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あの時の言葉を、そっくりそのまま返すわ

「皆さん! お待たせしました!」


「遅いじゃない! 何してたのよ!?」


「いやぁ〜……」


 イイジマが少し恥ずかしそうな表情をしながら後頭部をポリポリと()く。


「ウォシュレットっていうのが凄すぎて……」


「貴方ねー……」


 そういえば前にも同じ事言ってたわね……。


 変わらないわねぇー、記憶を失っても。


「いやー、女王様、やはりイイジマさんは記憶を失っても前とおんなじですわ!」


「ふふふ、そうなのですか。さあイイジマさん、ここに座って。紹介する人がいるの」


「え? 誰ですか?」


 そう言ってリーファがベクト爺の事を紹介し始める。


「彼の名前はベクト……すみません、貴方のフルネームは何ですか?」


「儂か? 儂のフルネームはワーム・ザ・フォレスト・インア・ガーディアン・ラチェンジ・ボルット・ウィーア・ルーチェロ・ウィンギー・ルッテラルロ・ボーレ・ベクトル・ベクトじゃ」


「えーと……前の貴方はベクト爺って呼んでたから、そう呼んであげて」


「うむ、儂もお主からはそう呼ばれる方が良いわい」


「分かりました。ベクト爺さん」


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」


「それで、この方は裏技(バグ)の事をよく知っている種族の長なのよ」


「……ばぐ?」


「「「「「!」」」」」


「すみません、裏技って何でしょうか?」


 空気がズンと重くなった。


 そうだ、そりゃそうだ。


 裏技の事を忘れてるんだから、その存在、概念すら忘れてて当然じゃない。


 でも、そんな単純な事に誰も気付いていなかった。


「裏技っていうのわね……」


 私の口が勝手に開いて話し始めていた。


「んーと、言わばこの世界の不備よ。MPを使わずに壁を貫通したり浮いたり出来るわ」


 そして、私が初めて裏技の存在をイイジマに教えて貰った時の言葉を、そっくりそのまま返す。


「へぇー、そんなものがこの世にあるんですね」


「そうよ。それで、このベクト爺さん達にの村に貴方の記憶喪失を治せる裏技を知っている人がいるかもしれないって事で、私達はこれからその村に向かう事にしたの」


「なるほど……皆さん、本当にありがとうございます」


「いいのよ、私達には貴方に借りがあるし」


「それじゃ、早速向かうとするかの?」


「あー、待って頂戴。まず、リーファは女王様でしょ? 一緒に来るの?」


「……こういう事態ならば、私は絶対に付いて行くわ」


「分かった、じゃあその事を皆んなに伝えて来て、予定はこっちで決めておくから」


「分かったわ」


 そう言ってリーファは王宮内へと戻って行った。


「そして、まあ他にも色々と準備があるし、私達も準備しましょ!」


「んじゃ、私はここでイイジマとベクト爺と一緒に待ってるわねー」


「それじゃ……行こうか……」


「うん!」


「私も行くわ!」


 そうして私達は森人族の村に行く為に準備をし始めるのだった。





「よし、準備は良いかしら?」


 再度工房に集まった私達は、最終確認をしていた。


「私はいつでもバッチリよ」


「私も、王宮の皆んなにしばらく留守にする事を伝えたし、いざって時のための道具なんかも持って来たわ」


「私達も……大丈夫……」


「大丈夫ー!」


 最後に、イイジマを見る。


「俺も、準備万端です!」


「……分かったわ、それじゃあ――イライザ、お願い」


「オッケー。私達は、森人族の村の教会に、何事も無く無事にテレポートした!」


 イライザがそう唱えた瞬間、世界が物凄い速度で右から左へと流れ始め、一秒も経たない間に、あの森人族の教会の前に立っていた。


「ふぅ、ちゃんと着いたわね」


「ここが……森人族の村……うわっ、高い所にあるわねぇ……!」


「落ちても大丈夫よ、裏技ですぐに戻れるから」


「へー、面白そうね!」


 リーファが橋から飛び降りると、ちゃんと、飛び降りた地点の少し上にテレポートしてスタッと着地した。


「うん! やっぱり面白かったわ!」


「バンジージャンプみたいな感じよな」


「まあ、落ちる距離は短いけれど」


「確かにそうね」


 そんな会話をしつつ、イライザ達に付いて行く。


「さてと、お主らが泊まる部屋は……ここじゃ」


 そう言うと、前と変わらず教会の奥の部屋を紹介された。


「か、変わらないのね……」


「……そうらしいね……」


「教会にこんな部屋があるんですね!」


「トイレは、どうな感じかしら?」


 あっ!


「ダッ、ダメッ!」


「え?」


『『『『『ワシャワシャワシャワシャワシャワシャワシャ……』』』』』


「「「「「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!」」」」」


 ま、前よりも増えるぅー!


「あひゅん……」


 扉を開けたリーファが気絶してしまった。


「リーファ? リーファー!?」


 そうしてここのトイレは絶対に使わないという暗黙の了解がすぐに生まれた。


『面白い!』


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