待てぇーいル◯ァ〜ン!
「何!? それは本当か!?」
シャレやアルス達にリレオが俺らにしてきた事を伝える。
「大マジだ、あいつはサイボーグ野郎だった」
「リレオさんが……」
「そんな……」
「ど、どういう事だ?」
やはり皆混乱している。
「ほらほら皆落ち着け、まずはこれが真実か確かめるぞ」
アルスが皆をまとめる。
こいつふつーに凄いな。
俺だったらこんな事言われたら相当混乱すると思うんだが。
アルスは全く混乱していない……いや、混乱してるが皆をまずはまとめないとって思ったのか?
まあ凄いことに変わりはない。
「まず戦った場所はどこだ?」
「付いて来てくれ」
皆を連れてリレオと戦った場所へと向かう。
「ジジ……ジ……ジジジ……」
「嘘だろ……」
「マジかよ! 本当だったのかよ!」
「リレオさん……何で……」
混乱が驚愕に変わる。
「マジだったろ?」
「マジだったんだな……」
シャレがリレオを見てズゥーンと落ち込んでいる。
「大丈夫か?」
「ああ……でも俺リレオさんのこと信頼してたから……その……なんつーか……」
シャレだけじゃなく、リレオを信頼していた奴は大勢いる。
だから皆シャレみたいになってしまっている。
「……ん? あっ!」
一人の魔族が指さした方向を全員が見る。
「なっ!」
「いない!?」
リレオに巻きつけた漆黒の蜘蛛の糸が地面に落ちているだけでリレオが消えていた。
んな馬鹿な!? 相当キツく巻きつけたのに!
「イイジマさん、漆黒の蜘蛛の糸はですね……」
その声は上に付いている窓から聞こえた。
「とある手順を踏むと解けるんですよ」
「リレオ!」
そのまま窓から飛び降りられる。
「ちょっと俺追いかける!」
壁を蹴って窓によじ登る。
マジで職業『ランナー』で良かったー。
じゃないと壁蹴ってここまで高く飛べないし。
リレオの後を追う。
なんかル◯ン3世を思い出すなぁ。
まあリレオは別に赤い服着てないんだけど。
【神速】を使って走るが、追いつかない。
何故だ? と思いよく見てみると、なんか足の裏からジェットみたいなのを噴出してる。
ずっる! 俺も足の裏から出してぇ!
リレオは魔王城の屋根を伝って天辺まで登る。
「リレオ! もう逃げられないぜ」
「……それはどうですかな?」
「何?」
リレオの背中から何やら突起のような物が出てくる。
……まさか!?
「いつかまた会いましょうイイジマさん」
後ろの突起から凄い勢いでジェットが噴射されて、リレオが飛び立つ。
「やはり飛べるというのは良いですなぁ」
くるくると回転しながら飛んで行こうとするが……。
「待てよ!」
後ろからシャレが来てリレオの近くに行く。
「おや、ラーシャレ、来たのですか?」
「リレオさん! 本当にあんたが裏で色々手引きしていたのか!?」
「そうですよ」
「なんで……なんでだよ!」
「……こちらにも、事情がありましてね」
シャレが殴ろうとするが、それをヒラリと避ける。
「いきなり殴りかからないで頂きたい」
「リレオ! ッ……」
「それではイイジマさん、また」
そう言ってもの凄い速度で飛んでいった。
「シャレ……」
「大丈夫だ、少し……一人にしてくれ」
翼を広げて窓から城の中に入っていった。
「……俺も戻るか」
慎重に屋根を伝って窓から中に入った。
「シャレ大丈夫かな……?」
「まさかリレオが……」
「あっ、イイジマ!」
ルリカとレカが近づいてくる。
「一応聞くけど……リレオは?」
「逃げられた。流石にジェットがあるのは読めなかった」
「ジェ、ジェット!?」
「まあサイボーグだからな」
「サイボーグだからって言葉だけで納得出来ちゃう自分に驚いてるわ……」
「取り敢えず皆集まってるし、今後どうするのか決めた方がいいんじゃないか?」
「そうね」
という訳で今後の方針は普通に人族に攻めるのはやめて反対派にも戻るように言おうという事になった。
「さぁて、ちょっと面倒だが行くか」
そう言って反対派拠点へアルス達と向かった。
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