なんか色々、貰っちゃいましたぜ
「そうか……修行は終わったのか……」
百取に修行が終わった事を告げると、百取は少し上を向いて寂しくなるといった様な表情を浮かべた。
「なぁに、別に一生会えないって訳じゃないだろ?」
「それはそうなんじゃがな。ただ、お主らはアルカニット教会と戦うんじゃろ? もしかしたら、もう会えんくなるかもと思っての」
「おいおい縁起でもないとか言うなよ」
近くの椅子に腰掛け、百取の顔の近く自分の顔を寄せる。
「俺らは死なねぇよ。絶対」
「……まあ、そうじゃろうな。儂に勝ってるんじゃしな」
「ふっ、そうだな」
実際は、手加減してくれたあんたに勝ってるんだがな。
「そうじゃ、ちと付いと来とくれ」
百取が部屋を出て向かった先は、美沙羅奇だった。
「ワフワフ」
「おぉ蛇郎丸か。廻邏毘はおるかのぉぅ?」
「はいほい〜、いますよぉ〜?」
店の奥からそう声が聞こえる。
お面はナマハゲになっていた。
「イイジマ達がそろそろこの村を出てしまうそうでなぁ……」
「ありゃ〜そうなのか〜、まだ研究し終わって無いのにぃ〜」
……ん? し終わってない? 逆にしてたの?
え怖い怖い怖い!
「それでな、イイジマ達に忍者の道具を幾つか与えて欲しいんじゃよ」
「「「「え!?」」」」
マジで!? 良いの!?
「……代金は取りますよぉ〜?」
「儂が払おう」
「百取……いや、百取様! マジありがとう!」
「ありがとうございます!」
「ありがとー!」
「ありがとう……」
「良いんじゃよ」
廻邏毘が棚から色んな道具を出していく。
手裏剣、クナイ、刀、煙玉、毒矢、撒菱、黒装束、等々
「こ、こんなに持ってて何か動きが鈍くなったりしないか……?」
「大丈夫じゃ。全て非常に軽量で、丈夫なやつじゃ」
手裏剣を一つ手に持つ。
「うわ、本当に軽いな」
まるで木で出来た手裏剣を持っているみたいに、物凄く軽い。
「後はぁ〜、これとかかなぁ〜?」
そう言って廻邏毘が取り出したのは、紫色のガラス玉の様な物だった。
「これは何?」
「おぉ、コイツを出すのか」
百取が少し驚いた顔をしながら小声でそう言った。
「これは〜、闇封玉って言ってね〜、名前の通り〜闇を封印してある玉何だけどぉ〜……扱いには気を付けてぇ〜、それ〜、丑三つ時の闇を封印してあるからぁ〜、本当に真っ暗になっちゃうから〜」
「つまりこの玉は……ど、どう使えば良いんだ?」
「目潰しとか、そのへんじゃない?」
なるほど、でもまあかなり敵に有効そうな道具ねはある。
目潰し以外にも色々使い方はあるから、かなり便利だ。
「これを〜まあこんくらいかな〜?」
棚から四個取り出され、累計五個になった。
「五回〜、目潰し出来るよぉ〜」
「ありがとう。使い所を考えて使うとするよ」
「そうしてぇ〜」
そんな様々な道具を貰い、俺らはイネの元へと戻った。
イネは、修行場にて焚き火で肉を焼いていた。
「おっ、戻ったか」
「……焼肉?」
「ああ! 肉とお前がこの間作ってくれた納豆なる物を合わせれば最高に上手いんじゃないかと思ってな」
「悪い事は言わない、やめておけ」
いやまあそんなに不味くはないんだが……。
「なっ、納豆?」
「何それー?」
「なんか……美味しそう……」
「あー、えーと、あー……」
その後、俺はイネと共に納豆を作った事を白状し、材料を集めさせられるのだった。
「こ、これで良いか?」
「ええ!」
「じゃあ食べよー!」
「うん……いただきます……」
材料を集めたらもちろん作れと言われたので作り、皆んなに配った。
「イイジマ……」
「ん? 何だ?」
「本当にこれ……食べれるの……?」
おいおい、お前いつも色んな物食うのにそれはダメなのかよ?
「食べてみろニル、美味いぞ」
焚き火の斜め向こうにいたイネがニルにそう言った。
「……パクッ……ッッッ!」
目が輝いていらっしゃる……。
「やはり美味いよな!?」
「ふぐふぐ……!」
「美味しぃー!」
レカのその声が、竹藪に良く響いた。
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