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作戦のおさらい

「よーし、おさらいをするぞー」


 地図を床に広げる。


 この地図は俺の記憶を頼りに描いた力作だ。


「うわ、城の内部全部暗記したの?」


「まあな」


「凄い……」


「褒めてもなんも出ないぜ? 取り敢えず、侵入する場所はここだ」


 そう言って俺は倉庫を(さえぎ)る壁を指差す。


「……壁があるのだけれど……?」


「ああ、だから貫通して行く」


「ええ!?」


 ルリカが嫌そうな顔をする。


「……? 何で……ルリカは嫌そうなの……?」


「ああ、こいつ前に壁貫通裏技(バグ)をやったら変な所にぶっ飛んだんだよ」


「あぁ……なるほど……」


「あの時はリーファさんの所に飛んだから良かったけど、今回は絶対私死ぬわ! だからやらないわよ!」


「あのなぁ、街から脱出するには多少のリスクを取らないといけないんだ。分かるだろ?」


「それはそうなんだろうけど……うぅ!」


 頭をブンブンと振り始める。


 ぶっ飛んだ時の事でも思い出したんだろう。


「分かった、なら……別の裏技を使おう」


「別の裏技?」


「前にも言ったが、壁貫通裏技は何も一種類だけじゃない。現に俺はお前がやったのと違う壁貫通裏技をしてるしな」


「確かに」


「だから、お前が最初にやったやつよりは少し難しくなるが、まあもうぶっ飛んだりはしないであろう裏技をやろう、な?」


「……分かったわ……そうしましょ」


 あ、まだ嫌ではあるって顔だな。


 まあ、頑張ってくれルリカ。


「んで話を戻すと、この壁を貫通してこの倉庫に出たら、またここの壁を貫通する。

だがここ注意してくれよ、角度を間違えるとただ隣の部屋に移動するだけになる。

俺らはこの壁を使ってこの廊下に出る予定なんだ」


 そう言って貫通する壁に指を乗せて、貫通する角度と同じ様に指を滑らせる。


「で、ここに出る」


 長めの通路の部分を指でトントンとする。


「え、でもそんな所に出たら……」


「大丈夫だ心配無い。ここは非常用通路だ」


「あっ、そうなのね」


「んでまあここの壁をこう行って……こう行くと……ここに出る」


 指差した場所は廊下である。


「ちょっと待って、これこそそんな所に出たら……」


「実はこれも問題無いんだよなぁー。この時間帯はここに兵士はいない」


「何で?」


「皆んなグースカ寝てるからだ」


「思ったより理由がシンプルね……」


「ま、そんな訳でここは念の為【足音消去】を発動しつつ突破するぞ」


「分かったわ」


「分かった……」


「この廊下を抜けると、2階へと続く階段に出る。

そしたらこの部屋に入って一度待機だ」


「え、何で?」


「この2階からは警備が厳しくなるからな……見回りが出てくるんだよ。

だから、この部屋で一旦待機して、兵士が別の場所に行ったら部屋を出る感じだ」


「なるほどね」


「出たらここの廊下を歩いて、窓を貫通裏技で抜ける。

抜けた先に微妙に出っ張りがあるから、そこに乗っかって移動して3階に行くぞ」


 そして俺は地図の窓が描かれた部分をくるくると円を描く様に触る。


「……それ……落ちたら死なない?」


「いや、ここ海の中だから落ちてもトサッって地面に落ちるだけだな」


「あっ、そういえばそうね」


「んでまあ3階に登ると、近くに彫刻がある。

それに捕まって乗って、また近くにある彫刻に乗るのを繰り返して4階に行く」


「へー……あ、今更なんだけど、泳いで上まで行けないの?」


「それがな、どうやら城の外にある海水に触れていると上に登れない魔法があるんだ」


「じゃあ窓の所もダメじゃない」


「抜け道だ。あそこはギリ城の中判定なんだ」


「よく見つけたわねそんなの」


「ふっはっはー」


 ほんとはインワドの時に裏技探してたらたまたま見つけちゃっただけなんだけど。


「ま、4階に行ったらあとは楽だ。

王様の寝室にこんちには……時間的にこんばんわか。

こんばんわして脅す。これが計画だな」


「うん、中々良い作戦なんじゃないの?」


「よし、それでミリア」


「はい」


「皆んなはOKって言ってたか?」


「ええ、皆んなイイジマさんの為ならやる、と」


「良かった」


 ルリカが肩をトントンとしてくる。


「何がOKになったの?」


「お前らの移動方法だ」


「?」


「良いか、俺は【透明化】と【足音消去】で城の目の前に簡単に行けるが、お前らはそうはいかない。

そこでパール合唱団の皆んなに紛れて行って貰う事にしたんだ」


「あぁーそういう事」


「良い……考えだね……」


「んじゃ、今日は皆んなも色々情報を集めてくれたし、寝るとしようか」


「そうしましょ」


「そうしよう……」


「グガー」


「それじゃミリア、おやすみ」


「ええ、おやすみなさいイイジマさん」


 ミリアが部屋を出て行った後、電気を消して俺らは寝た。


 絶対に明日……街を脱出するぞ。


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