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イイジマ博物館

「さあ早く降りるわよ!」


 ベーナダンジョンの前に着いた私達は、早速街がある11層まで降りようとしていた。


「あ、待って」


「何?」


「早く行ける物があるわ」


 そう言って私は近くの石に触れてあの石板みたいなやつを出す。


「えっ!? 何それ!?」


「このダンジョンのワープ装置……みたいな物よ」


「こ、これも裏技(バグ)なの?」


「いえ、イイジマ(いわ)く裏技じゃなくて、昔からちゃんとあるみたい」


「じゃあ誰もそれに気が付かなかったって事? はへぇー、凄いわねー」


 イライザがそう言って石板を眺める。


「この10のボタンを押したら10層目まで行くのよね?」


「そうよ」


「なら押してみても良い?」


「別に良いわよ」


 皆んなをイライザの近くに集める。


「それじゃ行くわよ」


「ええ」


「ポチッとな」


 そう言ってイライザが押すと、だんだんと視界が白くなって行き、気付けば10層の階段の所にいた。


「うわっ!? 本当にここまで来れるのね……!」


「凄いわねこれ……一体どうなっているのかしら……?」


「取り敢えず、早く行っちゃいましょ」


「そうね……あ」


 リーファが何かを思い出した様な声を上げる。


「どうしたの?」


「いや、車上に置いて来ちゃったから取ってこないと……」


「あ、そういえばそうね。じゃあ私達は先に行ってるわよ!」


「ごめんなさいね! 後で追い付くわ!」


「ええ!」


 そうして私達は分かれて、先に街に入る事にした。


「そこのスイッチ押して!」


「はっ、はい!」


 イイジマと私で床のスイッチを踏み、隠した扉を開けて中にある灯りを下に下ろす。


「うわぁ……こんな所にあるのね……」


「そうよ、足元滑るから気を付けて」


「言われなくとも――うわぁ!?」


 盛大にコケた。


「はははは、昔の私みたいな事やってるわねぇー」


「あら、ルリカもコケたの?」


「そうよ。今思えば、コケたから色々あったわね……」


 懐かしい。


「怪我はある?」


「無いわ」


「良かった、じゃあ行きましょ」


「はぁーい」


 そして私達はゆっくり階段を降りて行き……


「うーんやっと来れたわねぇー」


 遂にドワーフと獣人族の街に来た。


「凄い……こんな街並みなのね……え、ここ本当にダンジョン?」


「ダンジョンなのよ」


「信じられない……」


「本当に信じられないです……」


 イイジマがそう天井を眺めながら言った。


 ……イイジマ、ここに来ても思い出せない……か。


 まあ博物館にも行ってないし、まだよね!


「さあイイジマ、これからちょっと博物館に行くわよ!」


「博物館? 何故です?」


「良いから良いから」


 イイジマの手を取って、博物館の前に連れて行く。


「こ、ここは……」


「ここはイイジマ博物館、貴方の過去がいっぱい展示されてるわ」


「え、えぇ……?」


 困惑しつつも、イイジマは中に入って行った。


「私ももう一度見るー!」


「あぁ……レカちゃん……!」


 わははー! と笑いながら入って行くレカを追いかけて中に入るニル。


「私も気になるわねぇ……ていうか、何でこんなもんが建ってるのよ?」


「これを建てた人がイイジマを溺愛していふからよ」


「へぇ〜……手を出すなら早めにしときなさいよ、取られちゃうかもよ?」


「ちょっ!? 突然何を言ってるのよ!?」


「あははははは!」


 セクハラ発言をしたイライザも奥へと消える。


「……私も行こおっと」


 そうして私達は全員中へと入るのであった。


「…………」


 過去の自分の写真を眺めるイイジマが目に入った。


 何を見ているのかしら?


 邪魔にならない様に背後から見てみる。


『イイジマの歴史』


 ……意外と気になるわね……。


 えーとなになに……?


『イイジマは2⬛︎⬛︎⬛︎年◆月◇日に現れた』


 ……現れた? 現れたって、どういう事?


『出身などは不明、ただ人族なのは間違いない』


 待って、イイジマの過去ってもしかして結構分からない事多いの……!?


『現れて3日目で、裏技の存在に気付く』


 そう書かれたプレートの下には、写真まで付いていた。


 ……いや何でこれ撮れたのよ。


 本当にどうやって撮ったのか疑問だわ。


「……」


 イイジマ……相当集中してるみたいだし、他の場所に行こうかしら。


 そうして移動していると……


「ニシシシ、ルリカルリカ」


「ん?」


 イライザが何かを持って来ていた。


「見てこれ」


「うわっ……」


 そこには……


『イイジマの身体』


 と書かれたプレートにイイジマの裸体が描かれていた。


 まあ流石に股間は黒い丸が描かれている。


「どう?」


「ど、どうって言われても……」


「意外とムキムキなのよねぇー彼」


「……そうね」


 そういえば前にこの街のお風呂場でイイジマの裸を見ちゃったりしたっけ……懐かしいわねぇー。


「え、ルリカイイジマの裸見ちゃったの!?」


「あ、いや、そんな事無いわよ! うん!」


「はぁー、ルリカもグイグイ行く女ね」


「あっ、あれは事故なのよ! 事故!」


「見た事は認めるんだ?」


「……ミテナイヨ」


「ダウトォー!」


 ううっ、恥ずかしい……。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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