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蒸気機関

蒸気機関。


転生etcなしで蒸気機関を独占するにはどうしたらよいだろうか。


蒸気機関の原理は単純化すると、水槽とパイプとピストンと煙突と燃焼室が組み合わされたモノで、それは発電用だろうが鉄道だろうが艦船だろうが工場用だろうが基本構造は同じだ。


極論言えば、アルコールランプとフラスコとパイプとピストンがあれば素人でも作れるわけだが、それは原理を理解しているからである。


ぶっちゃけ、強度や工作精度や出力を問わないなら、小学生でも作れる。


紀元1世紀には「ヘロンの蒸気機関」と呼ばれるものが発明され、史上最初の蒸気機関はこれであると言われる。尤も、それは蒸気タービンの領域の原理であるけれども、蒸気を動力に用いるという点では同様なので、ここではこれを原点として扱いたい。


その後、長らく蒸気機関は忘れ去られ、ドニ・パパンの蒸気機関(17世紀)による基本原理が構築され、その発展としてセイヴァリ機関(17世紀)、ニューコメンの蒸気機関(1712年)を経ることで現代の蒸気機関へと近づいていく。


この辺りまでは鉱山における揚水動力として用いられていたわけだが、ワットの発明(1769年)とその蒸気機関の普及が大きく貢献することになる。復水器で蒸気を冷やす事でシリンダーが高温を保つことで効率を上げたのだ。それだけでなく、往復運動から回転運動への変換、フィードバックとしての調速機の利用による動作の安定などの改良が行われたことでより実用的な蒸気機関となったのである。


1800年にワットの特許が切れると制約のあった改良が自由に行えるようになり、また普及が進んだことで遂に輸送機器への蒸気動力化が行われた。1807年にハドソン川で外輪型蒸気船の航行に成功し実用化に目処が立った。1820年代に蒸気機関車の実用化で、遂に陸運・水運共に蒸気動力化が達成された。


概ね、50~100年程度で工場動力へ、100~150年程度掛かって船舶、鉄道動力にたどり着いているわけだ。


ただ、問題はエネルギー変換効率が非常に悪いと言うことだ。


ニューコメンの蒸気機関の頃は運転速度は、毎分12サイクル程度であったという。なお冷水で冷やすときシリンダーも冷えるので燃料効率は低く、掘り出した石炭のうち実に1/3程度がこの揚水ポンプのために消費され、熱効率は1%にも達しない程度であったという。


転生チートである場合、最初からワット以後の蒸気機関をぶち込むことは出来るが、転生チートなしであるとどう考えても史実同様に手探りで始めないといけない・・・・・・。


なんだが、蒸気機関が普及すると産業全体の効率と生産性が向上し、また、鉄製の船舶や蒸気機関車などを運行可能になるため、これまた史実同様に大英帝国チート補正を掛けているのと同じことになる。


よって、多少の効率の悪さは目を瞑っても成し遂げるべきモノだと言える。


さて、どうしたものか。

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