凄い旧友との再会
王宮に着いて一言。
「眩しっ!」
周りの灯りが反射しててマジでめちゃ眩しい。
門の前にいた兵士が俺達の事を見る。
「貴方は、イイジマ様方御一行でしょうか?」
「そうだ」
「どうぞお通り下さい、王がお待ちです」
金ピカな門が開かれ、内装が見える。
すっげぇ……中も金ピカや……。
別の兵士さんに案内されて大きな扉の前に案内される。
「多分この先……だよな?」
「その通りでございます」
扉が開かれて、王の姿が見える。
俺らは跪ずいて、〝女王〟が何か喋るのを待つ。
「よくぞ参られた、イイジマ一行。顔を上げよ」
そのまま顔を上げて女王を見る。
「先日、この国の怪我人計503人の治療をしてくれた事、感謝する」
女王が頭を下げたと同時に周りの兵士全員が頭を下げた。
……これ……どういたしましてとか言っても良いのか?
こういう礼儀俺知らないから分かんないぞ。
「あー、そのー、どういたしまして」
うわっ! 凄い睨まれてる!
ダメだったのか……。
「ゴホン。本日ここに呼んだのは、其方方に報酬を与えようと思ったからである。
願いを言うてみよ、叶えられる範囲で願いを叶えよう」
ドワーフに願いを叶えて貰えるって結構良くね?
「イ、イイジマ、どうするの?」
「あー……その前に」
そう言って立ち上がる。
「「「!?」」」
兵士達が俺の事を先程よりも睨む。
流石にこれが失礼なのは俺でも分かる。
「女王様」
「何でしょう?」
そして今から言うことがもっと失礼なのも分かる。
「その口調やめたらどうです? 慣れてないでしょう?」
空気が凍りつく。
親父ギャグ1000連発したレベルだ。
……いやそれとは違う寒さか。
ていうかルリカが凄い顔で俺を見てるな。
「女王様に何て口を!」
槍が俺らに向けられるが、女王は右手を上げて制止する。
「どういう意味です?」
「そのままの意味です。自分にとって一番楽な喋り方が良いと思いまして」
「…………下がりなさい」
「あっ、ほら、出るわよイイジマ」
そう言ってルリカが俺の服の袖を引っ張るが……
「いえ、其方方ではなく、兵士達がです」
「「「えっ?」」」
全兵士が女王を見る。
「下がりなさい」
そう言った途端兵士達が綺麗に列を組んで出て行った。
「…………久しぶりー! イイジマァー!」
女王……『リーファ』がそう叫んで俺に飛びつく。
「おう、お久しぶりだな」
「え、え? どゆこと?」
「どーゆー事ー?」
実は俺はドワーフの国の女王に会った事がある。
というかクソ仲が良い。
「イイジマ〜……イイジマの匂い〜」
すんごい胸をクンクンして来る。
「やめろ! 嗅ぐな!」
「うへへ〜」
何とか引き離してルリカ達に説明する。
「俺が……えーと……冒険者になる前に会って仲良くなったんだ」
嘘である。
仲良くなったのはインワドやっていた時だ。
ゲーム世界に転生しただけだからもしかしたらと思ったが……ちゃんと俺が転生する前の記憶があって良かった。
まあインワドの時の俺の名前がイイジマだったと記憶を改ざんされているようだが……。
「冒険者になる前に仲良くなった!? イイジマってどんな過去歩んで来たの!?」
「イイジマは〜、ドラゴンを10秒で100体倒したり〜、暗黒騎士を0.2秒で――」
「やーめーろ」
そう言ってリーファの頭に優しめのチョップをする。
「痛ーい! 何するのよ〜!」
「俺の過去を変なもんにすり替えるな」
「え? でもイイジマはほんとに――」
少しだけ睨む。
「!」
よ、良かった、意味が分かったようだ。
「あ、あはは〜、ごめんなさぁ〜い」
棒読み感が凄いが……まあ良いだろう。
「まあなんだかんだで仲が良いんだよ」
「そ、そうなのね……」
「イイジマ凄ぉーい!」
そう言ってレカが抱きしめる。
「なっ!? あ、貴方! イイジマに抱きつくなんて……!」
「いやお前もさっき抱きついて来たろ」
「私は良いんです〜!」
そう言ってまた抱きつこうとするのを躱し、ルリカの方へ逃げる。
「ねえイイジマ」
「何だ? あっ、少し盾になってくれ」
「それは良いのだけれど……貴方本当にどうやって王族関係の人と友達になったのよ?
「いやまあ……色々あったんだよ」
「その色々を聞いてるんだけど!」
「今っ……答えられるっ……状況じゃっ……ないっ……!」
「やー! とぉー! たぁー!」
さっきから凄いリーファが俺に抱きつこうとしている。
てかリーファも意外と動きが速い。
レカほどではないが。
「はぁ、はぁ……もぉーイイジマー! 抱きしめさせてよ〜!」
「やだよ!」
「なら私はいーい?」
真横にいたレカが上目遣いでそう聞いて来る。
「良いぞ」
「わーい」
「イ、イイジマァ〜!」
……なんか良心が凄い痛んできた。
「仕方ないなぁ、少しだけ良いぞ」
「やったぁー!」
そしてリーファも抱きつく。
「うぐっ!」
き、キツい……抱きしめる力強すぎだろ……。
「あれ? イイジマ!? イイジマー!?」
俺はそのまま意識を手放した。
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