超絶久しぶりのテレポート裏技
支持派と反対派が集まって話し合った数日後、遂にお互いの全軍を引き上げる事が出来た。
「さてと、これで俺らは帰れるって感じだな」
「そうねー、人族領が懐かしいわ……」
「人族領ってどんな感じなのー?」
レカがルリカのズボンを掴みながら質問する。
「なんと! 地面が赤くないのよ!」
「えっ! 凄ーい!」
飛び跳ねてる……可愛い……。
「イイジマ、今日行くのか?」
アルスが俺らを見る。
主にレカを。
「ああ、軍を引き上げ終わったし、元々俺らは援軍で来た訳だしな」
「そうだな、むしろここまでいてくれた事がありがたいからな……」
「じゃあ、まあ……また行けたら行くよ」
「それ来ないんじゃないか?」
「ははは、大丈夫だ、ちゃんと行くよ」
「イイジマさん!」
奥からルチュード・バーレットが来た。
「あれ、ルチュードじゃないか」
「お久しぶりです」
「初めて会った時以降見なかったがどこいたんだ?」
「ルーガイナの方まで行っていました」
ルーガイナ…………どこそれ?
「あー……お疲れ様?」
「イイジマさんもお疲れ様でした。まさかリレオさんが……」
「いい、いいその話は」
「あっ、そうですよね、すみません」
「それじゃあ帰るか」
「そうねー」
「楽しみー!」
魔王城から出て一つ考える。
……どうやって帰ろう?
馬車を浮遊……いや、流石にレカを極寒の空に何日間もいさせる訳にはいかない。
「ルリカ」
「どうしたの?」
「裏技使って帰るとするぞ」
「え」
ルリカがレカをチラッと見る。
「大丈夫だ、レカでも出来る」
「ほ、ほんと?」
「ああ、木の幹にぶつかるやつじゃない」
ルリカがホッとした顔をする。
「なら大丈夫ね……」
「まあ最近見つけたやつだから100%安全とは言い切れないが」
「前言撤回するわ」
レカを抱きしめて俺を凄い睨む。
「ルリカー、きつーい」
「あっ、ごめんね!」
そして凄い勢いで頭を撫で始める。
「ほら、行くぞー」
そして俺らは裏技が出来る場所へと向かう。
実はここ数日の間に魔族領の事を聞いておいたのだ。
なので俺が前回狼に乗って落ちた場所がどこか分かった。
今の魔族領からテレポートが出来る裏技はこれしか見つかってないからな……。
ま、他のを見つけれたらラッキー感覚でいこう。
そんな事を考えている内に着いた。
実は意外と近かった。
「うし、じゃあこの葉っぱをここに敷いて……」
「後は後はー!?」
「強風が吹くのを待つだけだ」
「その強風っていつぐらいに来るの?」
「分からん」
「……」
何だその目は。流石にいつ来るかのタイミングまでは分からないだろ。
だがその時、ビュオオオオと強風が吹いた。
「おっ、来た!」
「それでどうするの!?」
「葉っぱの上に飛び込め!」
三人でヒュンと飛んで葉っぱの上に落ちる。
「え? うわぁぁぁぁぁ!?」
ルリカがレカを抱きしめながら落ちる。
「あはははははは!」
抱かれているレカは大爆笑している。
因みに俺は普通に真顔だ。
まあ、こういうの慣れてるし……。
出口が見えてきて、葉っぱの描かれた地面から飛び出す。
「か、帰って来れたの……?」
「ああ」
「凄ーい! 空気が美味しー!」
レカが周りを走りまくっている。
「よし、とりあえず冒険者ギルドに行って、魔王の軍勢が引いた今どうなっているのか確認しよう」
「そうね」
レカを連れて冒険者ギルドへ行く。
「……あれ? イイジマさん?」
「そうだ、イイジマさんだ」
「生きていらっしゃったんですか!?」
「勝手に殺すな」
「すみません……薬草採取クエスト後誰もイイジマさんを見なかったものですから……」
「まあ良い、そういえば何だが魔王の軍勢って今どうなってるんだ?」
「知らないのですか? 今は魔王の軍勢は何故か引いて、人族に平和が訪れたという事で祭りが行われたりしているんですよ」
へぇー、今そんな事になってるのか。
「まあ一時的な平和かもしれませんけどね」
「そうだな」
とりあえず祭りが行われているって事が分かった。
「じゃあ祭り楽しむか?」
「そうしましょ」
「お祭りお祭りー!」
ま、久しぶりに楽しむか。
そう思って冒険者ギルドの扉を開けた。
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