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結果オーライ!

「それじゃあ、行きましょうか」


「「うん(……)!」」


「ええ」


「行こー!」


「おー!」


 ヴィヴィスさんとの約束の日、私達は宿屋の前でそう決意を確認し、ヴィヴィスさんの所へと向かった。


「おぉー! 来たか君達! 待っていたぞ!」


 お店に入ると、ヴィヴィスさんはそう言って奥から巨大な装置を取り出した。


「それが……記憶を取り戻す装置ですか?」


「ああそうだ!」


 それは、筒状に出来た装置で、どうやらその筒の中にイイジマが入って貰う感じらしい。


 な、なんか大丈夫なのか怖いわね……。


「それじゃあイイジマ! 早速入ってくれ!」


「わ、分かりました……」


 イイジマが恐る恐る中へと入り、その装置がウィンウィンと音を立てながら一部の部分が回転したりガタガタと揺れ始める。


「ちょっ、ヴィヴィスさん!? 大丈夫なんですか!?」


「ああ大丈夫だ! 全部順調に動いている!」


「ほ、本当ですか!?」


 なんか所々煙出てるんだけど!?


「イイジマー! 大丈夫かー!?」


「だ、大丈夫です!」


「ようし、それじゃあ始めるぞー!」


 まだ始まってなかったの!?


「よいしょぉっ!」


 ヴィヴィスさんがグイッとレバーを押し、更に装置の回転が増して煙の量も増した。


「ル、ルリカ、本当にあれ大丈夫なの!?」


「私に聞かないでよ!」


「あーもう、だったらあの装置は絶対に成功する!」


「イライザ……それはチートによって無効化されない……?」


「あっ」


 つまり……ただただ祈るしかないという事……!?


「お願いイイジマー……記憶を取り戻して……!」


 ウィンウィンと鳴る装置の音だけが辺りに響く。


 そして数十分が経って、装置の作動音が止んだ。


「「「「「「っ!!」」」」」


 皆んなが期待の眼差しをイイジマに向ける。


「ど……どう……? イイジマ……?」


「…………」


 少しの間沈黙が続く。


「……すみません。思い出せませんでした」


「「「「「ま、またかぁー……!」」」」」


 皆んなで膝から崩れ落ち、あぁ〜とため息を吐く。


「うっ……本当にごめんなさい!」


「いや……良いよの別に……ただこうなると本当にヴァイナから教えてもらったあの裏技(バグ)を使わなきゃ行けなくなるんだけ――あれ、待って?」


 もしかして何だけど……。


「ヴィヴィスさん」


「な、何だ?」


 本当に申し訳なさそうに、そして悔しそうな顔をしながらそうヴィヴィスさんは返事をしてくれた。


「その装置に、機械族の核(マシットコア)って使われてますか?」


「あ、ああ。使われてるが……」


「「「「「!」」」」」


 その一言で、皆んなの目に輝きが戻る。


「あの! その機械族の核、貸してくれませんか!?」


「え、ええ!?」


「それがあれば……もしかしたらイイジマの記憶を取り戻せるかもしれないんです!」


「ほ、本当かそれは……!?」


 そう、ヴァイナに教えてもらった裏技には、この機械族の核が必要なのであった。


 まさかこの装置に使われてるなんて……!


「分かった、持って行け!」


「ありがとうございます!」


「ちょっと待ってろ、今少しバラして取り出してやる」


 そう言ってヴィヴィスさんはその装置を解体し、その機械族の核を取り出してくれた。


「ほらこれだ」


「ありがとうございま――うわ重っ!?」


「その機械族の核が軽くなる!」


 その瞬間、機械族の核の重さが発泡スチロールかってくらいに軽くなった。


「あっ、イライザありがと……」


「良いのよ」


「それで……やるの? あれを」


「……ええ、やるわ。試せるものは全部試したいもの」


「まあ……ルリカがそこまで言うなら……私達も異議は無いけど……」


 そう言って皆んなは目を合わせた。


「それじゃあ、度々重なるけど、本当にありがとうございました」


「いやいや、こちらこそイイジマの記憶を治せなくてごめんなぁ……。ところで、それをどうやって使ってイイジマの記憶を取り戻すんだ?」


「あー……えーと……」


 ヴィ、ヴィヴィスさんに裏技の事を教えても良いのかしら……?


「……やめといた方が良いわよ」


「え?」


 私の心を読んだのか、イライザが小声でそう言って来た。


「裏技を知ればきっとこの人は……」


「こ、この人は……?」


「……サイボーグとか作るのやめてイイジマみたいに裏技を探しまくる人になっちゃうと思うわ」


「なんか分かっちゃうわねそれ……」


 じゃあ、言うのはやめとこう……。


「まあ、ちょっとだけ当てがあるんです」


「当てか……まあ、そいつが治せるならそれでも良いか。頑張れよお前ら!」


「「「「「はい!」」」」」


 そうして、私達はヴィヴィスさんのお店を後にしたのであった。


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