レベルを一気に上げる時が、一番生を実感する
「じゃあ出発するか」
「眠いー」
「頑張ってレカちゃん」
「うんー」
昨日の内に荷物をまとめておいたので起きたらささっと顔を洗ったりして宿を出る。
「……じゃあなおばさん」
宿を見ながらそう呟き、俺らは門に向かって歩いた。
「さてと……裏技があるのはどこなの?」
「こっちだ」
近くの木々が少し生えている場所に行く。
「ここ……なの?」
「そうだ」
「大っきーい!」
約7mほどある木を見上げる。
「この出っ張りに足をかけて登るぞー」
「え、えぇ!? そこに!?」
「レカ、背負ってあげるよ」
「ありがとイイジマー」
背中にガチっとレカがしがみつく。
……意外と軽い。
まあ俺のレベルが凄いってのもあるんだろうが……まあ軽ければ何でも良いや。
テレポート裏技が出来る場所までの出っ張りの位置は全て把握している。
なので俺はひょいひょいと登れるのだが……
「イイイイイイジマ! ままままま待って〜!」
ルリカはどうやら登るのが苦手なようだ。
「頑張れルリカー、流石にお前は重くて背負えないんだ」
「それ女子に言うの失礼だと思うのだけれど!? あーもうテレポート裏技が出来る場所まで行ける裏技とか無いのー?」
「あるぞ」
「あるの!?」
「裏技に不可能は無いんだよ」
「だったらその裏技使いましょうよ!」
「その裏技をする場所が今から行く町にあるんだ」
「あぁー……」
なんか目が虚になってる。
「ほら、さっさと登るぞ」
そう言ってまた次の出っ張りに手をかける。
「裏技って役に立つ時と立たない時の差が凄いわね……」
そう言いつつルリカも登り、10数分経った。
「ほーら、着いたぞー」
「高い高ーい!」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ」
ルリカ相当疲れてるな……。
「【超回復】」
ルリカの息が普通になる。
「あ、ありがと」
「んじゃ、早速そことそこの枝に手をついたあと、手を頭より上に伸ばしてあそこに突っ込んで」
「こんな木の上で!?」
「……頑張れ」
「まず貴方が手本を見せてよ!」
「分かった」
レカを背負っているが……まあ大丈夫だろう、うん。
早速枝の上に立ってジャンプする。
そして右側にあった枝を掴んで今度は左側の枝を掴む。
そして勢いをつけて木の幹に手を頭より上に伸ばして突っ込む。
そしてスポッと入る。
よし! 成功だ!
あとはルリカもちゃんと来てくれると良いんだが……。
ピョンと出口の木から飛び出て数十秒後
「うわっ!?」
ルリカが木から飛び出て来た。
「おー、来れたな」
「怖かったぁー!」
「お疲れルリカお姉ちゃん」
「レカちゃんありがとぉ〜」
ルリカが目の前にあるルード街を見る。
「意外と大きい街なのねぇー」
「そうだな、まあ王都の次くらいってところだ」
インワドは超大人気ゲームなので、最初の街である王都やその次に行く町はかなり広めに作られている。
「んじゃあ行こうぜ」
冒険者カードを見せて町に入る。
「うし! まずは宿に行くか!」
「そうね、先に寝泊まりできる場所に行きたいわね」
宿の場所は覚えているのでスタスタと歩いて向かう。
いやーでも最初の町と比べて建物が上に長いな……。
何でだろ。インワドやってる時もこんな感じだったが、誰もなんで長いのか知らない。
てか知ろうともしなかった。
「宿代は一泊40Gです」
「ほい」
160G払って部屋に行く。
「うおー!」
「え!? どうしたのイイジマ!?」
「ベットが!」
「ベットが!?」
「二個ある!」
「ほんと!?」
前の町よりも広めの部屋にはベットが何と二個あった。
「良かったわね! これで――」
「これでレベル上げられる!」
「…………へ?」
早速ベットをくっつけ、その上に立つ。
そしてベットの端を掴んで飛んでいる最中に手を離して武器を捨てる。
捨てたらクルッと横に回ってベットに落ちる。
んで落ちたらボヨンと跳ねて立つ。
そして後ろに倒れると……
『Lvが500になりました。
HPの上限が2000になりました。
MPの上限が2400になりました。
スキルポイントを2800獲得しました』
「よし!」
「レベルが……上がったの?」
「ああ」
「いくつ?」
「500」
「500!?」
ルリカが壁にもたれかかる。
「イイジマ強くなったのー?」
「ああ、だいぶ強くなったぞ」
「良かったねー!」
……可愛い。
「それじゃ、ちょっとクエスト受注しに行こうぜ」
「え、ええぇ、行きましょう」
宿を出て俺らは冒険者ギルドへと向かった。
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