四日間何する? 1日目 午後
「リッ、リレオ!?」
「先程ぶりです、ルリカさん」
何でこんな所に……。
「何だいリレオ、また正義のヒーローごっこかい?」
「そんなんじゃありませんよ。私はただぼったくりという名の詐欺が行われていたのを見過ごせずに止めに来ただけです」
「それを正義のヒーローごっこって言うんだよ」
「……多分、言わないと思います」
「うるさいね!」
私がちょっと考え事をしていた間に、何かお店のおばあちゃんとリレオが口喧嘩をし始めてしまった。
「ともかく! 私は詐欺なんてしていないよ!」
「ならその水晶、見させて貰ってもよろしいでしょうか?」
「そう言って、私の水晶を盗む気だろう? その魂胆には乗らないよ!」
「別にそんなつもりは無いんですけどねぇ……」
うわしかも結構低レベルな争い……。
「ちょっとちょっと二人共! 一旦やめなさい! じゃないとこの店で何も買わないしリレオとももう会話しないわよ!」
まあ、元々買う気もないしリレオともあまり話したいとは思わないけど……!
「っ、分かりました」
「ケッ、仕方ないね」
あ、あれ? こっちも低レベルな取引で収まってくれるんだ……行けないと思ってたんだけど……以外とリレオ達ってチョロい?
そ、それはまあともかく!
「リレオ、詐欺ってどういう事なの?」
「ルリカさんが見ていたその水晶、そもそもガラス製ですよ」
「えっ!?」
き、気付かなかった……。
「嘘はやめてほしいねぇ……」
「ならば証拠に」
リレオはどこからか取り出したペンで水晶玉の半分に一本の線を引く。
「あぁおい! 商品だよそれは!」
「ご安心を、後で消します」
そう言ってリレオは線が描かれていないを方の面を見せて来た。
「何本線に見えます?」
「えっと……一本……ね」
え、何なのこれ? 私今何をされてるの?
「仮にこれが本物の水晶であれば、線は二重に見えるんですよ。つまり、これが偽物であると証明出来ます」
そ、そうなの!? 知らなかった……。
「ぐぅっ……」
おばあちゃんが線を消すリレオを睨む。
「勝負ありな様ですね」
リレオは水晶を店に戻すと、クラリとこちらを向く。
「ルリカさん、詐欺にはお気を付けを」
「あ、ありがとうリレオ」
まさかリレオにまたお礼をする日が来るなんて……。
「そうだ。せっかくですし、その後お茶でも飲みませんか? 色々話したい事も……お互いあるでしょう?」
「……」
多分、リレオが聞きたいのはイイジマの事とかでしょうね……。
何としても記憶を失ってる事だけは秘密にしないと……。
「そうね、それじゃあ喫茶店に行きましょうか」
「ええ」
そうして私達は喫茶店へと向かった。
「さて、と、それじゃあ聞きたい事、貴方が先で良いわよ」
「ありがとうございます。お察しかと思いますが、私が質問したいのはイイジマさんの事です」
やっぱりね。
「イイジマの何が知りたいの?」
「その……」
何を質問されるのかしら? スキル? それともあの裏技?
「イイジマさんは、女なのでしょうか?」
「……は?」
「いやあの、前の私が殺された時、声色や顔立ち、体型も全部男のものだったのですが、先程お会いしたイイジマさんは、何と言いますか体型がもうそれはそれはお美しい女性となっておりまして……なのでそこがどうしても気になってしまったのです」
な、何だ……そんな事だったの……。
いやー良かった良か――いや、良くないわ!
イライザの事どう説明するのよ!
『言葉通りの事を現実に起こせる』なんて事リレオに対しては口が裂けても言えないわよ!?
ど、どう答えるのが正解なのかしら……これは……!
「ルリカさん?」
「はっ!」
「大丈夫ですか? 気分が優れないなら外に……」
「い、いや! 大丈夫よ!」
ええい! もうどうにでもなれよ!
「イッ、イイジマはね……あの後色々あって時々性別が女になってしまう様になってしまったのよ」
「色々……?」
「そう、色々よ」
「ぐ、具体的には……」
具体的……え、えぇーっと……
「………呪いよ」
「呪い?」
「そう! 呪い! かくかくしかじかで呪いに掛かってしまったのよ!」
「かくかく……しかじか……?」
お願い! そこは目を瞑って!
「なるほど……まあ分かりました。私に言えない事情、というやつなんでしょうね」
バ、バレたわ……。
「それにしても呪い……ですか……」
「ええ、呪いよ。時々性別が変わってしまうね」
嘘だけど。
「……分かりました。こちらの方でも色々探ってみましょう」
いややらなくて良いのよリレオさん! 嘘だから! 嘘!
「あ、ありがとう」
「ルリカさんは、私に質問とかありますか?」
「うーん……」
質問するとしても何を質問したら良いのかしら?
裏技については聞けないし……チートの力を使う人の事もダメね。まだ信用してないし。
「特には……ないかしら」
「そうですか。では、私はこの後少し予定があるので、ここら辺で。お会計は私が持ちますよ」
「ありがとう」
「それでは、私は行きます。また機会がありましたら、どうぞその時に再度お話でも」
「ええ、そうしましょ」
そうして、私達は喫茶店に前で別れた。
「……ふぅ」
何というか短い時間だったけど色々あったわねぇ……。
「ひとまず、商店街の歩いてない場所歩きましょうか」
そう言って、私は時間まで商店街を楽しんだのであった。
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