王宮に泊まっても良いの!? やったぁー!
「皆んな、そろそろ18時よ」
「えっ、もうそんな時間?」
「もうっていうか、貴方達一応昼くらいからアルカニット教会と戦ってたんでしょ? このくらいの時間にもなるわ」
「あっ、確かにそうね……それじゃ、帰る?」
「そうしましょうか」
「皆んなぁー! そろそろ帰るわよぉー!」
「はぁーい!」
「分かった……」
「分かったわよー」
「分かりました!」
そう返事が聞こえると、大体10秒位で皆んな出入り口まで来た。
いや速いわね皆んな!? ここ結構広いわよ!?
というか今更だけど何で私の声皆んなに届いたのかしら……?
「それじゃ、帰りま――」
ふと、私は思った。
どこに帰るんだろ? と。
「リーファ」
「何かしら?」
「私達ってどこに帰れば良いのかしら?」
「えぇーっとねぇー……私の王宮、とかでいいかしら?」
「「「「「!?」」」」」
お、おおお、王宮!?
王宮に泊まれるの!?
「ほ、本当に!?」
「ええもちろんよ」
「やったぁー!」
いやぁーいつか王宮に泊まってみたいとは思ってたのよね!
「王宮……中々良さそうな響きじゃない」
「イライザ、そういう上から目線な事言わないの」
「私、こう見ても色々な建物を見て来てるのよ。だから、私のお眼鏡に適う建物ってのはそうそうな――」
「あ、ここが王宮ね」
イライザの言葉を遮り、リーファがあのキンキラキンの王宮に手を向ける。
「……ほわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
イライザがそう声を出して固まる。
「お眼鏡に、適ったかしら?」
「ほわほわぁ」
言語能力まで失ってる!
「貴方達は、この宮殿の右側ら辺で寝泊まりして貰うわ」
うん、大きすぎて具体的な所が全然分からないわ!
「ほわぁー!」
リーファはいつまで言語能力失ってるのよ!
「リーファ様、ご無事でしたか」
番人の人がリーファと会話し始める。
「かしこまりました。その様に」
「お願い」
番人の人はそのまま城内へと走り去ってしまった。
「それじゃ、私達も入りましょうか」
「ええ!」
「うん!」
「楽しみ……!」
「ほわぁ!」
「はい!」
そうして私達は、リーファに続いて王宮の中に入るのであった。
「「「「「うわぁー……!」」」」」
中に入ると、豪華としか言い表せない様な景色が広がっていた。
不思議ね……前にも来た事があるのに、また来ても感動できる綺麗さだわ……。
「ちゃんと付いてきて頂戴ね? 迷ったら、探し出すのに最低でも半日は掛かっちゃうだろうから」
「えっ、ここそんなに広いんですか!?」
「そうよー、まあ、貴方は一瞬で暗記したけどね」
「?」
うわーイイジマなら絶対やりそー。
「ほら、こっちよ」
長い通路を歩き、扉が等間隔で察知されている場所で止まった。
因みに、扉と扉の感覚はかなり大きい。
「ここが、貴方達の部屋よ」
「それじゃあ私ここー!」
レカが一番近くにあった部屋を選んだ。
「それじゃあ、私もそこかしら」
レカちゃんのお世話は誰かがしないとだしね」
「私は……こっち行く……」
ニルは私の隣の部屋を選んだ。
「じゃ、私はこっち側ね」
イライザも私の隣の部屋を選んだ。
「……あれ?」
部屋の数が……足りない……?
「ねえリーファ、部屋の数が足りな――」
あ、あれ!? いなくなってる!?
というかイイジマまで!
……さてはリーファまさか……。
「リーファ! イイジマを自室に連れ込んだわね!?」
「な、何っ!?」
「それは……許される事ではないぞ……リーファ……」
皆んなが怒りを露わにし始める。
「リーファ達を探すわよ!」
「「「おぉー!」」」
そうして私達は宮殿内を探し回った。
でも、流石に広すぎてすぐに見つかりはしなかった。
全くもう……一体どこにいるのよ……。
「うわぁぁぁぁぁぁああああ!」
! 今の声は……イイジマの!?
多分こっちから声が……
「うおぉぉおおおお!」
この扉だ!
私は勢いよく扉を開けて中に入った。
「どう? 凄いでしょ?」
「凄いです! 凄すぎます!」
二人は窓の近くに立っていた。
「……あら? リーファ?」
「イ、イイジマに何をしてたの?」
「何って……この景色を見せてただけよ」
リーファが指差した窓を見てみると、街全体が見渡せる様になっていた。
「更に、このボタンを押す事でこの窓の景色を変えたりも出来るのよ」
あっ、だからイイジマはさっき二回叫んでいたのね。
「何だ、私の誤解か」
「あらぁー? 私が何すると思ったのよ?」
「エッチィ事」
「ルッ、ルリカ!? 私はちゃんとムードとかタイミングとか重視する乙女なのよ!」
「いや貴方王都でイイジマ押し倒して服脱ごうとしてたじゃない」
「あれは……い、良いムードだったじゃない?」
「良いムードじゃ無かったわよ!」
そう私達が言い合いをする中、イイジマはずっと窓の外の景色を眺めていた。
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