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とりま裏技を使ってレベルを99に

 フワァァと風が吹く音がする。


 今日は風が強いなぁ……。


 目を(こす)りながら体を起こす。


 ん? なんか体に違和感が……あ、これインワド使ってる俺のアバターだ。


 髪の色が白だし形とかもそれだし。


 って事は……ああー、付けっぱなしで寝ちってたのか。


 ならさっさとログアウトしないと。電気代勿体無いし。


 ……待てよ? インワド内で眠くなる事スキルを使われない限り無いぞ?


 急いでステータス画面を開き、ログアウトボタンを押そうとする。


 変な状況に陥ったのであれば、ログアウトするのが一番だからだ。


「…………あれ?」


 無い。


 ログアウトボタンが無い。


 あるはずの所がポッカリ空いてる。


 え? なんで?


 ……なあこれまさかなんだが。


 ステータス画面バグった?


 多分これそうだよな?


 うおおおおい!


 マジか!? この状況で!?


 急いであたりを見回すと、この草原には見覚えがあった。


 インワドを始めた者が降り立つ草原だ。


 ナベラナ草原という名前があるが、初心者草原と呼ばれるのが殆どだ。


 俺が初心者の()り立つこの地に来る事はないはずだから……なんかあったの確定だな!


 とっ、取り敢えず裏技(バグ)でかき集めたワープアイテムを使って街行こう!


『所持品はありません』


「…………へ?」


 おいおい俺が集めたアイテム消えてんだけど?


 何で?


 はっ! まさかバグの影響でアイテム消えた!?


 おいおい嘘だろおい……。


 ちょっと待てそれ以外も消えてるとか無いよな!?


 急いでステータスを見る。


飯島(イイジマ) 小夜田(サヨダ)


 Lv(レベル)1


 HP:50/50


 MP:50/50


 魔法:無し


 スキル:無し』


 ……………………マジで?


 初期設定?


 しかもユーザーネームじゃなくて俺のリアルネームになってるんだが?


 てか今改めて服装見たら俺初期装備やん。


 力が抜けて草原に横たわる。


「あぁー……」


 ログアウトが出来ないのから、実質数千時間かけたデータが消えたのと同じだ。


 うわー、実際になるとこんな気分になるのか……。


 ははっ、泣いて良いか?


 初期データでどうしたら良いんだよ……。


 ゴロゴロしまくって悲しすぎる事実から目を背けようとしたが、元々レベル10000の俺からすると動きがめちゃくちゃ重く感じるので、本当にレベルが1なんだと痛感する。


「ほんとに1になっちゃったのか」


 ステータスを見ながらそう呟く。


「……待てよ」


 現実逃避をする為にぐるっと辺りを見回した事で気付いた。


 この草原に俺が一人だけなのはおかしい。


 理由は単純だ。


 日々新規ユーザーが来るこのゲームにて、初心者草原に誰もいないということはありえないのだ。


「一体……何が起きてるんだ?」


 考えに考えまくり、一つの結論に達する。



「…………もしかして俺、()()()()()()()()()()()?」



 めちゃくちゃ現実離れしているが、可能性としてはこれくらいじゃなかろうか?


 デスゲーム的な考えもできなくはないが、参加者一人のデスゲームって、誰も楽しくなくね?


 と思ったので、転生したという風に思ったのだ。


「だとしたら……軽々しく死ねないぞ……」


 どちらにせよ、死んだらそこで終わりと考えても良いな。


「でもまずは何か行動をしないとな」


 ふとあたりを見回すと、ステータス画面越しに大きめの岩があるのが見えた。


 あぁー懐かしー!


 あの岩で出来る裏技あったなー。


 確か…………あーいやでもこの世界に裏技ってあんのかな?


 ……いや、ゲーム世界だとしたらあるんじゃね?


「うおおぉぉぉぉ!!」


 その岩に向かって猛ダッシュする。


 無いかもしれないけれど可能性があるならやってみたい。


 まず岩に飛びついて一度手を離す。


 そして右足で岩を蹴ってバク転をし、その間に上半身の服を脱ぐ。


 今度は頭から岩にタックルし、そのまま頭を地面に突き立てて逆立ちをする。


 そんでそのままバタンと倒れれば……。


「出来た……か?」


 確認してみよう。


「おりゃ!」


『ピギャッ!』


 近くにいたモンスターを倒してみる。


Lv(レベル)が3になりました。

HPの上限が61になりました。

MPの上限が69になりました。

スキルポイントを3獲得しました』


「しゃおらぁぃ!」


 思わずガッツポーズを取る。


 俺が先程やった裏技は、モンスターを倒した際の経験値取得量が格段に上がるというものだ。


 これをやっていなければ、最初のエリアの雑魚モンスター1匹倒しただけでレベルは一気に3まで上がらない。


 つまり! この世界に! 裏技はある!


「めちゃくちゃ色んな事が出来るじゃないか!」


 そう両手を上げて言った俺は、小躍りをしてから周辺にいたモンスターを手当たり次第に倒しまくった。


 もちろん所持品が無いって事は、武器なんて無いので、素手で。


 その結果――


Lv(レベル)が99になりました。

HPの上限が500になりました。

MPの上限が600になりました。

スキルポイントを3獲得しました』


 レベルが、99になった。


「よっしゃ! 99になったぜ! さぁて、他にモンスターは……」


 ……い、いない……。


 全部倒してしまった……。


「仕方ない、そろそろ町へ行こう」


 そして俺はそのまま歩き出――さなかった。


「おらぁぁぁぁぁ! テレポォォォォト()ァァァァァァァ()!!」


 木向かって突っ走り、右側の下から二番目の枝を掴んでから一回転して、(みき)にぶつかる。


 するとスルッと木の幹に体が入っていく。


 スポン! と出た所は……プレイヤーが初めて行く街である王都の門の前にある木だった。


「よし! 王都到着!」


 即、大幅ショートカットをした。


 だって、歩くの面倒くさいし……。


 楽が出来るならやらないと!


 そう思いながら、俺はまたテレポート裏技をするのだった。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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 ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!


 作者の大きな励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!

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