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位、上がったぜ!

「ええっ!?」


 リピュドが声を上げて驚く。


 だろうな。


【創造】


 前にも言った通り、扱う難易度が難しいスキルランキングで堂々の一位を獲得したスキル。


 そんなものを使ったんだ、こうもなる。


 さて、気になる俺が創り出したものは……


「テッテレー」


「……あれはぁ……瓶……?」


 瓶、ではある。


 正確にはワインボトル。


「な、何でぇ瓶なんかぁ……」


 ただのワインボトルな訳ないだろ。


 中に、何が入ってると思う?


「ふっ!」


 俺はそのワインボトルを思いっきり投げる。


「えぇっ、なっ」


 パリーン、と、リピュドの目の前でワインボトルが割れる。


 そして――


「うあぁぁぁっ!」


 リピュドの体が〝燃え広がった〟


 そう、俺が創ったのは火炎瓶だ。


 元いた世界でたまたま知る機会があったのだ。


「あっ、熱いぃ! だ、【大回ふ――」


 俺はすぐにリピュドのそばに行って、パンチをリピュドの顔面スレッスレで止める。


「ぐっ!」


 その風圧によってリピュドは吹っ飛ばされ、【大回復】が出来なかった。


 さて、炎がリピュドを包み込み、リピュドはのたうち回っていた。


「リ、リピュドさんの試合続行不可を確認! 勝者リとヴェさん! だ、誰かリピュドさんの救護を!」


 そう声が聞こえたので仕方なく俺はまずリピュドに【水出現】をやって炎を消し、【超回復】をやった。


「うぅ……」


 リピュドがゆっくり立ち上がる。


「強いですねぇ……リトヴェさん……」


「ありがとうございます」


 そう言って俺は早々に立ち去った。



「……君ぃ……なんですぅ、かねぇ……」


 だから、そうリトヴェが言っていたのは聞こえなかった。







「ふぅー……何とか勝てたなぁー」


「ええ! でもこれで、位が上がるわね!」


「だな」


「やったー!」


「うん……嬉しいね……」


 俺らは現在勝者だけが行ける部屋にいる。


 今のところ、勝負したのは俺達だけなので、当然他に誰もいない。


「でもイイジマ、最後の人凄い強かったわねぇー」


「うん……動きが……見えなかった……」


「あぁ、あれはまあ……無属性スキルの【時間停止】だ」


 声小さかったし聞こえてなかったか。


「え!? 【時間停止】!? 何その強すぎるスキル!?」


「そんなスキルを使える人が……まだいたなんてね……」


「ん? ニル、【時間停止】知ってるのか?」


「……いや……まあ……うん……」


「へぇー、あいつ以外にも使える奴いるんだな」


 インワドの世界にはもうリピュド以外いないと思っていた。


 てかリピュドが使うまで誰も使えないと思ってたからな。


「勝者、ヤシ・ウヨシさん!」


 闘技場からそう勝者の名前が聞こえて来た。


 その時、扉が叩かれてた。


「ん? 何でしょうか?」


 扉が開かれると、そこには……


「これはこれは、リタ様。昨日ぶりですね」


「はいぃ、そうですねぇ……昇格ぅ、おめでとうございますぅ……」


「お褒めに預かり光栄です」


 ルリカ達も頭を下げる。


「そのぉ……これから少しぃ、お話でもどぅ……ですかぁ……?」


「もちろんご同行いたします」


「良かったですぅ……じゃあぁ、行きまし――」


「【眠り付与】」


「ッ」


 俺は、リタを眠らせた。


「えっ!? ちょ、何してるのイイジマ!?」


「おいおい、気付かなかったのか? 俺は対戦相手はコイツだよ」


「え……?」


 俺はぶっちゃけ最初から気付いていた。


 背丈、喋り方、あと俺と同じ様に画面を被っている事。


 つまり、顔をバレたくない、という事。


「レカ、お前は分かってたろ?」


「う、うん!」


 レカは他人の魔力が見える。


 なので、前に会った人と同じ魔力ならすぐに分かるという事だ。


「それで、リタをどうするの?」


「んー、まあ、反対派の奴らに任せるか」


 悪いが、拷問されようが何されようが、俺は構わない。


 いやまあ、尊厳だけは守らせてやって欲しいが。


 俺はリタを肩に担ぐ。


「取り敢えず、試合がぜんぶ終わる前に拠点に連れてこう」


「分かったわ」


 そして俺らは【神速】を発動して拠点へと帰り、リタの手足を太めのロープで結び、口にロープを噛ませて魔法やスキルを発動出来ない様にした。


「よし、まあこんなもんか」


 そして俺らは急いで教会へと戻った。


「それでは勝者の皆さん、付いてきて下さい」


 信徒に着いて行くと、そこには一人の初老の男がいた。


「これが今回の?」


「そうでございます」


「ふむ」


 彼は俺らの事をマジマジと見る。


「なるほど。おめでとう諸君、君達は位が上がった。これからもアルカニット神様の為に、頑張ってくれたまえ」


「激動の言葉、感謝いたします」


 信徒がビシッと頭を下げた事により、俺らも頭を下げる空気になったので、下げた。


「行って良い」


「はっ」


 そして俺らはその部屋から立ち去った。


 誰なんだあの爺さん?


「マジかー、俺アーガスト様に会えたぁー!」


「ラッキーだな! 中々会えないらしいぜ?」


 周りからそんな声が聞こえた。


「失礼、アーガスト様、というのは先ほどの方の事で?」


「おまっ、知らないでここに入ったのか?」


「申し訳ありません。知識不足です」


「まあ良い。アーガスト様ってのはな、このアルカニット神様を崇めるアルカニット教会の、現教皇様だ」


 ……ほぉ。


「アーガスト様は多忙の身、さっきみたいに会える事なんて滅多に無いんだ」


「なるほど、ありがとうございました」


 アイツが教皇だったのか。


 つまり……アイツを倒せば……教会は終わる。



 俺はそう思いながら、信徒に付いて行くのだった。


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