銃がエグい事になりました
「取りに来たぞー」
昨日の約束通り工房に銃を受け取りに行く。
「おっ、イイジマさんだ! ほれ、これが改造した銃だ」
そう言ってゴトッと机の上に置かれる。
「軽量化出来たみたいだな」
「ああ。もちろん威力をかなり高めつつ反動を大分軽減した。
そんで昨日イイジマさんが倒した黒曜石ゴーレムの破片をコーティングしておいたから強度も相当なもんになったぞ」
す、すげぇ……これがドワーフ族か……。
仕事早すぎるだろ。
「ありがとう。どっかに試し撃ち出来る場所はないか?」
「あぁ、それならあっちに……」
ドワーフのおじさんに言われた方向へ行く。
その先には、いかにもな的が沢山配置されていた。
「ここは俺らが弓矢の練習とかしてる場所だ。その銃って武器も飛び道具だからまあ練習になるだろ」
「こんな所があったとはな……」
昨日行ったのはあくまで工房だけだったから気付かなかった。
「じゃ、やってみるか」
足腰に力を入れて両手で狙いを定める。
そして引き金を引いた。
『タァン!』
「お、おおおぉぉぉ!」
凄い! 反動がかなり軽減されてるのが分かる!
というか当たった的が砕けてる!
威力もやっばぁ……。
「どうだ? しっかり出来てるだろ?」
後ろからギーダがやって来た。
「ああ、本当に凄いなこれ」
「がははは! あ、強度の方も確かめてくれ」
そう言ってギーダが大きな石をその場に置く。
「……それをどうしたら良いんだ?」
「銃で思いっきり叩いてみ」
じゅ、銃で思いっきり叩く!?
「叩くのか!? 石を!?」
「ああ」
「銃壊れないか?」
「その銃の強度はそんなもんじゃねぇ」
「じゃあ……おらっ!」
思いっきり銃の弾倉止めの部分で石を叩く。
すると……
『バキッ』
い……石が割れた……だと……!?
銃を見てみると、傷一つ付いていない。
エッグ……。
「どうだ、凄いだろ?」
「ドワーフってヤバいんだな。いい意味で」
「褒めてくれて光栄だ! さてと、銃を受け取らせたら自分の元へ来るように女王様に言われてんだ、だから行ってくれ」
「分かった」
まあどうせ昨日言った今必要な裏技を教えるというやつを聞くためだろう。
ササッと向かう。
「下がれ」
リーファがそう言うと周りの兵士が頭を下げてから退出する。
「イイジマ! 銃どお!?」
「凄ぇ良い出来だ。マジありがとうな」
「イ、イイジマにありがとうって……はわあぁぁ〜」
リーファの顔面が真っ赤になる。
「リーファー? 大丈夫かー?」
「あっ! えと! じゅ、銃を改造したのは取引だから! その……約束通り今必要な裏技を教えて!」
片手で顔を押さえながらもう片方の手でこちらをビシッと指さししてくる。
「分かってるさ、まずどんな裏技かって言うと――」
そこから淡々と説明していく。
「今んとこ必要なのはこれくらいじゃないか?」
「そんなに教えてくれるなんて……ありがとイイジマァァ〜!」
そう言って抱きついてくる。
「だーかーらーやめろって!」
と言ってもこうなるとほぼ離せないのでもう諦めてる。
「じゃあ俺は自室に帰るから。というか少し地上に帰る」
「えぇー! い、いつくらいに帰ってくるのぉー!?」
俺の体をぐわんぐわんと揺らしてくる。
ちょ、気持ち悪くなるからやめて……。
「大丈夫だ、一日くらいで帰ってくると思う」
「本当ね!?」
「多分」
「確定させなさいよぉー!」
そうリーファは言って揺らす力を強めたのだった。
「た、ただいま……」
「おかえり……って、大丈夫イイジマ!? 顔色悪いわよ!?」
あの後凄い揺らされ続けたので吐いた。
「大丈夫だ……ギリ」
「それ大丈夫じゃないわよ!」
取り敢えずソファーに寝っ転がる。
「レカは?」
「まだ部屋で寝てるわ」
まだ寝てるのか……。
「あ、そうだ。明日地上に戻ろうと思うんだがどうだ?」
「良いんじゃないかしら? そろそろクエストのクリア報告もしたいし」
「なら行くか久しぶりに」
「ええ!」
そして俺はソファーの上でぐだぁ〜っとするのだった。
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