今まで会って来た人達にもう一度会いに行こう ①
フィーチャリットに会ってから、約一週間が経った。
「それじゃあ、これが決まった計画だよー」
俺らの拠点に来ていたフィーチャリットは、計画書を俺らに配った。
「……なるほど」
意外とよく出来ている。
まず俺ら王都南西方角組は、方角通り円の南西方角を努める。
そしてそのまま円を狭めて行って、裏技を起点に教会へ攻め込む。
んで攻め込んだ後、大司教達に情報が伝わる前に大司教を捕らえる。
今言ったのは計画を大雑把にしたもので、実際ほ細かい事がいくつもあるのだが、それを話すと何時間も掛かるので割愛する。
「それじゃあ、決行は5日後、10時に行う。皆んな、それまでに遺書を書くなり覚悟を決めるなりおいてくれ」
そう言って俺らの方をチラッと見て
「頼むよ?」
と言って、フィーチャリットは去って行った。
「よし、聞いたな? 5日後だ5日後。それまでに武器の手入れ何かもしておけよ」
そしてその日はこれで解散となった。
まだ朝の10時半だ。
何がする時間は充分にある。
「……何しようか……」
自宅にてそう呟く。
「そうねー……何をするべきなのかしら……」
リビングでゴロンとしているルリカも分からないらしい。
「……昔の皆んなに、会いに行くか?」
「それ良いわね!」
ルリカがガバッと起き上がる。
「んじゃあまず最初は……どこに行くか」
「魔族領……とか?」
「そうだな、そこに行こうか」
レカ達にその事を話すと
「え!? じゃあアルス達に会えるって事ぉー!?」
「そういう事だ」
「やったぁー!」
嬉しそうにピョンピョンと跳ねてくれた。
「魔族領に……行くんだ……」
「まあなー、あそこで色んな人達に会ったし……もしかしたら失敗して死ぬかもだしな。そうなる前に、会っときたいんだ」
「ん……分かった……」
ニルはそう言ってストーブの側で丸まった。
まあ流石に今すぐに行くというのも何だし、少し休んでからでも良いだろう。
テレポート裏技ですぐに行けるしな。
そういえば、この世界に転生して初めて魔族領に行った時は、リレオの馬車を浮かして行ったんだっけ……。
懐かしいなぁ……。
と言っても、まだ数ヶ月前の話だが。
そう思いながら、俺はいつのまにかリビングで寝てしまった。
「それじゃあ行くとするか」
「ええ!」
「わーい!」
「うん……!」
俺が寝てから数時間後、少し身支度をした俺らはテレポート裏技で魔族領に向かう事にした。
「ほっ!」
魔族領に行ける木にダイブし、スタッと着地する。
「スゥー……」
この景色、この空気……懐かしい!
「うわぁー……変わらないわねぇ、ここ……」
「そうだなぁ、マジでこの赤い土は変わらねぇなぁ」
さあ話しているとニル達も来た。
「わははー! 魔族領だー!」
「ここが……魔族領……」
ニルはこの景色の変わり様に驚いている様だ。
「結構変わるだろ?」
「うん……地面が赤いなんて……」
「取り敢えず、魔王城に行く?」
「そうするか」
「わーい! 皆んなに会えるー!」
レカがトテトテと走って行く。
あぁほんと懐かしいな……。
あのレカのスピードがとんでもないと感じた時期もあった……。
まあ今もだが。
「おいおい待ってくれよー!」
俺らもレカの後に付いて行く。
というか絶対レカ魔王城の場所分かってないだろ。
「わー!」
あぁやっぱり違う方向行ってるし!
レカの軌道を修正しつつ、魔王城へと向かった。
「……着いたな」
まあ約3分程走って、魔王城の前に辿り着く。
「そうだ、皆んなお面は外しておけよー」
「あぁそうね、忘れてたわ」
このお面マジで着けてる感覚ないから外すの忘れちゃうわ。
「うし、それじゃあ行こうか」
そう言って門の前へと行く。
「……む? ひ、人族!?」
スチャッと槍を構えてくる。
「おいおい落ち着いてくれよ。この顔に見覚えないか?」
そう言ってレカの顔の周りを指でクルクルとやる。
「……!? まっ、ままま、魔王様!?」
「そそ」
「魔王様はイイジマ殿という人族と共に旅に出たはず……何故貴様が魔王様を連れている!?」
こっ、こいつ……っ! 今まさに答え言ってるだろ……!
気付かないってマジか!?
「そのイイジマだよ俺は」
「ほ、本当ですか魔王様?」
「イイジマはイイジマだよー?」
「こっ、これは失礼致しました! どうぞ中へ!」
魔王城の大きな扉が開かれ、俺らは中に入った。
因みにあの護衛さんも一緒である。
「あっ、アルス様!」
遠くで何やら作業をしているアルスに護衛さんがそう呼びかけた。
「ん? どうした?」
「ま、魔王様御一行がお戻りに……」
「何っ!?」
アルスは護衛の肩越しに俺らを見た。
そして俺らを見た瞬間とんでもないスピードで俺らの所に来た。
「おぉイイジマ! 戻ったのか!」
「ああ」
「魔王様も、お元気な様で」
「んふふー!」
レカがそう言ってピースをする。
「俺は皆んなにこの事を伝えてくる。おい」
「はっ」
「彼らを客室まで案内してくれ」
「了解しました!」
そしてアルスはどこかへ走って行ってしまった。
「それでは魔王様方、こちらへ」
そう言って護衛さんは歩き出して、俺らはそれに付いて行くのだった――。
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