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百年戦争と薔薇戦争とイタリア戦争と英仏墺の王位争奪

今夜はチェザーレ・ボルジアについて調べている。ニッコロ・マキャベリが君主論を著す切っ掛けになった人物だ。


チェザーレ・ボルジアのことを簡単に記すと以下になる。


1,教皇アレクサンデル6世の息子

2,フランス王家の養子でありヴァランス公爵(ヴァレンティーノ公爵)

3,教皇軍総司令官

4,中部イタリアを統一しロマーニャ公爵に叙爵

5,麾下の傭兵の反乱を一網打尽に鎮圧

6,教皇アレクサンデル6世がマラリアまたは毒で崩御したことで失脚

7,スペインにて戦死

8,レオナルド・ダ・ビンチを建築監督兼軍事顧問として雇用

9,ニッコロ・マキャベリによって君主のあるべき姿と君主論で称賛


さて、ここで小説を書く上でヒントになるものがいくつかちりばめられている。


チェザーレ・ボルジアが栄枯盛衰を一代で語れるそれであるとともに、レオナルド・ダ・ビンチやニッコロ・マキャベリと顔見知りであるということ。


これはいわゆるヒーロー、主人公のテンプレートの王道を示すそれだと言うことだ。


さて、では、そのチェザーレ・ボルジアが活躍した時期を考えてみよう。彼の生没年は1475-1507年である。さて、お気づきであろうが、これは薔薇戦争の真っ只中なのだ。


つまり、薔薇戦争とチェザーレ・ボルジアの生きた時代は地続きなのだ。


では、次にそのチェザーレ・ボルジアが活躍した地域を見てみよう。彼の生地はローマ、本貫地はスペイン・アラゴン、活躍した場所はイタリア本土。血縁はフランスとスペイン・ナバラだ。


そして彼と対峙したのはシャルル8世、ルイ12世である。薔薇戦争の当事者であるルイ11世はシャルル8世の兄で、ルイ12世は娘婿である。


どうだろう、舞台が揃っていると思わないだろうか?


だが、そこで忘れてはいけないのが我が大日本帝国の皇統に次ぐ歴史を誇るハプスブルク家のオーストリア、そして神聖ローマ帝国だ。


イタリアという地域はその長い歴史上統一国家になった歴史など古代ローマ帝国とイタリア王国、イタリア共和国程度のものでそれ以外は教皇とオーストリア・フランス・スペインの草刈場だった。


そして、15世紀末もまた例に漏れず草刈場である。外国勢力が何かしなくても都市国家同士のドンパチは年中行事。


1494年にシャルル8世がナポリ王国の継承権を主張して宣戦布告しイタリア侵出を行うと教皇アレクサンデル6世はマクシミリアン1世率いる神聖ローマ帝国や周辺都市国家と結び対抗したのである。(-98年)


1499年にルイ12世がミラノ公国の継承権を主張して宣戦布告しイタリア侵出、1503年アラゴン王国がフランスが放棄したナポリ王国を事実上併合。


1504年、カスティーリャ女王が崩御し、ハプスブルク家に嫁いでいたフアナが女王としてカスティーリャに君臨する。その後継者は後に神聖ローマ皇帝となるカール5世、初代スペイン王カルロス1世であった。



1519年、祖父である神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が崩御するとこれを相続、ここにオーストリアを本拠とするハプスブルク家によるスペイン~ナポリ~トリエステにまたがる地中海帝国が成立する。


また同年、フランス王フランソワ1世との皇帝選挙を勝利すると、生涯のライバルとして北イタリアなどで小競り合いを続けていく。




改めて思うが、歴史は一つに繋がっているし、世界は丸いから横に繋がる。


そして、小説の作話のネタはいくらでも転がっているし、先人たちもこれに学んで主人公のサクセスストーリーを紡いでいる。


世界観の構築にはやはり史実であった出来事の背後関係を整理することが近道なのかも知れないな。

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