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第86話 待ち伏せ【改稿済】

 ゴドフリーがシスターを呼び出したのは街の外、農村が広がるその先にあった一軒の家だった。もとは誰かの家だったのだろうが、今は空き家で秘密の話をするのにうってつけの場所にある。もしかしたらゴドフリーの所有物なのかもしれない。


 彼が裏切るという可能性も一瞬考えたが、すでに(かね)(もう)けの道具としての役目がなくなったゴドフリーをシスターが救ってくれるだろうかと考えれば、彼に裏切るメリットがほぼないことがわかる。

 

 シスターがどんなことを考えているのか分からないが、ヒルデを取り戻そうとしていることくらいは容易に想像できる。ゴドフリーはそれを餌にしてシスターを連れ出す算段になっていた。


 俺はヒルデをつれて先に馬車で指定された街の外の家に向かう。街の中をかける馬車が教会の前を通り過ぎる。教会は街の中心から少し離れたところにあり大きかった。ここでもサーバントの『祝福』ができる。ホムンクルスも作っているのだろう。ボルドリーのギルドマスター、ハリーはサーバントとホムンクルスでは『祝福』の過程が違うと言っていた。特殊な設備があるのだろうか。

 

 ゴロゴロと馬車は街の門をくぐり抜け、農村を進み、ぽつんと(たたず)む一つの家の前で止まる。家というより納屋みたいに見える。丸太で作られた壁。家の裏には森が広がっている。


 ドアを開けると中はほとんど家具がない。テーブルと椅子。石で組まれた暖炉のそばには(まき)。とりあえずといったようにかび臭いベッドが置かれ、木材を貼り合わせた床には(ほこり)が積もっている。


 このままでは足跡が残る。風魔法を使って吹き飛ばし、床をきれいにすると、暖炉のそば、入り口から遠い場所に座って、シスターを待つ。マジックバックからロープを取り出して握りしめる。


 しばらくすると馬の(ひづめ)と車輪のまわる音が聞こえてきた。


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