そーらーを自由に、飛ーびたーいな♪ はい、ジェットパックー
ブオオオオとエンジンのような何かが動いているジェットパックを手に取る。
「意外と軽いな……いや軽くないと飛べないか」
まずこれが何でジェットパックだと分かったかというと、インワドにある物だったからだ。
ただ、その入手難易度はとんでもなく高く、ランクMAXモンスターを100体連続で倒さないといけないらしい。
もちろんソロで。
まぁもちろん俺はクリアしていたのだが、普通に浮遊裏技で浮いていたから不要の物だった。
だけど今は……めちゃくちゃいるアイテムだ。
バックを一旦下ろし、ジェットパックを背負い、その上にバックを背負う。
えーと……確か動かし方は……。
左右にレバーがあるんだけど、どっちが上昇だっけ?
取り敢えず右のレバーを倒すか。
肘でガコッと倒す。
「どわぁぁ!?」
な、なんか凄い急上昇し始めたぞ!?
「あでっ」
途中でパイプにぶつかって方向が真下に変わる。
「マジか! ほ、方向ってどうやって変えるんだ!?」
そのまま地面に突き刺さり、肘で何とか電源を切る。
「いっ、痛ってー……」
地面から頭を引き抜き、もう一回レバーを倒す。
凄い速度で浮遊したのを体勢を変えたりなどして、徐々に自分で操作出来るようになった。
「よ、よーし……一応全方向にゆっくり移動が出来るようにはなったな」
慣れれば高速移動しながら空を飛んだり、敵の攻撃をバシュッと避けたり出来るだろうなぁこれ。
取り敢えず、これを使えば上に帰れるな。
よし! もう少し練習するか!
【光球】を大量に出して、暗かった空間はもう暗闇がほぼ無くなった。
「これで周りが見えなくてぶつかっちゃうって事が無くなるな」
そうして俺はまた飛び始めた。
― 30分後 ―
「うおー! これやっぱ楽しいなー!」
完全に慣れた。
今では自由自在に動ける。
一応ジェットパックに【神速】などをやってみたら、何ととんでもないスピードで移動する事が出来た。
まぁ速すぎて操作出来なかったが……。
ただ、真っ直ぐに高速で移動したいというような場合だったらめちゃくちゃ役に立ちそうだ。
「操作出来るようになったし、そろそろ上に行くか」
ルリカ達大丈夫かなー?
そう思いつつ上に飛ぶ。
落ちた穴が見え、遂にその穴を出た。
「ルリカー? レカー? ニルー?」
返事は無い。
まあ落ちてから一時間くらい経ってるしな……。
冒険者ギルドに戻っているかもだし、取り敢えず俺も帰るとしよう。
そうだ! せっかくだしこのジェットパックの【神速】付与状態のやつを使って帰ろう。
少々高めに浮かび、ジェットパックに【神速】を付与。
そして体重を前にグインと倒せば……
「うおおぉー! 速ぇぇー!」
ふっ、風圧が凄い!
でも防御力が高いから何だかんだ耐えられる!
しかも木にぶつかっても破壊して突き進めれる!
移動という観点ではマジで最強じゃないかこれ?
そんなこんなですぐにユ国に着く。
「よっと」
電源を切り、ユ国の冒険者ギルドの前に降り立つ。
「さてと、いるかなぁーっと」
扉を開いて、辺りを見回したが、いなかった。
「あれー?」
ここにいないって事は……宿か?
早速向かう。
鍵を鍵穴に差し込んで、扉を引く。
「「「!?」」」
あ、いた。
「イッ、イイジマ!」
「イイジマァァー!」
「イイジマ……!」
「うおっとっと」
三人共俺を見た途端抱きしめて来た。
ルリカが抱きしめてくれるなんて……珍しいな。
「あはは……生還したぜ」
「本当に良かった……心配させないでよ……」
「すまん」
涙目になったルリカに腕を優しめに殴られた。
「ほんと悪かったって」
「次からは……注意して……」
「ああ、マジでそうするよ」
「それ何ー?」
レカが背中に背負っていたジェットパックを指さす。
「あぁこれか? これな、俺が落ちた所で見つけたジェットパックだ」
「じぇっと……ぱっく……?」
「空を飛ぶ事が出来る道具だ」
「「「えぇっ!?」」」
ジェットパックをマジマジと見てくる。
「そんなので空飛べるの……?」
「飛べちゃうんだよ」
「小型リュックくらいの大きさなのに?」
「結構小型化されたやつっぽいんだよなこれ」
「へぇー」
その後、皆が飛んでみたいというので背負わせてみたが……。
「んぎゃ」
「ふぎゃ」
「みぎゃ」
全員地面に突き刺さった。
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