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世界の構築

元からあるものを流用出来る現実世界準拠の仮想シミュレーション戦記と、世界を一から構築していく必要があるファンタジー世界では作話に必要なエネルギー量が全く違う。


いや、エネルギー量は変わらないのかも知れないが、流れるベクトルが違うのだろうな。


物語の大筋はつくれて、それに従って作話していくこと自体はそれほど変わらないのだが、世界の深みとか主人公サイド以外の他国や世界全体のそれを形作っていくモノを考えると、あれもこれもと設定が必要だと気付かされる。


自国の主要人種は?他国は異種族?人類とは?獣人や亜人の扱いは?


他国の政体は?気候は?移動手段は?文明水準は?


全部、一から築くことになる。まぁ、当たり前のことだが、それらを矛盾無く、破綻無く、物理法則に反するもしくは枠外のモノへの手当をしてくくという作業は割と骨が折れるものだ。


とは言っても、それが苦痛かと聞かれたそうでもない。


なんせ、日頃から「このはと」で考証、検証、調べ物をしているから日常作業でしかないわけだ。


けれど、この世に存在する、もしくは存在したモノを考察するのは条件を揃えることさえ出来れば苦労はするけれど造作も無いことである。


なんだが、こと、創造するという作業はまた違った苦労を味わうことになる。


なんせ、当たりをつけるのが難しい。


例えば、戦車や飛行機、軍艦などは概ね当たりをつけて不自然さのない数字を出すことは出来る。例えば、排水量6~7万トン台であれば46cm砲を8~10門搭載して同水準へ適当な装甲を充実させることが可能であると言える。そして、速力を重視するなら30ノットを上限にしてあとは装甲や機関出力を調整すると無難な数字が出てくる。


それは規準となる大和型や独H級、米モンタナ級、英N3型など比較参考に出来るものがあるからだ。


だが、ファンタジー世界というヤツはそういった物差しがない。物差しがないなら、その物差しとなるモノをでっち上げるしかないのだ。


その物差しを作るってのがやはり難しい。


例えば、国家一つでっち上げるにしても、そのモデルになる国家の特徴を掴む必要がある。まぁ、前述の比較参考する物差しを用意することになるわけだが、これも難物だ。


帝国、王国、領邦国家、共和国、都市国家、宗教国家と国家の体裁はいくつもある。


仮に共和国としてもヴェネツィア共和国みたいな海洋国家もあれば、イングランド共和国みたいな王制を打倒して出来た革命国家→独裁国家もある。


それら一つ一つの歴史を作っていく必要がある。これって、その時点で物語の中で物語を作るという作業なのである。


いや、無論しんどいよ?なんせ、インプットしたモノをどれだけアウトプット出来るかだもの。ある意味ではそこに作家(物書き)のレベルが示されていると言って良い。どれだけ、知識を溜め込んでそれを使いこなせる勝手ことだからね。


場合によってはレベルが高いくせにスキルランクが低いということだってあり得る。


だからこそ、出来うる限りそこを万全にしたいと思うわけだ。


でも、振り返るとそこにあるのは分厚い設定資料集であって、物語じゃねぇんだよな、これが。

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