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しゅーごーう!

「それで……何か思い出したの? イイジマ」


 私達は身支度をした後、あの工房に行ってお茶を飲んでいた。


「すみません……何も……」


「そう……」


「でも、昔の俺がどんなのかは分かりました。あの博物館があって良かったです」


「やっぱりね! 私は先を読む力があるわぁー!」


「たまたまでしょ」


「はははは」


 そう会話していると、一人のドワーフが近付いて来た。


「女王様、今の話、本当ですかい?」


「あ……」


 ギーダさんだ。


「……本当よ、彼はあの戦争以前の事を全て忘れているわ」


「っ……イイジマさん、あんた本当に何も覚えたないのかい?」


「はっ、はい、そうなんです……ル、ルリカさん、この方は?」


「!」


 ギーダさんの目が見開かれる。


「……この方はギーダさん。多分、貴方と一番仲が良かったドワーフよ」


「んっん〜! 私が一番よ!」


「リーファ」


「はいすみません……」


「そうだったんですか……ははは、すみません、一番仲の良いドワーフの貴方ですら、忘れちゃってます」


「そうか……そうか…………ならよぉ、ちぃと面白れぇもんがあるんだ。女王様、イイジマを少しの間連れ出しても良いですか?」


「許可します」


「んじゃよ、付いて来てくれや」


 そう言ってギーダさんとイイジマは向こうへ歩いて行ってしまった。


「さて、と、それじゃあ今後の事を話し合いましょうか」


「今後……というのは」


「もちろん、イイジマの記憶をどう戻すか、よ」


「まあ……そうだよね……」


「一応、今まで試したのは、私の能力によって呼び戻すのと、イイジマ博物館で自身の過去を見せて、思い出させるってやつね」


「そのどちらも、ダメだったと……」


「というか、ぶっちゃけこれ以上の有力な手段ってあるかしら?」


 うーん、と、皆んなが考え込む。


「……裏技(バグ)


「え?」


「裏技よ、裏技ならば常軌を逸した何かが出来るかもしれないわ!」


「でも、仮に記憶を再生出来る裏技があったとして、それをどう判明させるのよ!? 知ってる人は……もう、その記憶を失っちゃってるし……無謀すぎるわ!」


 裏技を……知ってる人……。


 ……あ!


「いるわよ! 他にも裏技を知ってる人! そりゃあ、イイジマほどじゃないけどね!」


「だ、誰よそ――あぁ! 確かにいたわ!」


「え……? あ……そうだね、いるね」


「いるぅー!」


「え? 誰なのそれ? 誰?」


 私達はリーファを見て、息を(そろ)えてこう言った。


「「「「「森人族(エルフ)!」」」」」


「エ……森人族……?」


「そうよ、彼らは裏技を知っているもの! 記憶再生裏技について何か知っているかもしれないわ!」


「えっ、そ、そうなの!?」


「ええ!」


「……なら、行くしかないわね!」


「よーし! じゃあイイジマが戻って来たらその事を伝えるわよ!」


「……いや、その必要は無いわ」


 と、イライザが言った。


「え? 何で?」


「私の能力を使えば、めちゃくちゃ簡単にここに呼べるもの」


「……あっ、そっか」


「じゃあ、早速やる?」


「……どうした方が良いかしら?」


「私はやっても良いと思うわ。イイジマが戻って来る頃にはその裏技が分かってた方が、スムーズでしょ?」


「私も……同意見かな……」


「私もぉー!」


「なら、やっちゃうわよ。森人族の長が私達の今の状況を理解した状態でここに来て、村の人達もその事が分かっている!」


 イライザがそう言うと、目の前にベクト爺がポンッと現れた。


「おぉ、久しぶり……と言うにはちと早すぎるのぉう」


「ですね」


「して、儂を呼んだのは……ふむふむ、なるほど、イライザ、お主か?」


「そうよ」


「ほぉー、イイジマが記憶をのぉー……して、その記憶を再生させられる裏技を探しておるわけか」


「はい」


「結論から言わせて貰えば……儂は知らん」


「そ、そんなっ!」


 じゃあもうイイジマの記憶は……!


「待て、まだ希望が無くなった訳ではない」


「というと?」


「儂は今全森人族が使っている裏技を把握している訳じゃあないんじゃ、あくまで、自分が使う様とか、そういうのだけじゃ。じゃから、もしかしたら他の奴が知っておるかもしれん」


「で、ですが、記憶再生なんて日常でほぼ使う事の無い裏技なんて……」


「いや、案外使うぞ。あれ? 儂何してたんだっけ……とかになった時にその裏技を使えば、思い出せるしな」


「たっ、確かにそうですね!」


 ならば……!


「私達が、森人族の村にお邪魔させて貰っても良いかしら!?」


「……まあ、イイジマと一緒なら構わん」


「「「「「やったぁー!」」」」」


 こうして私達は、一筋の希望の光である森人族の村にイイジマと共に向かう事にしたのだった。



「……イイジマ遅くない?」


「ねー」


『面白い!』


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