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奇襲

「ど、どう……?」


 皆んなが静かーにイイジマを見る。


「……ごめんなさい、思い出せません」


「「「「「あぁ……」」」」」


 私達は思わずそう口から漏らした。


「ほ、本当にすみません……」


「いいのよ、イイジマが悪い訳ではないわ」


 でも……これでもダメなのね……。


 もう本当にイライザの言う通り裏技(バグ)でチートをどうにかするしか……。


「ふご、ふごごご」


「え?」


 その時、私の背後に、ズボンを被っていて上半身が裸体、そして下半身は黒いシャツを履いている変な人がいた。


「ふごごっ!」


「!?」


 この人っ……! あのチートを使った人の後ろにいた人だ……!


「捕らえるのじゃ!」


 百取さんが危険を察知しそう叫んだその瞬間――


『ドゴォォォン!』


 会議室が吹っ飛んだ。


「私達は怪我を負わない!」


 イライザが瞬時にそう叫んだ事により、私達は吹っ飛ばされても怪我を負わなかった。


「ふごごごごっ」


 男は更に何かを言った様だが、ズボンのせいで聞き取れなかった。


「私達は貴方からの攻撃を受けないわ」


「……ふごご」


「まず、貴方のその……被っているズボンを取ったら?」


「……」


 男は黙ると、急にしゃがみ込んだ。


「なっ、何!?」


 すると、ズボンとシャツだけがその場に残った。


「き、消えた?」


 ピュゥーッと風が吹き、ズボンとシャツが飛ばされる。


「あ゛ぁーあ゛ぁー、かったり゛ぃーなぁーおい゛」


 そして、そこには一人の男が立っていた。


「……え?」


「よ゛ぉー、姿形は違ぇけど、俺の事覚えてっか?」


「な、何で……?」


 立っていたのは――


「イイジマ……?」


 凶暴な顔をしたイイジマだった。





「お、俺が二人!?」


 本物のイイジマがそう叫んだ。


「お゛ぉ、あの時はちと世話になったな゛ぁ」


「だ、誰よ貴方……?」


「俺ぇ゛? 俺ぁな゛ぁ……あ゛ー……やべぇ……俺名前ねぇわ……」


「は、はぁ……?」


 な、何なのコイツ……?


「強いて言うならー……イイジマじゃねぇかぁ゛?」


「貴方がイイジマという名前を名乗らないで」


 イイジマは、そんな顔絶対にしないわ。


「わりぃわりぃ、んじゃまあ仲間に呼ばれてる名前で良いぜぇ」


「その名前は?」


「トラスフォーだ、覚えとけ」


「分かったわ。それで、貴方は何をしに来たの?」


「俺ぁよぉ゛、お前らにぃ゛、正確には俺が今なってる姿の奴の仲間達に用事があって来てやったんだよ」


「用事?」


「あぁ゛、こんなかによ゛ぉ、凄ぇ強ぇ奴、いるだろぉ?」


「!」


 イライザの事……よね?


 だって彼女、全てを文字通りに出来るし。


「言っとくがチビィ、お前ぇじゃねぇからなぁ?」


「チビじゃないわよ!」


 え? イ、イライザじゃない……?


 じゃあ誰なのかしら……?


「お前だよ、お前?」


 そう言って、私を指差してくる。


「え、私?」


「あ゛あそうだお前ぇだよぉ」


「でも私……イライザやニルと比べたら、結構弱い方なのだけれど……」


「お゛ぃお゛ぃ嘘はいけねぇ――ぞぉ!」


「きゃっ!」


 突如、トラスフォーが蹴りを入れて来た。


 咄嗟(とっさ)に防御したけれど、攻撃効かないんだったわね。


「あ゛ぁーやっぱめんどくせぇな゛ぁその力ぁ゛!」


 そう言うとトラスフォーはイライザに攻撃しようとした……が


「無駄よ」


「ちぃっ!」


 すぐに攻撃しようとしていた腕を掴まれた。


「てめぇ゛のその力は()()()()が、うざってぇなぁ゛!」


 トラスフォーは距離を置き、私に再度狙いを定めて来た。


「くっ!」


 私はトラスフォーの攻撃を剣で受け止め、何とか耐える。


 力がっ……! 物凄く強いわね……!


「トラスフォー! 貴方は今やられるわ!」


 イライザがそう叫ぶ。


 よし、これで――


「効かねぇなぁ!」


「「「「「!?」」」」」


 再度私に蹴りを入れた。


 いっ、痛いっ!?


 おかしいわ……さっきイライザが消したはず……。


 あっ、効かないってもしかして……。


「貴方も……あの黄土色(おうどいろ)のコートの男と同じ力を持ってるの?」


「今更気付いたのかよお゛ぃ。おせーぞ」


 そんなっ……!


「お゛ら゛よ゛ぉ゛っ!」


「ふっ!」


 トラスフォーの強烈なパンチを、剣で受け止める。


「くひひっ」


 そして、その剣は……金色のオーラが出ていた。


「やっぱり゛ぃお前ぇだったんだなぁ゛……………………()()ルリカァ゛!」


 そして、彼は私の事をそう呼んだ。


『面白い!』


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