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鍵がかかっている? 裏技マスターに任せなさい!

「いやーほんとお疲れ様レカ」


「えへへー」


 魔王城の自室にて俺はレカの頭を撫でていた。


「ねえイイジマ!」


「何だ?」


「ご褒美欲しい!」


 ご、ご褒美!?


「何が良いんだ?」


 そう言うとレカが手を大きく広げる。


「抱っこ!」


 …………なんかの犯罪になっちゃわないか?


「え、えーと……」


「ん!」


 し、仕方ない……。


 レカをギュッとする。


「んへー」


 魔王だけど凄い可愛い……。


「こんなんで良いか?」


「うん! ありがとイイジマ!」


 レカは満足したらしくトテトテと走って行った。


「随分と、懐かれた様ですな」


「そうだなぁー……さりげなく勝手に部屋に入って来るのは何なんだ?」


 あといつの間にか背後にいるのもやめてくれ。


「申し訳ありません、今日の予定を伝えてたいと思いまして」


「そうか、じゃあ早速予定を聞かせてくれ」


「はい、まずは昨日制圧したラーナ草原の方の元敵拠点から敵の情報が書かれた書類などの捜索(そうさく)、そして……」


「そして?」


「その……申し上げにくいのですが……」


「何だ? とりあえず言ってみろよ」


「探索が終わりましたら……また魔王様と遊んであげて下さいませんか?」


「え?」


「魔王様と遊べる者は、今支持派にはおりません……その為、どうか遊んであげて欲しいのです」


 確かに小さい子には遊び相手って必要だよな……。


「分かった、探索が終わったらレカと遊ぶよ」


「ありがとうございます。では早速ラーナ草原へ向かいましょう」


「ああ」 


 馬の所へ行くと既にルリカがいた。


「あ、やっと来たわね。ほら行くわよイイジマ!」


「あいよ」


 馬に(またが)り、ラーナ草原へと向かう。


「イイジマ」


「何だ?」


 舌を噛まない様に気を付けつつ返事をする。


「ラーナ草原に行ったら探索をするのよね?」


「そうだ、敵の情報が載った書類とかを探すらしい」


「それなんだけど……普通は私達じゃなくて他の人にやらせるんじゃないかしら?」


「何でだ? まさか自分らは援軍だからってやんなくても良いって言う訳じゃあないだろうな?」


「当たり前よ、そう思った理由としては、私達は一応反対派と戦う為に呼ばれたじゃない?」


「そうだな」


「なら捜索に行かせるんじゃなくて他の拠点をやる為に行かせると思うのよ」


「あぁー……まあ、確かに」


 戦いじゃなくてなんで捜索に行かせたんだろ?


「一昨日と昨日は拠点制圧をして貰いましたが……まあ何と言いますか疲労が溜まっていると思いまして……魔族領(デーモンサイド)に来て今日で三日目ですし……」


 あぁーなるほど、リレオなりの配慮だったのか。


「そうだったのか、ありがとな!」


「ありがとうございます」


「いえいえ」


 まあ実際魔族領がなんか変わったりしてたりで疲れてはいたからな……この配慮は凄いありがたい。


「おっ、そろそろ着きますな」


 ラーナ草原の拠点に着いて馬から降りる。


「お、イイジマじゃないか」


 拠点の中央にはアルスがいた。


「おーアルス、状況はどんな感じだ?」


「敵の情報が書かれた書類はいくつか見つけたが……流石に少なすぎる。

 で、そんな時にこれが見つかった」


 そう言ってその場でコツンと地面を()った。


 蹴られた場所を見てみると何やら扉みたいなものがあった。


「それは?」


「どうやらあいつら地下室を作ってたらしい」


「こじ開けられないのか?」


「無理だ、錠前魔法がかかっている」


 錠前魔法というのは魔法で出来た錠前を、扉や蓋なんかに取り付ける事が出来る魔法だ。


 作った時に鍵も生成され、錠前が付けられた物はその鍵じゃないと開かない様になっている……が


「……ま、少し待ってろ」


「は?」


 錠前魔法にはもう一つの開け方がある。


 まず錠前を持って右側にずらす。


 そして上の繋がっている輪っかみたいな部分に指を通す。


 指を挟まない様に左側にずらしてクイッと上に曲げる。


 すると……


『ガチャ』


「良し、開いたな」


「お、おい、今何したんだ?」


「ん? ちょっとした魔法の裏技(うらわざ)さ」


「?」


 一応言っておくが、ふつーにこれは裏技(バグ)である。


 インワドをやってた頃はこの裏技で鍵をバンバン開けまくっていた。


 少し懐かしいな……。


「んじゃ、中身はどんなかなっと」


 扉を開け、下へと続く梯子(はしご)を降りる。


「おぉ……こいつは……」


 目の前には大量の紙が積まれていた。


「凄い量だな……」


 梯子を降りて来ていたアルスが驚いた顔でそう言う。


「だが、このくらいあれば敵の情報を知ることが出来るだろう、ありがとうなイイジマ」


「役に立てたなら良かった、んじゃあ俺は戻るとするかな」


 梯子を登ってリレオの所へ行く。


「どうでしたかな?」


「地下室の扉を開けて、中にあった書類を見つけた」


「え、凄いじゃないイイジマ! お手柄ね!」


「凄いですな……ところで、この後はどうされますか? イイジマさんにはその書類を見る権利があると思いますので……」


「いや、普通にベットでゴロゴロしたい」


「分かりました、明日は拠点制圧ではなく、お互い(にら)み合っている戦地へ(おもむ)いて貰いたいと思っています」


「分かった」


「分かったわ」


 あ、そうだ、帰ったらレカと遊んであげないと。


 そう思いながら馬に乗って、少し遊ぶのを楽しみにしながら魔王城へと向かった。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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