リーファ、やらかす
「ふわぁ〜……」
翌朝、物凄くモチモチでスベスベなベットから降りてカーテンを開けた。
「うわぁ……良い景色……」
この街の天井から出ている光は、地上の光を増大させて、鏡などを使ってここまで運び、まるで地上にいるかの様な工夫がされている。
だから、ちゃんと夕方はオレンジ色になるし、夜は月明かりでぼんやりと明るくなる。
そして今は、青色だった。
「さてと、取り敢えず着替えないとねー」
そうして私は外出用の服を手に取って、着替え始める。
『バァン!』
「!?」
突如、部屋の扉が思いっきり開かれた。
「ルリカさん!」
「イイジマ!? ――って、きゃぁああ!」
私今下着なんですけど!
「イーイージーマァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!」
イイジマの背後からリーファが飛び出してくる。
「ルリカさん! お願いです! 少し部屋に居させて下さい!」
「出てって!」
服着させて!
「イイジマ……私から逃げちゃダメよ!」
「じゃあ俺の服脱がそうとしないで下さい!」
「嫌よ! 私はイイジマをお着替えさせたいの!」
「何でですか!?」
「……イイジマの生裸を見られるからよ……!」
そう言ってリーファは鼻息をフンフンと鳴らした。
へっ、変態だっ! 変態がいるわっ!
というより……私の下着が見られたのは、要するにリーファが原因って事よね……これ……?
「リーファ〜……?」
「あ……」
私は拳をパンパンと鳴らしながらゆっくりと近付いて行く。
「あぁっ!」
リーファが尻もちをついて後ずさって行く。
「いや、あのね、イイジマが逃げるのが悪いのよ! その、私はただ、お、おめかししてあげたいなぁーっていう親切心からやって――」
「リーファ、嘘はダメよー? ねー?」
「ひぃっ!」
リーファの下がる方向には壁があり、それ以上後ろに進む事は出来なかった。
「今すぐ、私の部屋から出て行って、イイジマのプライベートや人権を守りなさい。良いわね?」
「わ、わわわ、分かったわ! イイイイイイイジマ! 出るわよ!」
「えあ、はい!」
イイジマが小走りで部屋を出る寸前で、私はイイジマの肩を掴んだ。
「え?」
「私の下着を見たの、忘れて頂戴?」
「はい忘れます綺麗サッパリ忘れますいやもう忘れましたぁー!」
そう叫んでイイジマも物凄いスピードで走り去った。
「……ふぅ」
息を吐いて、視点を下にした。
「あ」
そして、自分が下着である事を思い出す。
「〜〜っ!」
あぁーもう何か怒りに任せて変な事言っちゃった気がする!
という私下着の状態でリーファに詰め寄ってた訳よね!?
恥ずかしすぎるわー!
「どうしたのルリカ……こんな朝っぱらか――らぁ!?」
いきなり入って来たイライザに思わず枕を投げつけてしまった。
「あっ、ごめんイライザ! 怪我はない!?」
「危なかったわよ……私じゃなかったら当たってたわね。あ、イイジマもね。それで、ルリカあんた下着で何やってるのよ?」
「あっ……」
「寝ぼけてるんだったら、早く服着ちゃいなさい、風邪引くわよ?」
「いや私のお母さんか!」
あと寝ぼけてなんかいないわ!
「はいはい」
イライザはそう言いながら隣の部屋に帰って行った。
「……全くもう……」
朝からさわざわしいわねぇー。
「……なんか、久しぶりだなぁー、こういう感じ」
イイジマと出会ってすぐの頃、こういう感じのがあったっけ……?
今思うと、まさか私が教会とその反対派の戦争に参加するとは思わなかったなぁー。
それに…… 〝あの時の事〟も。
今でも鮮明に思い返せる、あの事を。
「……まだ言えないわね」
いつかは明かさないといけない……いやまあ、隠してても無駄な事なんだろうけど、流石にまだ言えないわ。
「へくちっ!」
あ、マズい、本当に風邪を引いちゃうかも。
「ふ、服着ないと!」
そうして私は、急いで服を着始めるのであった。
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