとその場所は機械族の住んでいる所にあった為、このユ国にあるかどうかは分からない。
「ま、気長に探そう」
ジェットパックで飛び、辺りを見回す。
結構目立つ建物だった筈だから、余程変わってなければ気付けるだろう。
「あ、あった」
結構遠いが、店の見た目のお陰でよく分かる。
どういう見た目かというと、屋根に銀色のデッカいアームが付いているのだ。
目立たない訳がない。
ピューっと飛んで行き、店の前で着地する。
「やってるか?」
「ああ、やってるとも」
相変わらずな奴だ。
「ん? ……イイジマ!? お前イイジマか!」
そう言って彼、ヴィヴィスは俺の肩をガチッと掴む。
「おー! イイジマだ! その目! その体! その髪! その顔ぉ! 久しぶりじゃないかぁー!」
そう言って俺を抱きしめて背中をドンドンと叩く。
ヴィヴィスはインワドの頃からの友人だ。
結構歳がいってるが、全然それを感じさせない明るさがある。
「あ、ああ、久しぶり……」
まあ、その明るさが明るすぎるのだが。
「元気にしてたかー!?」
「めっちゃ元気だったよ」
「はっはー! そいつは良い! で、今日は何の用でここに来たんだ?」
「いやまあ……ただお前が元気にしてるかどうか気になっただけだ」
「うぉー! さすが我が友だ! 俺の事を心配してくれるなんてぇー! 今度無料で改造してやるよー!」
「いや、遠慮しとく……」
ヴィヴィスの店は、人体改造屋だ。
よーするにサイボーグになれるという事だ。
…………あれちょっと待てよ?
「あ、そういえばヴィヴィス」
「何だ?」
「この店に〝魔族のおっさんが来なかったか〟?」
そう、今サイボーグと聞いて真っ先に思い付くのは、俺と戦った魔族のリレオだ。
「魔族のおっさん……んぁー、来たな」
「ほんとか!?」
ヴィヴィスの記憶力は相当なので、これはマジ情報だろう。
「ああ、白い髭の奴だった」
間違いない。リレオだ。
「そいつがなんなんだ?」
「えーと、そいつは……魔族を裏切って勝手に戦争仕掛けたりしてる……って感じだな」
「ワオ! 何だそりゃ! やべー奴じゃねぇか! 何で俺改造しちまったんだよぉー!」
「まぁ仕方ないさ、客だし」
「うぅ、すまねぇイイジマ」
「いやほんと気にすんなって……」
ヴィヴィスがカウンターへ戻り、少しだけ何かの機械をいじり始める。
「うし、これをあげよう」
そしていじっていた機械を渡してきた。
「何だこれ?」
「お前の言っていた奴のサイボーグの部分の機能を全て止める機械だ」
エッグ……何だよその機械。
「あいつに取り付けた機械は……レーザー砲とかジェットパック、他にも色々付けたが……ま、その機械を脊髄の辺りに押し込めば、止められる」
「相変わらず凄いなぁ……ありがとな! ヴィヴィス!」
「おうよ! また来てくれよな!」
そして俺は店を出た。
「さてと……こんな機械を手に入れたんだし、リレオをどうにかしないとな……」
そう言って【透明化】を発動し、宿に戻った。
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