世界の構築<2>
世界の構築。
どこまでやるかという問題があるが、トールキンの指輪物語というものを私は読んだことがないが、作品世界について、世界の創世から設定を作り込んで国家や都市の設定まで詳細に練り上げた上に人工言語一つでっち上げたという。
もうそこまでくれば、「お前は創造神か!」と言いたくなるほどのそれだ。
だが、その気持ちは分からんでもない。なにせ、程々に作り込むと、色々と手を出したくなってくるモノで、そこにはちゃんとした理由付けや背景を作りたくなるし、それがなければ薄っぺらく見えてしまう。
RPGなどで武器や装備品にフレーバーテキストがあるように、世界の味付け、香り付けをこだわり、それに深みと味わいを持たせたくなるのが人情というモノだろう。
実際に現時点で構想中のそれでも怪文書一つでっち上げてそれをどう活用しようかと考えていたら、宗教勢力一つとその歴史的背景とその闇を作り上げてしまった。
いやぁ、我ながら、ここまで一つの宗教を邪悪に染め上げるなんてと思ったほどその設定には満足度が高い。その邪悪(※宗教勢力からすれば神の思し召し)な行動とそれを正当化する論理を組み立てたときの快感と言ったらたまらん。
「こうだよ、そう、こういう悪役は大事だよ、これぞ宗教勢力の起こし得る悪だ」
そう思ったね。
なんせ、歴史上の宗教が絡んだ洋の東西を問わないロクでもないことが上手く嵌まったんだからね。
でも、そうするとそれらがなんでそういうことを企んでやらかしているかを説明しないといけない。そこを始めると宗教勢力の開祖にまで行き着くし、その教祖やら教皇/カリフに相当する存在はどうやって選任されるのか、そういったモノを考えていくことになる。
なんてことを始めると終わりなんて見えてこないのである。
それこそ先述した指輪物語のそれになりかねないというわけだ。
だが、敢えて言おう。
設定がガバガバなモノにはない世界の楽しみ方が出来る。




