レベル上げ! ……え? ドラゴン×1000?
「諸君! おはよう!」
「おはよう……イネ……」
「「…………」」
早すぎだろこの時間は……。
「こらこら2人共、もう暁七つ(四時)何だからシャキッとしろ」
修道院のシスターさん達でも大体起床時間は5時だぞ?
それなのにこの時間て……眠すぎてヤバイ。
「今日はこの後、レベル上げをして貰おうと思う」
「レベル上げか……具体的には何を倒すんだ?」
「やはり、一気にレベルを上げるのであったらドラゴンだろう」
「ドラゴンか……まあ、いけない事はないか」
「それをまあ……1000体くらい倒して貰うとしよう」
「分かった……ん?」
今、何て言った?
「すまん、もう一度言ってくれ」
「ドラゴンを1000体くらい倒して来て貰う」
「はひぇ……」
「ルリカ? ルリカァー!?」
あーっ! ルリカさんが気絶しちゃいましたよ! どーしてくれるんです!?
「取り敢えず、ドラゴンを1000体倒してレベルを上げてくるまでここには帰ってこれないからな! 心してやれ!」
「相変わらず鬼畜すぎないか……?」
「あと休憩も無しだぞ」
「悪魔か?」
「ただの狐人族だ」
「ただの狐人族は忍者の里なんかにはいないだろ」
「確かにな。さあほら、話は終わりだ、早く行くぞ」
ルリカをヒョイッと担いで俺の腕を引っ張る。
「てか待て、ドラゴンが1000体もいる場所なんてあるのか?」
そう言うと、イネはニヤッと笑った。
あっ、これ聞いちゃダメだったやつだ。
「まあまあ付いて来たまえ」
そして物凄い力で俺を引っ張る。
「うおおおっと、ちょ、ニル、ヘルプ!」
そう言うとニルは右手でサムズアップをし、
「頑張れ……」
と言った。
「着いたぞー、ここだ」
「ここは……?」
確か、ダンジョンだな。
だが、ここは低ランクダンジョンで、強いモンスターはいなかった筈だが……。
「ここは誰にも知られていなかったからな、ドラゴンを自身の修行用にドラゴンを沢山入れたんだ」
「何してんだよ」
普通誰にも知られてないダンジョンを発見したからってドラゴンをぶち込むか?
「修行用だと言っているだろう? 一応層毎に入れているから1000体以上が一気に来る事は無いぞ」
「逆に1000体以上入ってるのか……」
「ああ、そんくらいじゃないと修行にならないからな」
「バケモンだな」
「ははは、昔はよく言われたよ。それじゃあ行って来たまえ」
そう言ってイネは俺らの背中をスイッと押した。
「うお――!?」
そして俺らは物凄い速度でダンジョン内へと吹っ飛んだ。
「力強すぎるだろ!」
ふっ飛びつつ俺はそう言って、ルリカ達を守る様に抱きしめる。
「ちょ!? 何してるのよ!」
「よく考えろ! この速度で地面にぶつかったらお前顔面が終わるぞ!」
「え、じゃあつまり……」
「俺は防御力が高いからな、下になる」
「ダ、ダメよ! 絶対危ないわ!」
「大丈夫大丈夫」
「大丈夫じゃないわよ!」
そう言っている内に地面にドスンと落ちる。
「おっと!」
体がバウンドしてルリカ達が下の面になりそうだったので、体を捻って上の面のままにする。
ズザザザァーと滑って、止まった。
「さてと……ダンジョンの結構奥の方まで飛ばされたなぁこれ」
パッと見、大体入り口から450mくらいは飛ばされただろうか。
……ちょっと待て、押しただけでこの距離を飛ばせるってイネ何者なんだ?
「見た感じ、周りにドラゴンはいなさそうだけど……」
「ちゃんと見とけー、このダンジョンの壁の色と同じ色をしているから分からない可能性もある」
「そんなドラゴンいるの!?」
「……正確にはいた、だな」
「?」
俺が間違えて全滅させちゃいました☆
いやまあどういう事かと言うと、裏技らせてしまったのだ。
裏技で攻撃したら何故かリスポーンしなくなって、絶滅した。
インワドプレイヤーの皆んな、マジすまん。
『グオオオオオオ!』
「おっ、来たか!」
鳴き声がした方を見る。
『『『『『…………』』』』』
「「「「…………」」」」
目の前には、間違いなく1000体を超える数のドラゴンがいた。
「……イネさんや……聞いてた話と違うぞぉぉぉ!」
『面白い!』
『気に入った!』
『続きが読みたい!』
と思って頂けたら是非、広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして、作者への応援兼ポイント評価をお願いいたします!
ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!
作者の大きな励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!




