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今まで会って来た人達にもう一度会いに行こう ②

 客室で待っていると、扉を叩く音がした。


 護衛さんが外に出て、誰なのかを確認する。


「あっ、どうぞどうぞ」


 護衛さんが小声でそう言って外にいた人を招き入れる。


 そして入って来たのはアルス達だった。

 中には戦いの時に見た顔もある。


「先程ぶりです魔王様」


「おぉ! 魔王様!」


「魔王様だぁー!」


 魔族達がレカを見て喜びの声を上げる。


「皆んなぁー!」


 レカがそう言って皆んなと抱き合う。


「えへへー」


 レカのあの満面な笑み、久しぶりに見たな。


 何というか、微笑ましい。


「それで、一体何故戻って来たんだ?」


「なんて言うかな……この後デカい戦いがあるから顔合わせに来たって感じだ」


「なるほど……もしや、そのデカい戦いに魔王様も行くのか?」


「まあな。貴重なうちの戦力だ」


「……そうか」


 アルスがチラッとレカを見る。


「魔王様はちゃんとそれに承諾しているのか?」


「本人に聞けよ」


 そう言ってレカに親指でクイッとやる。


「……魔王様。大きな戦いに行かれるという事ですが、魔王様はそれでよろしいのですか?」


「私はそれで良いよー! 少し怖いけどぉー、それいじょーに楽しそうだしー!」


 レカがそう言った事により、魔族達は少しだけ落ち着いた様だ。


「かしこまりました……イイジマ」


「何だ?」


「絶対守れ」


「言われなくとも」


 そう言って俺はレカの頭を撫でた。


「ん? えへへー」


 ニコッとした笑みを浮かべるレカを見て可愛いっ! と思った。


「まあ何だ、せっかく来てくれたんだし、何かしてやりたいんだが、まだ戦後の処理とか色々あってな……パーティー的なのを開く事は出来ないんだ」


「いやいやそんな事しようとしなくて良い。俺らはさっきも言った様に顔を合わせに来ただけだしな」


 そう言って俺は席を立ち上がる。


「ちょっと、魔王城を探索して来ても良いか?」


「あぁ、別に良いぞ」


 アルスから許可を貰えたので、俺はレカ達を置いて部屋を出た。


 まあ、レカ達と色々話したいだろうという彼らの意図を()んだのだ。


 そういえば、リレオが死んでしまった事を言うべきだろうか?


 ……いや、質問されない限り言わない方が良いな。


 わざわざ気分が沈む話なんてしなくて良い。


 そして俺は所謂(いわゆる)謁見(えっけん)の間という所に来た。


 初めてレカと出会った場所だ。


 懐かしいなー、ここで俺はレカに抱きしめられたんだっけ。


 そういや王座とかってよく見た事無かった。


 どんなもんなんだろ。


 王座に近づいて見てみる。


 おぉー、まさに、魔王が座る場所って感じ。


 金で出来た椅子に紫色の柔らかそうなクッションがくっつけられており、レカの様に少しの段差があった。


 というか、肘掛けもレカ用の高さになってる……!


 ちゃんとしてるなぁー。


 一通り見て、俺は王座の前に座る。


 そして、ゴロンと横になる。


 へへっ、謁見の間で横になったのって多分俺だけじゃね?


 そう思って俺はククッ、と笑う。


 そういえばあのリレオの部屋はどうなっただろうか。


 謁見の間を出て、あの部屋に行く。


「ほぉーん、こうなってるのか」


 どうやら、あの時空いた穴は修復され、扉が付けられて普通の部屋になったらしい。


 ちょいと入ってみるか。


 扉を開け、かつて死闘を繰り広げた場所に入る。


「……マジで普通だな」


 他の部屋と変わりない部屋だった。


 紫色の壁紙、蝋燭(ろうそく)、床。


 まあでも仮になんか変わってたらそれはそれでちょっと嫌だな。


 扉を閉め、客室に戻る。


「なるほどー、イイジマ殿とそんな旅を……」


「うん! イイジマ凄いんだよ! その敵をバーッてやって、ズドーンって!」


 おいおい、それじゃ絶対伝わらないしそれいつの出来事だよ。


「おっ、戻ってたのかイイジマ」


「ついさっきな。んで、レカと何の話してるんだ?」


「お前達と魔王様の旅の話だ」


「ほぉーん。レカ、今旅のどこら辺の話してるんだ?」


「あの工場のとこー!」


「工場……あぁ! あそこか!」


 ()国のクエストで行った場所だ。


 俺がジェットパックを手に入れた場所でもある。


 ……いや俺本当にいつレカ達の前でバーッてやってズドーンってやった!?


「ちゃんと魔王様を守ってくれて、ありがとうな」


「……どういたしまして」


 まず守る以前にレカが強すぎるんだけどな……。


「まあ今日はゆっくりして行ってくれ。多分だが、これからまた旅の道中で出会った人達に会いに行くんだろ?」


「分かってるじゃないか。その通りだ」


「ならその時まで我々は魔王様と話をしてても良いか?」


「全然良いぞ」


 そしてレカとアルス達は部屋から出て行った。


「ふぅー」


 と一息吐いて、俺は椅子にぐったりと寄りかかった。


「魔王城……凄い場所だね……」


「だろ?」



 ニルがそう言ったのに対して、俺はそう答えるのだった。


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