スキル&魔法の取得は最強のやつから
「こちらが冒険者カードになります」
「ありがとうございまーす」
うん、ステータス通りだな。
んでまあ冒険者ランクFと……ううっ、Sだった頃が懐かしいぜ……。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと過去の栄光に泣いてただけだ」
「何よそれ……ほら、早くクエスト受けましょ」
掲示板に向い、クエストの一覧を見る。
「うーん……中々大変そうなのしかないな……」
「そうねぇ〜……あ! これどうかしら!?」
ルリカが手に取ったのは『スライム討伐』というクエストだった。
確かに彼女となら行けるかもしれない。
「良いね、それにしようか」
「ええ!」
早速受付嬢の所に持って行き、受注する。
「それじゃ、スライム平原に行きましょ」
「ああ」
スライム平原というのは名前通りめちゃんこスライムがいる平原だ。
正直言ってこういうクエストでしか来ることはない。
スライムゼリーってあんま素材にもならないし。
「あ」
「ん? どうしたの?」
「スキルとか取得しないと」
「貴方スキル持ってなかったの!?」
いやー忘れてた。
「んじゃあ取得するから少し待っててくれ」
「え!?」
「何だ? 変な事言ったか?」
「そんなポンってスキルを取得できるの!?」
「……はぁ?」
ちょ、マジか。
「え、えーとだな、スキルポイントって知ってるか?」
「知ってるわ。でもスキルって名前が付く割にはスキルを得たりする事が出来ない謎のポイントよね?」
「おぉう……」
この世界終わってんなぁー……。
「? 何か変な事言ったかしら」
「あのな、スキルポイントお前今いくつだ?」
「えーと……110ポイントよ」
「そんなあるならスキル取得できる」
「え!? どうやって!?」
「ステータス開いてみ」
「ええ」
「んでそれを右にスライド」
「右に……スライド……?」
スライドを知らないのかよ!
「えーと、右手をそのステータス画面の右に持ってって左にツーって移動させてみ」
「……うわっ!? なんかステータス画面がステータスじゃなくなったわ!」
「それがスキルを取得できるやつだ」
「こんな事知ってるなんて……本当に貴方何者なのよ……」
逆に知らないのはなんでだよ……。
「取り敢えずパパッと取っちまうからお前も取っとけよー」
「えぇ!? ちょ、どうやるのこれ!?」
「何か丸が沢山あるだろ?
それ一つ一つがスキルだ。
んでそれをタップ……触ると、そのスキルが何なのか見れる。
そのスキルを取るにはさっきのスキルポイントが必要になってきて……最初は初級のスキルしかないが進むにつれ強いのが手に入れられるようになるから……ま、とりま取得しまくれって事だ」
「な、なるほど……?」
分かってないな。
因みに俺はそんな弱いやつから取るなんて事はしない。
まずスキル取得画面に移動する。
そんで【火炎斬り】を選択したら、即隣にある【辻風斬り】を選択する。
そしたらその画面を閉じて普通のステータス画面に移動して、またスキル取得画面に移動する。
そして画面を上下に素早く動かして先程の【火炎斬り】を選択すると……。
「よし来た」
【火炎斬り】じゃなくて【業火斬り】になってる。
最初から最強のスキルを取れるなら取んないと。
『【業火斬り】を取得しますか? 消費スキルポイント:50』
もちろん取得する。
『飯島 小夜田
Lv99
HP:500/500
MP:600/600
魔法:無し
スキル:【業火斬り】』
うし、ほんの少しだけ昔の俺に近づいたな。
まあほんとに0.1歩分くらいなんだけど。
そして他にも取りまくってステータスはこんな風になった。
『飯島 小夜田
Lv99
HP:500/500
MP:600/600
魔法:【超回復】【麻痺付与】【毒付与】【眠り付与】
スキル:【業火斬り】【氷雨】【剣の舞】【創造】【神速】』
ま、最強スキルを取りまくればこんなもんか。
「ルリカー? 出来たかー?」
「え、ええ、何とか……」
「見してみ」
「い、いやーそれはーそのぉー……」
「……出来なかったんだな?」
「…………はい」
「はぁ〜……やってやるから見せてみ」
スッと俺の前にステータス画面が現れる。
「ほら、ここをこう押すだろ? んでスキルの名前と説明がこう出るじゃん。
それ見て取るか取らないかを決めるんだ」
「す、凄いわねこれ……これを国に教えたら賞状ものよ?」
「ちょっと王様の所行ってくるわ」
「え、そんな簡単に教えちゃって良いの?」
「冗談だ…………うん、冗談だ」
「今の間は何よ間は」
取り敢えず先程の裏技をルリカのにもやり、ルリカの意見を中心にスキルを習得していった。
その結果ルリカのステータスはこんな感じになった。
『ルリカ・ファーデ
Lv18
HP:80/80
MP:87/87
魔法:無し
スキル:【加速】【筋力調整】【神速】【剣の舞】』
【加速】と【筋力調整】は前から持ってたスキルだ。
スライムをあの速度で倒したのはこのスキルのお陰らしい。
「こんなんで良いか?」
「ええ、どうもありがとう」
「じゃあそろそろスライム狩りに行こうぜ」
「そうしましょ」
そして俺らはスライム平原に向かって歩き始め――る訳がなかった。
「ほら、さっさとあの木にタックルするぞ」
「え、えぇ……!?」
テレポート裏技を使用して、スライム平原に向かうに決まってるジャマイカ。
「しっかりここ掴め、じゃないと死ぬぞ」
「し、死ぬ!?」
実際マジで死ぬ。
下半身だけ行っちゃって上半身が取り残されたりとかな……
まぁ、慣れれば成功率100%なんだが。
体を支えたりしつつ何とか木の幹からテレポートさせる。
「よぉーし、取り残されたりは……してないな」
そして俺も木の幹に飛び込んだ。
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