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反対派リーダー、カミング

「皆んなに報告がある」


「「「「「?」」」」」


 拠点にて、ギリッダがそう言った。


「本部から、リーダーが来る」


「は!?」


 リコが大声でそう叫ぶ。


「おいおい、マジで言ってるのか!?」


「嘘でこんな事言うか?」


「マジかよ……」


 リコがストンと近くの木箱に座る。


「あの……リコさんは何故あんな風に……?」


「あいつはな、リーダーの事が嫌いなんだよ」


「何故です?」


「元々の相棒なんだよ」


「えっ」


 うわぁー……何というか、気まずいなそれ……。


「今はお互い別々だが、本当に昔は仲が良かった」


「ギリッダさんは何故その事を知っているのですか?」


「俺はあいつらよりも長くいるからな」


「……何故ギリッダさんがリーダーじゃないんです?」


「俺が断ったんだよ。俺にそういうのは似合わねぇ」


 いや似合うだろ。


 今現在進行形でこの拠点のリーダーやってるんだし。


「あとまあめんどくさかったんだ」


 あっ、絶対こっちが理由だ。


「取り敢えずまあ、そういう訳だから、皆んな体とか、この部屋を綺麗にしてくれ」


「じゃあまずこの部屋から片付けるかー」


 そう言って皆んな何処からか掃除道具を持って来て掃除し始めた。


 ……掃除道具に蜘蛛の巣があるんだけど……!?


 まずその道具から掃除した方が良くないか?


「レーダスー、水頼むー」


「【水出現】」


 レーダスがそう唱え、床が水浸しになる。


 まあ、実際かなり汚かったしこれくらいやった方が良いだろう。


「私もやります」


 そう言って俺は近くの(ほうき)を手に取り、レーダスに洗って貰ってから掃除し始めた。


 おぉ……蜘蛛の巣が取れる取れる。


 あとなんかの虫の死骸も沢山取れた。


 箒なのに。


 皆んなもちゃんと掃除していて、雑巾掛けやちりとりなんかを使っていた。


 因みに、水は出入り口の扉を開けて外に流し出した。


「よし、それじゃあお前ら、一旦帰って風呂に入って来い。リーダーが来るのは15時からだから、急げよー」


 掃除道具を片付け、俺らは一度家に帰って風呂に入った。


 そして2時50分、再度拠点に戻る。


「よし、全員10分前に来てるな。それじゃあ今日の予定を話す。とは言っても俺もあまり聞かされてない。ただ教会に関する大事な要件があるから、それを話す、との事だ」


 教会に関する大事な要件、か……。


 一体何だろう?


 その時、扉がノックされた。


 時間的には……5分早いな。


「今行きます」


 ギリッダがそう言って、ゆっくりと扉を開ける。


「ふむ、皆んなちゃんと集まってる様だね、ギリッダ」


「もちろんです」


「敬語はいらないよ。俺らの仲だろ?」


「はっ、さっさと言ってくれよその言葉。お前に敬語を使ったせいで鳥肌が立ったぜ」


「相変わらずだねぇ………」


 そう言ってリーダーの人が会議室に入ってくる。


「どうも皆さん。俺の名前はラール・バギット。アルカニット教会反対派のリーダーをやらせて貰ってる」


 そう言ってラールは俺らを一瞥(いちべつ)した。


「今回話す内容は……ギリッダからちょっと聞いてるかな? アルカニット教会に関する事だ。それは――」


 ゴクリ、と皆んな固唾(かたず)を飲んで、その言葉の続きを待つ。



「俺らと教会の、大戦争を起こす」



 ……何て?


「ちょ、あんた正気かよ!?」


 リコがラールに怒鳴る。


「そう怒るなリコ。最後まで人の話は聞くものだよ」


「うるせぇ! 大戦争だぁ!? あんた気でも触れたのか!? 今の戦力で、あたしらが勝てる訳無ぇじゃねぇか!」


「いや、勝ち目ならあるよ」


「……は?」


 リコがゆっくりと壁に寄りかかる。


「じゃあ言ってみろよ」


「だから、それを言おうとしてたのに……まあ良いや。そこの彼らが、勝利の鍵だ」


 そう言って手を差されたのは……


「私、ですか?」


 俺らだった。


「そう、君達! 君たちこそ! これから起きる大戦争の希望の光なんだ!」


 ラールが両腕をグワッと上に上げる。


「……あんた正気?」


 リコが冷静なツッコミをする。


「もちろん俺は正気だとも。……待って皆んな、彼らの正体、知ってる?」


 皆んなフルフルと首を横に振る。


「あーそっか知らないのか……」


「何なのよ?」


「えーと……言っていい?」


 俺を見てそう言って来た。


 いやダメに決まってるだろ。


 首を横に振ったが


「よし、許可出たね!」


 目イカれてるのか!?


「彼らの正体はむぐぅ!?」


 俺は急いでラールの口を手で塞ぐ。


「申し訳ありません。私達の正体を話さないで頂きたいのです」


「ふぁふぇ?(何故?)」


「そんなの……」


 俺は耳打ちする。


「スパイがいるかもしれないじゃないですか」


「……」


 ラールが少しの間黙る。


「ははっは(分かった)」


 ラールがそう言ったので俺は口から手を離す。


「逸脱者」


「!?」


 ラール、てめぇ……!


「彼の正体は、逸脱者だ」


 俺はベルトに挟んである銃を抜きかけた。


 くそ、どうしてバレた?


「はぁ? こいつが?」


 リコが俺を指差して言う。


「流石に面白くないぞーそれ」


「本当の事なんだけどなぁ……」


 ラールが肩をガックシと落とす。


「どうしたら信じて貰える?」


「逆にどうしてこいつが逸脱者だって信じられる?」


「だってそんなの……」


 俺はその次の言葉に、冷や汗がドバッと出た。









































     「彼が裏技(バグ)を使ってるからだよ」


『面白い!』


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