戦闘開始! ……ちょっと待て、向こう全員銃ブッパ?
ギラ台地に着き、馬を降りる。
「あれが反対派の拠点です」
リレオがそう指をさした方向には木で出来た柵があり、隙間からは人影がちらほらと見える。
「意外といるな……」
間違いなく30人はいる。
「勝てますかな?」
「多分な……ただ……あそこに拠点があるとやっぱ俺らは不利だな」
実はあの拠点の近くに裏技があるのだ。
つまり、どうにかして近づかなければ、裏技は使えない。
そして俺の使っている銃はぶっちゃけまだ全然練習中なので当たらない。
まあエイムアシスト裏技をすればいけない事はないが……
そんなパパッと出来る裏技ではないから正直言って素の勝負になってくる。
ヤバいな……俺は素の能力が弱いからなぁ……。
「そこにいるのは誰だ!」
柵の方からそう声が聞こえる。
まっずい見つかった。
まあこんな遮蔽物も何もない場所だから見つかるのも時間の問題だったけど。
「総員! 構えろ!」
……なぁんか見覚えがあるのを構えてるなぁ……。
「放てぇー!」
「逃げろ逃げろ逃げろ!」
直後、銃弾が俺らに向かって発射された。
魔法じゃねぇじゃん! 思いっきり物理やん!
【神速】を発動してリレオとルリカの手を引きつつ走った。
大量の弾がこっちに向かってくる。
まあ速いっちゃ速いなって速度ではあるんだけどな。
避けて柵を飛び越える。
職業がランナーだから蹴る力が上がってるのだ。
「なっ!?」
反対派の魔族たちの頭の上を飛び越える。
おおぉ意外と飛べるなぁ。
中にも柵が幾つかあったので、そこを遮蔽物として使う。
銃弾でたくさん撃たれているが、柵に使われてる木がかなり硬いお陰か、少ししか傷が付いていない。
俺も銃を撃つが、やっぱ殆ど当たらない。
当たったとしても狙った奴とは違う奴だ。
「くっ、弾込めの練習もしとくんだったッ……!」
バネの反発に慣れてないから弾込め本当にむずい!
なんかもうマガジンが反抗期だわ(?)
ってそんな事言ってる場合じゃなかった。
弾込めをしているともう敵が攻めて来ていたようだ。
「【光球】!」
リレオがそう唱えて近づいて来ていた魔族は吹っ飛んでいった。
「ナイス!」
弾込めが終わり、マガジンを銃本体に入れてエイムアシスト裏技をする。
「ぐはっ!」
一人にヒット。
エイムアシスト裏技様様だぜ。
「【光球】!【光球】!」
リレオも手伝ってくれている。
幹部なだけあって非常に強い。
ルリカは……
「ご、ごめんなさい」
「大丈夫だ、お前のスキルはこういう戦い向きじゃ無いからな」
こればかりは仕方ないだろう。
人間得手不得手があるしな。
「【光球】!」
リレオは沢山【光球】を打って疲れて来ている。
だが流石に今撤退すれば次に来た時にはあのジャンプは対策されるだろう。
だからやんないとなんだよなぁー。
銃を適当に撃ち、【神速】で走り抜ける。
そして違う柵の上に立つ。
「撃て撃て撃て撃てぇー!」
俺に向かって何百発もの弾丸が迫ってくる。
「イイジマ!」
「イイジマさん!」
ルリカとリレオが前のめりになって俺を見ている。
だが、俺に向かって放たれた弾丸は……
「あれ?」
全てが四方八方に飛んでいた。
「な、何が起こってるんだ!?」
「銃弾が弾かれただと……! そんなバカな……!」
今、俺が立っている柵には裏技がある。
物理攻撃反射裏技。
それがこの拠点にある裏技だ。
今の俺には物理攻撃なら全て効かない。
ただこれ発動条件が結構難しく……物理攻撃を受ける三秒前にこの場所の上にある障害物、または遮蔽物の上に乗るというものだ。
今回はその条件が奇跡的に揃ったという訳だ。
いやー助かった助かった。
「うっ、撃てー!」
また銃弾が飛んでくるが、全て弾き返す。
弾かれた弾は撃った奴に当たり、次々と数が減っていく。
「降参した方が良いんじゃないか?」
「くっ……」
その後、残った奴らは投降してこの拠点は俺らの手に落ちた。
「本当に片付けてしまうとはな……」
そう俺に言って来たのは俺が片付けると言った時に色々言って来た奴だった。
「まあな、そっちはちゃんと大爆笑して待ってたか?」
「悪いがそんな事をしてる暇は無かったよ。こっちも戦っていたからね」
「ほー、どうだった?」
「いつも通りの引き分けだった」
「そうか……ところで、お前名前は?」
「アルス・リッドだ」
「知ってると思うが、イイジマだ。よろしく」
「こちらこそ」
握手をして、ルリカ達の元へ戻る。
「お疲れー」
「お疲れ様」
「お疲れ様です。凄い魔法でしたね」
……あぁ、リレオはあの裏技を魔法だと思ったのか。
「結構頑張って習得したんだ」
「私もその様な魔法が扱える様になりたいですな……」
「頑張れよ」
「精進いたします。では拠点に戻るとしますか?」
「そうだな」
「そうしましょ」
「では馬を連れて来ます」
そうして俺らは馬に跨り、拠点へと戻るのだった。
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