今まで会って来た人達にもう一度会いに行こう ⑥
ふっかふかのぬっくぬくのもっちもちのベットで寝た俺らは、リーファを部屋に呼んで(まさか本当に来てくれるとは思ってなかった)その対面に座っていた。
「さてリーファよ」
「何かしら?」
「アレは何だ?」
「アレとは?」
「とぼけるなぁ! あの風呂場の写真の事だよ!」
「あぁあれね! 私の愛が伝わったでしょ?」
「えぇえぇよく伝わりましたとも! 美しいかと言われれば醜いとしか言いようのない愛がなぁ!」
「な、私の愛は純白で真っ赤っかに燃え盛っているわよ!」
「白なのか赤なのかハッキリしてくれ……」
そう言って俺らはリーファと共に部屋を出て、街を見て回る事になった。
「おい、あれ……?」
「リ、リーファ様!?」
「それにイイジマ様じゃないか!?」
「帰って来ていたのか!」
辺りからそんな声が聞こえる。
「な、なんかめっちゃ注目されてないか……?」
「そりゃあ、この国の女王とこの国を救った英雄が歩いているのだから、当然よ」
「た、確かに……そうか……」
英雄、と言われるのは少々恥ずかしい。
まあ悪い気はしないが。
「取り敢えず、俺がいなくなってから増えた物とかがみたいな」
「分かったわ! ではまずこちら!」
そしてリーファに紹介されたのは……。
「……何だこれは」
「全長10mの〝イイジマ像〟よ!」
「壊せぇ! 誰か取り壊せぇ!」
その場にガックリと倒れ込む。
「この像結構人気なのよ?」
「何でだよ! ていうか俺こんな顔じゃねぇ!」
めちゃくちゃ美化されてる!
「待合場所なんかにもなるし……あと、単純にイイジマの容姿に惚れ込んだりとか」
「そりゃあこんな美化されてたら惚れるだろうなぁ!」
「ふふふ……もうこの街でイイジマを知らない人はいないわ!」
「うぅぉ……」
なんて事だ、俺がいない間にこんな事になってるとは……。
てかマジで何でこんなデカいのを作ったんだ……。
もう少し小さくても良いだろ。
「そしてこれが、この像が高すぎてイイジマの顔が見えない人用の、イイジマの身長と同じ高さの像よ!」
「ぐぶふぁ!」
お、追い討ちダメージまであるのかリーファ……!
もう俺地面から起き上がれそうに無いわ……。
「それじゃあ、次の場所に行きましょ」
そう言ってリーファはルンルンとスキップしながらその場所へと向かって行った。
「うぉ……」
俺は這いつくばりながら移動した。
「次はここよ!」
「ぅ……ここは……?」
「イイジマ博物館!」
「……」
「あれ? イイジマ? イイジマー!?」
俺のライフは、もう0です。
その後、近くのベンチで休んだ俺らは、今度こそその博物館にお邪魔する事にした。
「うわぁ……」
至る所に俺について書かれた物がある。
まあ、流石に元の世界の俺の事までは書かれておらず、インワドでの事しか書いてない。
……いや逆に何でこんなに俺の事を知ってるんだよ。
怖いわ。
「どおどおイイジマ? イイジマの博物館だよ」
「何というか、恥ずかしさで死にそうだ」
ていうかマジで細かいなこれ。
リーファと出会う前の事まである。
うわぁー……ほんと、よく調べたなぁー……。
「ねえねえイイジマ」
「ん? 何だ?」
ルリカが一つ気になる物があった様だ。
「これは、誰と戦っているの?」
ルリカが指差す場所には、一枚の写真があり、とんでもなくブレていた。
いや、正確には速すぎてそういう風にしか撮れなかったのだ。
「あぁ、これか……」
懐かしい。
これは多分インワドで開催されたイベントでの戦いだな。
めちゃくちゃデカい無人島にテレポートさせられてそこでお宝を見つけまくり、一週間後もっともお宝のポイントが多かった奴の勝ち、というルールだった。
まあ俺はぶっちゃけ裏技を探すためだけに参加したのだが、せめてちょっとは宝を持っておこうと思って一人のプレイヤーを襲ったのだ。
だが、何とビックリそいつは裏技を使った俺と渡り合ったのだ。
しかも、全部マイナーなやつで。
その時の戦闘の写真がこれだな。
……いやいつ撮られた!? 気付かなかったぞ!?
取り敢えず、その事をルリカに分かりやすく説明する。
「へぇー……イイジマの過去は波瀾万丈ねぇ」
「なはは……」
そうして俺は博物館を隅々まで見て、めっちゃ恥ずかしい気分になるのだった。
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