無の覚醒
「「「「「おっらぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!」」」」」
反対派全員が、大司教達に突っ込む。
「くっ! 撤退するわよ!」
ファレスチナがそう叫び、大司教の皆んなが撤退しようとしたその時
「待って!」
一人の大司教がそう叫んだ。
そしてその後、とてつもない殺気が大聖堂内を支配した。
「「「「「!?」」」」」
その殺気により、皆んな止まってしまった。
中には気絶してる奴もいる。
「リ、リタ! 何でここに!?」
そう、その殺気を出していたのは、リタ・ピチュルドだった。
「ぼ、僕も……や、やります……!」
「今の貴方の精神は不安定なのよ! そんな上昇でやったら……あら?」
お、ファレスチナも気付いたか。
「貴方……喋り方……」
「喋り方が、何です?」
「……いえ、何でも無いわ。取り敢えず、教皇様の迷惑にならない様に帰りなさい!」
「嫌です! 僕だって、教皇様の役に立ちたいのです!」
そう言うと更に殺気が高まった。
「……そう、なら止めないわ。でも注意して、今の彼らには、全て自分の思い通りに出来る能力を持った人がいるわ」
「分かりました」
リタはそう言うと、大司教達の五歩くらい前に出る。
「私達に貴方の殺気は効かないわ」
イライザがそう言った事により、先程まであった殺気がスゥーッと消えていった。
正確には、感じれなくなったと言うのが正しいのだろう。
「おっしゃぁぁぁ! 殺気は消えたぁ! あいつを殺せぇぇぇ!」
誰かがそう叫び、皆んながリタに向かって走って行く。
「……やめた方がいいな」
俺はそう言って動かなかった。
ルリカ達も、それを聞いていたので俺の側から離れなかった。
「「「「「死ねやぁぁああああ!」」」」」
リタの前に行き、皆んなが剣を振り上げる。
「……【消失】」
「「「「「なっ!?」」」」」
その瞬間、リタは消えた。
「アイツ、どこへいった!?」
「全方向注意しろ!」
反対派の皆んなが背中合わせになり、上を見上げたりなどしている。
「……ふっ!」
そして、その時上を見上げていた奴がいち早く察知出来た。
まあ、その事をみんなに報告出来る事とは、また別だが。
「「「「「ぐあぁぁぁぁぁ!」」」」」
上から降って来たリタが、周りにいた奴らを吹っ飛ばした。
「……こんなものか」
リタはそう言って空いた空間にゆっくりと立つ。
「うおおお!」
背後からそう叫んでリタに剣を振り下ろそうとした奴がいたが
「へぶぅっ!?」
とんでもない速度で腹にパンチを喰らい、先程の比では無い速度で吹っ飛んで行った。
あれは……全身骨折ってレベルじゃないだろう。
良くて全身粉砕骨折だ。
「あれ? 君は……」
俺の方向を見るなり、凄い速度で迫って来た。
「やあ、あの時の借りを返すよ」
「ぐっ!」
俺は即座にリタが放ったパンチを受け止める。
「へぇ、これを受け止められるんだ……じゃあこれは?」
「なっ!」
するととんでもない速度の膝蹴りが俺の顔面に当たった。
すぐに受け身を取り、立ち上がって銃を構える。
「はっ!」
ん? 何だ? 何か俺の顔に付――いやまあお面が着いて……ない。
ペタペタと自分の顔を触ってみたので、間違いない。
辺りを見回すと、割れたお面の残骸があった。
くそ、さっきの膝蹴りでお面が割れたんだ!
「お前ぇ……逸脱者だったのかぁぁぁ!」
リタは瞬きをする合間に俺と目と鼻の先の位置に来ていた。
「くっ!」
一発発砲し、リタがそれを避けている隙に距離を取る。
「ちぃっ……!」
普段のリタからは想像もできないような顔をしている。
「「「「「……」」」」」
大司教達もドン引きしちゃってるよ……。
「お前のせいで僕はぁ……あんな怖い思いをしてぇ……お前がいるからぁ……いるからぁぁぁぁ!」
マズイ、さっきファレスチナが言っていた通り精神が不安定な様だ。
さっきよりも顔がとんでもない事になっている。
何というか……狂犬みたいな顔だ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
もう正気では無いな。
俺はリタの背後に周り、後頭部に肘鉄を喰らわす。
「あがっ!」
正気で無い者に攻撃を喰らわすのは簡単だ。
動きが単調だしな。
気絶したリタを支えて、そっと床に置く。
敵とはいえ、雑な扱いはしない。
「さて」
俺は大司教達の方へと振り向く。
「次はお前ら――」
「イイジマ! 後ろ!」
「!」
ルリカの言葉に反応して振り返ると
「逸脱者ぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!」
もう目を覚ました、リタが襲い掛かってきていた。
『面白い!』
『気に入った!』
『続きが読みたい!』
と思って頂けたら是非、広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして、作者への応援兼ポイント評価をお願いいたします!
ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!
作者の大きな励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!




