心配した俺が馬鹿でした
「レ、レカ! ルリカの魔力は今どこにある!?」
「わ、分からない!」
そう言って11層目を走り回る。
マジでルリカどこいった!?
まさかあの壁に対して貫通裏技をやったら変な場所に行くなんて……。
ホントルリカすまん!
「そうだ! ドワーフの国に行ってルリカが行っていないか聞こう!」
「うん!」
もしかしたらドワーフ国のどっかの壁に対して貫通してしまってのかもしれない。
他の冒険者にバレない様に扉を開ける。
壁貫通裏技をすれば良いと思うかもしれないが、俺がルリカの二の舞なっても仕方ないし、何よりレカを背負ってやるのは無理だ。
なので正攻法で行く。
あと、地響きがしても大丈夫なように、レカに俺が脆くしておいたダンジョンの壁を破壊して貰う事にした。
これであのドでかい音がしてもあまり違和感は無いだろう。
まあダンジョンの壁が壊れるとかいう非常事態が起こってはいるのだが。
出っ張っている地面を踏み、扉を開く。
そして中にある灯りを上に上げて、扉を閉めて、出て来た階段を下る。
ドワーフ国に出ると、リーファの元へと走る。
リーファは俺程ではないがかなり裏技を知っている。
そしてリーファは俺にはあんな感じだが、頭はかなり良い方なので、もしかしたら何か分かるかもしれない。
扉を開けていつもリーファのいる王族用工房に入る。
「リーファ! いるか!?」
「「そーよねぇー!」」
「!?」
な、何だ!?
「イイジマってそういうとこあるわよねぇー!」
「分かるー! でもやっぱり――」
…………何か凄い仲良くなってるー!
「えと……ルリカ?」
「あっ! イイジマ! やっと来たのね!」
「あー……うん」
何だろう、心配した俺が馬鹿だったようだ。
「こっち来て! 今リーファちゃんが美味しいお茶淹れてくれてるから!」
そう言いながら白い椅子に座らされる。
「イイジマ! はいこれ!」
そう言ってリーファに紅茶を渡される。
「……美味いな」
「でしょー! イイジマの好みにしたの!」
俺あんま紅茶飲まないのに何で知ってるんだ……。
「で、ルリカ……まあ見た通り大丈夫だと思うが……本当に大丈夫なのか?」
「全然大丈夫よ!」
いやマジで心配して損したわ。
「あっ、イイジマ。さっきリーファちゃんにイイジマが言ってた金銀財宝について聞いてみたんだけど」
「ああ」
「知ってるって!」
「知ってます!」
「やっぱな」
うすうす察してたがダンジョンを掘り進めてるんだから知ってるよな!
てか金銀財宝がある部屋結構目立つもんな!
「し、知ってたの?」
「まあ察してた」
「ご、ごめんイイジマ……見つけちゃって……」
「いぃいぃ、ダンジョン掘ってるんだから見つかってるだろうと思った」
そう言ってまた紅茶を飲む。
……いやマジでこの紅茶美味いな。
「イイジマ、金銀財宝見つかっちゃってた訳だけど……どうするの?」
「どうするって?」
「ほら、他の冒険者の人にそれを教えるとか……」
「待て待て待てよく考えろ、ドワーフ族がここに逃げて来た理由忘れたか?」
「あ」
そう、ドワーフ族は魔族達から逃げて来たのだ。
冒険者達に伝えたら魔族達の耳に入ってしまうかもしれない。
「あ、別に知られても大丈夫だよ〜?」
「「え?」」
そう言ってリーファは指パッチンをした。
『ゴゴゴゴゴ』
「おおおおっ!?」
何が起ころうとしてるんだ!?
そしてリーファの後ろからめちゃんこでかいミサイルの様な物が出て来た。
「な、何だそれ!?」
「これは、魔族が攻めて来た時様に作った『|対魔族用超巨大物理型誘導弾《たいまぞくようちょうきょだいぶつりがたゆうどうだん》』よ!」
いやエグ過ぎるだろ……。
「これを発射すれば、ここら一帯の魔族のみを殲滅するの〜!」
「すんごい物騒な物作ったな……」
「それほど私達の恨みは深いという事よ」
まあ人口を激減させらされたんだから当たり前か。
「取り敢えず、これがあるから冒険者に話しても大丈夫!」
「なるほどな……じゃ、俺はこの紅茶飲んでから宿に追加の代金を払ってくる。
お前はどうする?」
「なら私も行くわ」
「じゃ、帰るか。リーファ、紅茶美味かった。ありがとう」
「え、そんなぁ〜、えへ、えへへへへへ」
うわすっごい嬉しそう。
そして俺らは先から立ち上がり、帰る事にした。
「…………」
道中で付けられた事に気付かないまま……。
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