第3部 流浪のヨーロッパ編 VOL4「ガイジンに親切にしましょう」
ー流浪のヨーロッパ編 VOL4ー
「ガイジンに親切にしましょう」
ミュンヘン 2004年11月
朝ー。
窓を開けると冷たい空気が流れ込んでくる。
うほほおーっ。
ほんのり雪景色のドイツだぜえ。
とんがった屋根の家が並ぶ街並み。
ああ、ついに、ついに
また外国に来れたんやなあ!
自転車をこいでる人はガイジン?やし、
車はヨーロッパのものが多くて
右車線を走ってる。
この数年どんなに恋焦がれたことか!
帰りのローマ発のヒコーキが
決められている以外、これから2週間余り
どこへ行こうとかまわないなんて。
この究極の自由な感覚がたまらない。
朝食を食べて雪溶けの道を迷いながら
BMW本社へと歩く。
宮本君のバイクはBMR1100R。
ドイツの本拠地を見たいのは当然やろな。
できるだけ初の海外旅行の
彼の希望を取り入れて行動しようと思って、
行きたいとこ、やりたいことなどを
どんどん言ってくれと伝えてある。
BMW博物館があるはずだったけど改装中で
近くのテント型の建物でほんの小さい規模の
仮の展示があるだけで残念だ。
続いてここミュンヘンの宿が
ほぼ全て予約されつくして日本から事前に
予約をしようとする俺を多いに困らせた
電気展覧会というものの正体を確かめにいく。
電車に乗るとアジア人が珍しい?のか
やたらとじっっと見つめられる。
お、俺ってそんなにオトコマエえ?
ヨーロッパの若い女のひとは
平均的に皆が美しいような。
ブッサイクやデブッチョの存在なんて
皆無に思える。
ベッピンさんの横顔をゆっくり
眺めていたいけど目が合ってしまうから
やりにくい。
横にいる人に目的の会場がある駅はここかと
確認すると、まわりの乗客みんなが一斉に
ここだここだと教えてくれる。
会場に入るとコンピューター部品など
専門的なものの展示販売が主なようで
スーツ姿の中高年が大勢いる。
シロートの俺らには面白くないようなので
早々に退散する。
しかしこれがミュンヘン中の宿を
埋め尽くすほどの大行事やったんやろか??
と深くギモンが残った。
市街地に入って店などを見ながらうろつく。
電車の中、エスカレーター、道を歩きながら
果物やパンを食べる20代?の女のひとを
よく見かける。
公衆の場で男も女もぶびいいいいっ!と
大きな音を出して鼻をかむ。
どちらも日本で滅多にない光景でオモシロイ。
ドイツ人はとにかくすっごくガイジンに
やさしい。
道端で地図を開いているとすぐに
「助けはいるか?」
と誰かが声をかけてきてくれる。
こっちがドイツ語をわかろうがわかるまいが
おかまいなしだ。
俺はちょっと感激してしまった。
どこどこに行きたい、と尋ねてもいないのに
いきなりどれどれと地図を覗き込んできて、
道を教えてくれたおっちゃんには
笑ってしまった。
一体「どこへの行き方」を教えようと
してくれてたんやろう??
メインストリートっぽい通りに入って
人通りがどっと多くなり、店や建物も
華やかになると宮本君がはしゃぎ始める。
そうか、彼はこういうにぎやかな所が
好きなんやな。
人通りの中、皆が見てる中で両手を拡げて
片足で立って
「おっのぼーりさあーーん!」
と叫んで写真を撮ってもらっていると、
俺の後で同じポーズをして参加してくる
ワカモノがいて3、4人のグループで
楽しそうに大笑いしている。
いいねー、 なかなかノリがいいぞ。
夕方、有名なビアホールに行く。
6、700人位は座れるようなすんごい規模だ。
すでに酔っ払ったワカモノグループが
大きな声で歌っている。
ドイツ人ってこんな店で皆で歌うんやなあ。
しばらくすると白シャツに吊りバンド姿の
おっちゃんらのラッパ中心の
バンド演奏が始まる。
いろんな年齢、国籍のグループが
どんどん店に入ってくる。
なんと50人位の団体もいるぞ。
じいちゃんばあちゃんのグループも
ちょっぴりオシャレして楽しそうだ。
平和でいいよなあ。
ウエイターに訊いたら平日でも週末でも
毎日こんな感じだという。
ここで毎晩一体どれだけのビールと
食べ物が消費されるんやろう。
ソーセージとミートローフをツマミに
でっかいジョッキでビールを飲む。
ちょっと塩味が強いけど肉類がウマイなあ。
こうしてビールにソーセージで
ミュンヘンの夜はのどかに
更けてゆくのであった。