魔王様……魔王様?
「それで、今の俺らの戦力と相手の戦力は?」
テント内に魔王支持派の幹部や強い戦士達が集まり、今後についての会議をしていく。
「こちらは5000、相手も5000程の戦士がいます」
「なぁるほどねぇ……こっちの5000の中で強い奴は何人だ?」
「……せいぜい五百人ほどかと……」
十分の一か……きっつ。
「それだけしかいないのか?」
「恥ずかしながら……戦争に乗り気ではない者が大半でして……」
なるほど……つまり戦意というかやる気が無いんだな。
まあぶっちゃけ当たり前だ。
戦争にわざわざ参加したい物好きなんてほんの数人だろう。
「そうか……んで、敵側の警戒すべき奴らを教えてくれ」
「魔王反対派の注意すべき者は、まず幹部である『リダラス・ベント』 『ラーガネ・ルット』 『ベルテナ・レーヴァ』 『ザレス・ヒョード』ですね」
「ちょちょちょ、ちょい待ち」
一気にキャラ増えたぁぁぁ! しかも全員知らん名前だし!
どーゆーこっちゃねん!
と、取り敢えず落ち着こう。
これからまた新しい魔族の名前が来るかもしれないんだし。
「次に幹部ではなくとも強い者達です。
まず、ガキナ・サル――」
あっ、知ってる名前だった。
その後も知ってる名前の奴らが上げられたので、問題は幹部の方になった。
どれもスキルとか知らない……。
「敵の幹部の持っているスキルとかは分かるか?」
「申し訳ありません、そこまではまだ把握できておりません」
「うーん……」
向こうの強い手札の情報がほぼゼロ……不味いなぁ……。
「そうだ、一度魔王様にお会いしてみては?」
「へ?」
今、何て言った?
「魔王に会えるのか?」
「会えますとも、貴方方の事はあの四日間の空飛ぶ馬車の旅で信頼できる者である思いましたので」
「……ルリカ……どうする?」
「いや私に聞かれても……まあ行っても良いと思うわ。
だって私達って一応魔王の支持派なんでしょ? だったら支持する人がどういう人か見ておいた方が良いわ」
「確かにな……分かった、行こう」
「かしこまりました、少々お待ちを、魔王様に伝えて参ります」
そう言ってリレオは駆け足で行ってしまった。
「なんか……凄い事になったな……」
「でも魔王を見れる機会なんてそうそう無いし良かったんじゃないかしら?」
「まあなぁー」
俺はインワドでも魔王を見た事が無い。
まあストーリー終盤の町まで行ったらそこからはただひたすらに裏技を探してたからな……。
会う暇無かった……。
「イイジマさん、ルリカさん、魔王様がお待ちです」
「おわっ!?」
いつの間にか背後にリレオがいた。
「フゥー……ビビった……」
「申し訳ありません、驚かせるつもりは……」
「謝らなくて良い、伝えに行ってくれてありがとな。
んじゃ、ルリカ、魔王の所へ行こうか」
「ええ、ちょっと怖いけれどね」
そう言って俺らはリレオに付いて行った。
デカい城が目に入る。
「いやマジでデカいな……」
ゲームの勇者ってこんなとこ入ってたのか……。
勇者の勇気って凄ー。
「魔王様の城ですからね、これくらい大きくなくては示しがつかぬというものです」
「そういうもんか」
大きな門が開かれて、奥へと進む。
中はいかにもTHE・魔王城って感じだった。
紫色のカーペットに、壁に取り付けられた蝋燭。
良いねぇー魔王城だねぇー。
「……」
「……?」
ルリカが妙に殺気立っている。
まあ無理もないか。今から会うの魔王だもんな。
会って二秒で襲われる、とか考えちゃうよなぁ。
「この扉の先に、魔王様がおります」
……扉? この門が?
高さおよそ10mのこれが?
……マジカヨ。
「イイジマ殿と、ルリカ殿が参られました!」
「入れ」
扉の向こうからそう声が聞こえる。
え? いや、この門結構分厚そうなのになんで声が通るんだ?
そういう魔法か? それとも裏技?
「ふんっ!」
リレオが扉を押す。
ゴゴゴゴゴと音を鳴らしながら扉が開き始める。
すっご! この扉開けれんの!?
もうお前だけで反対派倒せそうだけどな。
扉が開いて、玉座に誰か座ってる。
まああの人が魔王だろう。
「…………あれ?」
座ってはいる。
うん、座ってはいるのだ。
でも……
「あー! やっと来たぁー! 遅いー!」
とてとてと走って来てガシッと腰辺りを抱きしめられる。
……聞いてない……聞いてないぞ……
「貴方がイイジマね! 私は――」
ロリっ子だなんて聞いてないぞ!
『面白い!』
『気に入った!』
『続きが読みたい!』
と思って頂けたら是非、広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして、作者への応援兼ポイント評価をお願いいたします!
ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!
作者の大きな励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!




