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人魚族の料理は絶品です!

「そういえばイイジマ」


「何だ?」


 宿に行く道中でルリカが聞いてくる。


「さっきのあの門番さんに亀に乗って来たって言ったら通してくれたけど、あれ何で?」


「あぁなに、簡単な事だ、人魚族は亀に乗って来た人を(こば)まないんだ」


「へー、何で拒まないの?」


「亀に乗ってきた奴は信用出来るんだとよ」


「何でかしらね」


「何でだろうな」


 そんなこんな話していてるといつの間にか宿に着いていた。


「うし、入るか」


 ドアを開けて中に入る。


「あっ、いらっしゃいま――え?」


「えーと、一部屋借りられるか?」


「ちょ、ちょっと待って下さい……人族?」


「ああ、俺とコイツは人族で、アイツは獣人族、この子は魔族だ」


「…………ひ、一部屋……でしたか?」


「はいそうです」


 おぉ、混乱してても接客をするとは、受付の人の(かがみ)だな。


 しっかりとお金を払う。


「こちらが、お部屋の鍵です」


「おぉ」


 素直に声が出てしまった。


 めちゃくちゃ綺麗なのだ、鍵が。


 長方形を(ねじ)った様な形をしており、この宿の色と同じ白に近い水色に、白と濃いめの青の線が2本上から下に描かれている。


「おしゃれだなー」


「あ、ありがとうございます、お部屋は二階の奥の方でございます」


「ありがとう。よし、じゃあ早速部屋に行こうか」


「ええ」


「うん!」


「そうしよう……」


 そして部屋に入る。


 中は何というか、この鍵の様な柱が四隅(よすみ)にあり、同じ様な色の机と椅子とベットがあった。


「普通に綺麗な場所だな……」


「わははー! このベット凄い跳ねるー!」


「レカちゃん……お行儀が……悪いよ……」


 俺は近くの椅子に腰掛ける。


「で、これからどうするの?」


「そうだなー、クエストを受けるとか、あのリレオの奴が最後に言ってた裏技(バグ)に似た力を使えるって奴を聞いてみたりするか」


「ならば、少し休んだら早速冒険者ギルドに……あれ? 待って」


「何だ?」


「人魚族の国にクエストとか冒険者ギルドってあるの?」


「あー、あるぞ、一応」


「あるんだ……」


「まあ海にもモンスターっているしな」


「確かに……」


「それはそうと……なんか腹減ったな」


「食堂に行く?」


「そうだな、腹が減ってはクエストはできぬって言うしな」


「言わないわよ……」


「ニル達もそれで良いか?」


『ポヨーン』


『ポヨヨヨーン』


 二人がベットで飛び跳ねていた。


「……お前らなぁ……」


 そして俺らは一階にある食堂に向かった。


 食堂には意外と人がいた。


 あー、ここ普通にレストランとしても使ってるんだなー。


 空いている席に座ると、やはり視線が凄い。


「ねえ、あれって人族……?」


「人族初めて見たー!」


「てか獣人族までいる!」


「ま、魔族までいるよ!?」


 意外と声デカいなおい。丸聞こえだよ。


「なんか、凄い見られてるわね……」


「まあここに人族なんて殆ど来た事ないんだろ」


 さてさて何を頼もうか。


 メニューを開いてみる。


「!?」


 マジかよ!


「ど、どうしたのイイジマ!?」


「す……」


「す?」


「寿司がある!」


 俺の一番好きな食べ物である寿司がある!


「すし……? あぁーなんか聞いたことあるわ! 確か握った米の上に刺身を乗っけて食べるんだっけ?」


「それだそれ!」


「お寿司……! 魚……! 楽しみ……!」


 うおおっ!? ニルの(よだれ)が凄い事になってる!


 というか水の中だから浮いてる!


 ちょっと汚い!


「ニルお前、魚好きなのか?」


「うんっ!」


 うわ、いつもの『……』が無くなるほど興奮してる。


「まあまあ落ち着け、魚は逃げ……刺身は逃げない」


「そ……そうだね……ごめん……」


 メニューを開いて良いのを探す。


「んじゃあこの……松を四人分頼むか?」


「良いわね!」


「さんせー!」


「早く……食べたいっ……!」


「んじゃあ頼むぞー」


 店員さんを呼び、寿司の松を四人分頼んだ。


「いやー、寿司かー。楽しみだなぁー」


「美味しいの?」


「飛ぶぞ」


「飛ぶの!?」


「取り敢えず、来る前に準備しないとな」


「準備って?」


「もうすぐ来るだろ」


 ちょうどその時店員さんが来て、醤油(しょうゆ)と醤油皿を置いていった。


 醤油を醤油皿に入れて三人に配る。


「何、この茶色い液体?」


「醤油」


「だから何なのよこれ」


「指に付けて……は汚いから、箸に付けて舐めてみろ」


 ルリカが箸を取って先の方をチョンチョンとやって舐めた。


「しょっぱ!?」


「ははは、でも美味いだろ?」


「うぅ〜……何か喉がイガイガする……」


「まあそれを寿司に付けるんだ」


「えぇ……これを……?」


「ああ」


 そう話していると店員さんが寿司をテーブルに置いて行った。


「んじゃ、いっただっきまーす!」


「いただきまーす」


「いただきまーす!」


「いただきます……!」


 箸で寿司を摘み、醤油に付けてから口に運ぶ。


「んんっ! 美味い!」


 やっぱり寿司は最高だ!


 この味は……マグロか!


 いやー、寿司と言ったらマグロなところあるからなぁー。


 マジ美味い。


 次の寿司は……サーモンだ。


 サーモンもマグロと同じ感じで寿司と言ったら感あるよなぁー。


 うん! 最高!


「うわぁ……醤油付けると本当に美味しい……」


「だろ?」


「美味しー!」


「ハグハグハグハグ」


 何か、寿司を飲む様に食べてる奴がいるんだが……。


 見ろよ、周りの人魚族も少し引いて――


「す、凄い!」


「あんなに早く寿司を食べられるなんて……!」


「尊敬しちゃう!」


「同性なのに惚れちゃう!」


 嘘だろ!? 寿司を早く食ったら尊敬したり惚れたりするのかお前らは!


 ならば……!


「うおおおおおお!」


 俺もバクバク食いまくるぜ!


「ハグハグハグハグ」


「バクバクバクバク」


「もう……何やってるのよ二人とも……」


「凄ぉーい!」


 全巻食べ切り、俺とニルは背もたれにグダッと体重を預けていた。


「「は……早く食べ過ぎた……」」


 急に沢山の食べ物が入って来たから胃が悲鳴を上げてるな!


「もー二人共! あんな速度で食べるからよ!」


「お寿司が……美味し過ぎて……」


「周りの目が気になって……」


「はぁ〜……」


 その後、部屋戻った俺らはルリカに少し説教された。


 正座で。


『面白い!』


『気に入った!』


『続きが読みたい!』


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 ブックマーク等もして頂けると本当に嬉しいです!


 作者の大きな励みになりますので、何卒よろしくお願いします!!

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