無事、脱出!
少し疲れたので、ゆっくりと歩きながらイライラを見る。
「ん? 何よ」
「いや、特に何も」
まあ強いて言うならば、あれから何があったとかだなぁ。
「あれから……まあ特に凄い事があった訳じゃないわ。ただ、貴方が作ったあの魔矢、あれのお陰で狩りが大分楽になったらしいわ」
「なら良かった」
「他には……あっ、そういえば貴方以外にも一人来たわね」
「えっ、マジ!?」
ここに来たって……いや良くこれたなぁー。
「どんな奴だった?」
「あれよ」
「あれ?」
イライザが指差した方向を見る。
そこには、人の骨があった。
「……あちゃぁ……」
多分、迷路から出られなかったんだなぁ……。
「なるほどな」
「まあ、かなり善戦した方よ」
「やっぱ他にも出られずに死んだ奴はいるのか」
「そりゃあね」
「……酷い奴だなぁ」
「今更よ」
「確かにな」
俺らは彼、または彼女の前を通り過ぎる。
「……南無阿弥陀仏」
流石に何も言わないのは可哀想だった。
それから俺らはひたすら進み、約一時間が経った。
「疲れた」
「まあ、そうね」
「お。お前でも疲れを感じる事ってあるんだな」
「身体的なものじゃないわよ」
「精神的なもんか」
「そうよ」
「何だ? 俺といるとつまらないか?」
「ある意味そうね。もうすぐ迷路から出ちゃいそうだし」
「貴重な情報、ありがとうございます」
「あっ」
前と変わんねぇーなぁーこいつは。
「しっ、失敬な! ちゃんと変わってるわよ!」
「どこが?」
「……む、胸……とか?」
「小さくなったのぶへあぁ!?」
思いっきり顔面をぶん殴られた。
「レディーにそういう事言う!?」
「痛てて……顔面をぶん殴ってる時点でレディーじゃないだろ」
「もう一発いく?」
「いやまあイライザは立派なレディーだもんなー、すまんすまん」
【超回復】をやり、スッと立ち上がる。
「まあ、どこが変わったか分かってはいるぞ」
「え、そうなの?」
「ズバリ……」
イライザが俺を見つめる。
「あのマンドラゴラの本の位置が変わってる」
そう言って指差した本棚には、マンドラゴラの本がある。
「……よく気付いたわね」
「さっきも言った通り、記憶力は良い方なんでな」
「良い方ってレベルじゃないわよそれ……」
そんな事を言いつつ俺らはまた走り出した。
そろそろだってイライザも言っていたし。
んでまあ約30分後
「うし、着いた」
「やっぱあんた速いわねぇ……」
「はははっ、どうも」
「それじゃ、私は貴方が勝つ様にしてあげる」
「ありがとな」
「良いのよ。意外と楽しかったし」
「まあまた行けたら行く」
「それ来ないやつじゃない」
「じゃあなー」
そして俺はゴールへと向かった。
「うおぁ!?」
魔法陣から出て来た俺は、天井からズドンと落っこちる。
「痛ってぇ〜」
ギリギリ頭から落ちない様に出来たが結構危なかったぞ。
「おいしょ」
立ち上がって少しだけ周りを見る。
えーっと、こっからここまでは読んだから……次はここからか。
「よし、頑張るか」
そして俺ほまた本を読み漁り始めた。
「……そろそろ時間か」
鍵穴からギリギリ見える時間がそろそろ集合時刻になりそうだった。
「急ぐか」
誰も見てない事を確認してから、壁貫通裏技で外に出て、集合場所へと向かった。
「あっ、イイジ――リトヴェ!」
「来た……」
集合場所には既にルリカ達がいた。
「悪い、待たせたか?」
「全然よ」
「そうか、んで、何か良い情報はあったか?」
「あったわ」
「あったー!」
「私も……あった……」
「どんなのだ?」
「私達が見つけたのは……今の大司教達についての情報ね。どんな人物なのか分かったかわ」
「なるほど、ニルのは?」
「この教会の……歴史……とか……」
「良いねぇ」
今日でかなり情報を集められた。
「んじゃ、拠点に戻るか」
「分かった……」
俺らは路地裏に行って【透明化】をやり、手を繋いで拠点へと帰った。
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