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特別修行場

 スタッと着地し、辺りを見回す。


「へぇ、意外と広いんだな」


「ああ、苦労して造った甲斐があったものだ」


 どうやら、これも全部一人で造ったらしい。


 いや凄いな。


 俺なら裏技(バグ)を使わないと途中でやめている。


「それで、俺にはどんな修行をしてくれるんだ?」


「いやー、実は君に教える事はあまり無くてだね……まず君は体を相当操れるだろ?」


「ほぉ、よく分かったな」


「あの私の炎を避けた時の動作が最低限だったからね」


「なるほどな、よく見てるんだな」


「ははは、生き抜く為には必要不可欠さ」


「確かに」


「それで話を戻すが、君は常人より体を操れる。かく言う私も操る事が出来る」


「何が言いたい?」


「私と、一対一(サシ)で勝負をしようじゃないか」


「……は?」


 イネさんよ、何を言っているんだ?


「この村には君ほど強い人がいないんだ。だから、最近本気で勝負が出来なくてね。

それに私も君と戦って強くなれるから、一石二鳥って訳さ」


「うーん……でもそれじゃあ俺の修行にならないぞ?」


「おや? 私は弱いって言いたいのかい?」


「違う違う、同格の奴と戦うんじゃあんまり意味がないだろ。修行ってのは、もっと苦労してやるもんだ」


「はっはっは! 言うねぇ! 私が君と同格だと?」


「まあな」


「……その言葉、覚えておきたまえ」


 そして俺らは数歩離れる。


「では、やろうか」


「待て、ルールは?」


「殺傷は禁止、武器も禁止だ。

ただ、殺傷能力の無い魔法はオーケーだ。だが、骨折以上の怪我を負わせる攻撃は禁止。

そして勝敗はどちらかが降参するか、どちらかが続行不可能となった場合のみ終了する。

どうだ?」


「良いルールだな、だが、一つ追加で良いか?」


「何だ?」


「……忍術も禁止、で」


「…………あっはっはっは! 面白いジョークだ!」


「だろ?」


 前にも言ったが、インワドには忍術と呼べる忍術は無い。


 まあ、要するに自分で創るしかない感じだった。


 その方が何かワクワクするしね。


「それじゃあ始めようか」


「ああ、いつでもこい」


 そして俺らは……同時に前に走り出した。


「ふっ!」


 イネが長い脚で蹴りをして来たので、膝を曲げてスライディングをし、下からパンチを出した。


 だが、イネは先程伸ばした脚をグルンとこちら側に回して俺の拳を横にずらした。


「!?」


 マジかよ! そんな動き出来るのか!?


「はぁっ!」


 脚を回した反動を利用してもう片方の脚で薙ぎ払おうとしようとして来たので、寝っ転がって転がり、回避する。


 くそ、さっきから防戦一方だ。


 だが……!


「よっ」


 これには付いてこれないだろ?


「!」


 俺はただ、イネの周りを本気でグルグルと走っているだけだ。


 だが、とんでもない速度で走っているので、風が巻き起こり、残像なんかも残っているだろう。


「ほぉ、面白い」


 イネはそう言うと……ただ、拳を前に突き出した。


 だが


「は?」


 俺は、止まっていた。


 いや、()()()()()()()


「中々良い速度だったぞ」


「ぐふっ……」


 首を掴まれて持ち上げられている。


 な、何で止められたんだ?


「何故だって顔をいるな。なぁに簡単な事だ。

拳を超高速で前に突き出す事でお前の足を少しずらし、ほんの少しだけスピードが遅くなったお前の首を掴んだだけだ」


「ははは……マジか……」


 何だそのチートは。


「これで分かっただろ? 君と私が同格では無いって事が」


「……」


「ん? あれ?」


「……チーン」


「あ、気絶してる」


 その後、普通にビンタされて起こされた。





「って、事があったんだよ」


「今っ……! その話を聞いているっ……! 余裕がっ……! あると思うっ……!?」


「ルリカお姉ちゃん頑張ってー!」


 ルリカに、先程イネにビンタされた事などを話している。


 が、ルリカは今あの超ハードボルダリングをしているので、あまり受け答え出来ないらしい。


 俺? 俺はこのくらい楽勝だ。


 普通に登れる。


「うわっ!?」


 どうやら、手を乗せる角度を間違えたらしく、落下した。


 下にはちゃんと柔らかいマットがあるので、落ちても怪我はしない。


「大丈夫かー?」


「だ、大丈夫よ……でもイイジマ! 何でそんな簡単に登れるのよ!」


「そう言われてもな……頑張ったとしか言いないな」


「見てなさいよ! すぐそっちに行くから!」


 そう言って、一つ目の石でこけたのは、言うまでも無い。


『面白い!』


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