全てを可能にする者と、全てを無にする者
リタが勢いよくイライザに迫った瞬間、イライザは再度衝撃波を発生させたが、リタはそれを二段ジャンプ……いや、空中で何度もジャンプして回避する。
「コイツッ……本当に人間なの!?」
リタは回避した後もずっと空中を跳び続けている。
というか、もう至る角度から空気を蹴れてしまっているので、まるでそこに壁があるかのような動きをしている。
「あはははぁ!」
リタはそう笑いながら再度【虚無】と唱え、またあの闇が現れ……なかった。
「あれ?」
闇は、どこへ行った?
「チィッ!」
イライザが舌打ちし、リタと大きく距離を取る。
何故だ? 何故あそこまで距離を取った?
「あはぁ……やっぱりぃ……消せるようですねぇ……その能力」
「くっ……!」
なるほど! イライザの能力を無視出来たのはあのスキルを使ったからか!
「万物の根源の無である『虚無』にぃ……消せないものはやっぱりないんですよぉ……」
そう言ってリタはイライザが取った距離をまるで無かったかの様に近付いた。
「はやっ……!」
「はははぁ!」
リタがパンチをして、イライザのとは比べ物にならないレベルの衝撃波が発生する。
「がっ……」
イライザは死んだが、今度はリタの左側から現れた。
「お前ぇ……!」
リタはそう言ってイライザを掴もうとしたが、スルリとイライザは避けた。
「何いっ……!?」
そう、本当に〝スラリ〟と避けたのだ。
体がニュオーンと曲がって、リタの前に立つ。
「なるほどぉ……確かに何でも可能なら、そういうもの可能ですねぇ……」
「そうなのよ。貴方のと違って便利なの」
「おやぁ……? 僕のもかなり便利でしてねぇ……【創造】っていう貴方のと似たスキルもあるんですよ……」
直後、イライザの真上に大岩が落ちた。
「ふっ!」
アイツ……会話の中にスキル混ぜて来やがった……。
「まぁー……避けられますよねぇ……」
「全く、男なら正々堂々戦いなさいよ」
「……? 僕ぅ、女ですよぉー?」
「「「「「!?」」」」」
え!? そうだったのか!?
いやまあ確かに声は中性的だっが……それ以外は全部男に見える。
いやまあ強いて言うなら髪型だろうか?
少しおかっぱに近い形をしているし……。
「お、女だったのねぇ……」
「そうですよぉ……?」
イライザがとある部分を凝視する。
「……?」
その視線に気付いてリタもその視線の先を見る。
さぞかし、よく地面が見えた事だろう。
「……! お前ぇ……どこ見てるんだぁぁぁぁ!」
リタが猛スピードで攻め、全てを無に帰す闇を衝撃波の様に放った。
「よっ」
イライザはそれを軽そうに避け
「貴方の私と違ってペターンな所よ」
と言った。
「あぁぁぁぁぁ!」
あーあ、火に油注いでどうするんだよ。
……いや、それがイライザか。
「【虚無】ぅ! 【虚無】【虚無】【虚無】【虚無】【虚無】ぅぅぅぅ!」
リタがそう唱えて、イライザがそれを避ける。
「一つ思ったんですけどぉ……、貴方のその何でも可能にする力で僕の事殺さないんですかぁ?」
あ、確かに。
何でやらないんだろ。
「ふっ、分かりきってるのよ。貴方にそれが効かない事くらい」
イライザがそう言うと、リタは「あははぁ……!」と満面の笑みを浮かべた。
「分かってるじゃないですかぁ……! あははははははぁ……!」
リタはそう笑った後、すぐさま距離を詰めた。
リタの【虚無】は、恐らく物理的なものから概念に近い魔法までもすら消す事が出来るのだろう。
だからイライザの何でも可能にする力が効かない訳だ。
「っらぁ゛!」
「「「「「……」」」」」
反対派の全員がイライザとリタの戦いを見守る。
「「「「「……」」」」」
大司教達もまた、見守っていた。
分かっているのだ、彼らも。
この戦いは手を出して良いものではないと。
出せば命の保障が無いと。
「おらぁぁ゛!」
「はぁぁっ!」
というか、大半の人は手を出そうにも、まずこの戦いが〝目で追えていない〟のではないだろうか?
とんでもない速さで戦闘が行われている。
「さぁて……そろそろ終わらせましょう」
「一体何をするのかしら?」
リタはとてつもなく凶悪な笑みを浮かべてこう唱えた。
「【無】」
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