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ダンジョンの壁って破壊出来るんすよ

「あー……まあ確かにこうもなるか……」


 現在俺はギルドクエストの紙が貼られた掲示板と睨めっこしている。


『ベーナダンジョン6層探索』


『ベーナダンジョン8層目の薬草採取』


『ベーナダンジョン5層目のゴブリン討伐』


『ベーナダンジョン』という名前が付いたクエストしかない。


「ダンジョン関連のクエストばかりね」


「まあ近くに資源の宝庫のダンジョンがあったらこうもなるだろ」


 ダンジョンからは無限に素材が出るので、こうなるのは必然だ。


 というかインワドやってる時からこの町はこんな感じだった。


「それもそうね……じゃあ私達はこれからダンジョンに潜る事になるの?」


「そうなるな」


「ダンジョンって、どんな感じなのかしら?」


「それは層によるな。水だらけだったり、草だらけだったり、溶岩だらけだったり……フツーに石壁の層のもあるが」


「へぇー、ダンジョンって不思議な場所なのね」


「ああ、マジで不思議な場所だ」


 試しに低めの層のクエストを手に取る。


 内容は三層にあるビリナ鉱石という生産系に使う鉱石を集めるというものだ。


 受付嬢の所へ持って行って受注し、テレポート裏技(バグ)を使ってベーナダンジョンの前へと向かった。


「いかにもダンジョンって感じね……」


「なんか怖いー」


「まあ雰囲気ある方が良いだろ」


 デカい石扉が目の前にはあり、扉の向こうには大きな階段が下へと続いていた。


 男心くすぐる見た目ですなぁ……。


「んじゃあ入ろうぜ」


「え、ええ……」


 ……ルリカ、年下のレカに抱きついてプルプル震えているのは中々に大人気(おとなげ)ない姿だぞ……。


 第一層に降りて、すぐに二層目に降りる。


 ふっふっふ……このベーナダンジョンの内部はフル暗記している!


 まあ層(ごと)に使える裏技とか違うからな。


 そしてそのまま三層目に降りたのだが……


「……壁?」


「壁だなぁ……」


 三層に続く階段に壁があった。


 こんなのあったっけか……?


「どうする?」


「どうするってったって……あ! レカちゃんに壊してもらいましょ!」


「頼むぞレカ!」


「頑張る!」


 という訳でレカが壁にパンチする。


『ドンッ!!』


 おぉ! 何か凄い音がしたぞ!?


 これは流石に壊れて……


「…………無傷ッ!」


「何なのよこの壁!」


「痛ぁーいー!」


 泣いてしまったレカの頭を撫でながら目の前の壁を見る。


 まあ察してはいた。


 ダンジョンの壁を壊せたら地形なんて意味をなさなくなる。


 だが……レカを泣かせた罪は重いぞ……壁……。


「ふんっ!」


 本気のパァーンチ!


『ドゴォォォォ!!』


 辺りに煙が舞う。


「ゴホッ、ゴホッ!」


 煙の量が凄くて咳が出る。


 あと拳痛い。


 段々と煙が晴れてきて先程の壁が見えて来る。


「あぁっ!」


 壁の中央に……穴が空いていた。


「いよーし……」


「い、一体何をしたの!?」


「単純に力技でぶっ壊した」


「えぇ!?」


 まあレベル500にもなるとダンジョンの壁壊せるんだよね。


「まあ空いたんだし良いだろ? 先行こうぜ」


「イイジマ……本当に貴方何者なの……?」


「人族」


「本当に?」


「むしろそれ以外でなんだよ?」


「……神様……とか?」


「いやんな訳ないしまず質問系で返すな」


 そう言って壁の向こう側に行く。


「んじゃあビリナ鉱石集めるぞー!」


「おー!」


「お、おー」


 三手に分かれて早速採掘し始める。


「ぶっ壊さないようにデコピンででっと」


 中指でビリナ鉱石を弾き、上に飛ばす。


「よし、まあ少し傷が付いちゃったけどこれくらいなら大丈夫だろ」


 その調子でピンピンしまくる。


 やってる内に慣れて来て傷が付かないようにピンする事が出来るようになって来た。


「まあこんくらいか?」


 両手でビリナ鉱石を抱えてルリカ達の方へ行く。


「えーい!」


「レカちゃん! ビリナ鉱石を粉にしないで!」


 ……何が起こってるんだ。


 いやレカがパンチをしているのは分かる。


 粉にするってエグすぎないか?


 多分俺でも難しい。


 ビリナ鉱石は取るのは簡単だ。


 何せ周りの石とかから引っ剥がすだけで良いのだから。


 ただビリナ鉱石自体を壊すのは相当大変なのだ。


 生産系での使い方はまず溶かして型に入れたりしてようやく始まるという感じなのだ。


 だからあれを素のパンチで粉に……いやなんでダンジョンの壁壊せなかったんだよ。


 いやまああの時俺怒ってたからなんか馬鹿力出たのかなぁー?


「ルリカー、お前は取れてるかー?」


「何とか取れてはいるけれど……レカちゃんが……」


「えーい! あっ、また……」


「パンチしちゃダメだ、掴んでグイッて引っ張ってみろ」


「う、うん!」


 レカがビリナ鉱石を掴んで引っ張る。


「おわっ!?」


 引っ張った衝撃でレカが尻餅をつく。


「痛いー!」


「大丈夫か?」


「うん……大丈夫……」


「よしよし」


 レカの頭を撫でると、レカが段々と笑顔になる。


 可愛えぇなぁ……。


「あ! イイジマ! 見て! 取れた!」


 右手に掴まれたビリナ鉱石を上に(かか)げる。


「おぉ! やったな!」


「うん!」


「ルリカも取れたか?」


「まあまあ取れたわよ」


「じゃあ今日は帰るか」


「そうしましょうか」


 そうして俺らはリュックの中にビリナ鉱石を詰めて冒険者ギルドへと帰った。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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