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国家の設定

国家の設定


中央集権か封建体制か、ここで国家の軍事力や外交のそれが大きく違ってくる。


例えば、帝国規模の国家があるとする。


その帝国は封建主義で皇帝直轄領の他、皇帝家の分家である大公国(王国)や地方領主の公爵領などが遍在しているとする。


その場合、総合国力では確かに相当なモノになるかも知れないが、皇帝軍、王国軍、領邦軍とその指揮系統はバラバラであり、当然、麾下の騎士や兵達の忠誠は直属の各領主へ向く。


となれば、いくら総兵力が10万規模であっても、その実態は10万の烏合の衆である。


しかし、それが中央集権であり、皇帝若しくは中央政府が直轄する国軍であった場合、指揮系統は一本化していることで総兵力が仮に5万であっても、その兵力を中央が適切に運用することが可能である。


実際の例で見ればドイツ第二帝国が前者であり、大日本帝国が後者であると比定出来る。


ドイツ第二帝国は確かに総合国力では大英帝国に比肩するほどにまで成長していたが、その内政は各領邦バラバラであり、軍隊も鉄道もそれぞれ各領邦に属していたこともあり、規格統一が出来ていたとはとても言えない状態だった。


そして、同様に国内に民族問題を抱えいたオーストリア=ハンガリー帝国の場合は更に頭が痛い状態であった。


アウグスライヒで国内第二勢力であったハンガリー(マジャール人)と妥協することで少数民族を押さえ込むことで国家の存続を図ったものであるが、当然、その結果は時流に逆らう形での中央集権から分権であったため、後に帝国の分裂へと繋がっていく。


また、大日本帝国の場合は二次大戦の敗戦によって日本国への衣替えすることで実質存続を図っているが、一貫して継続した形で中央集権を維持している。もっとも、その弊害として地方自治体の中央への依存という問題を引き起こしているが、国民国家という概念を考えれば、大きな政府による指導という恩恵を得ていると言える。


では、その中央集権はどういう経緯で進むのか?


1,貴族の弱体化

2,騎士の弱体化

3,経済圏の拡大による大商人の勃興

4,植民地及び海外領土からの資源の調達

5,宗教勢力の弱体化


1は大規模貴族の没落によって発生し、2は銃火器の発展により騎士の戦力価値の低下による。


3はインフラ整備や船舶の航海性能や遠洋航海が可能になったことで、商人が広域商圏で活動するようになり、希少な産品や地域間の価格差で富を得るようになった。


4は3が更に進むとともに旧大陸での国家間戦争よりも(欧州視点で)劣等種族を相手とした戦争や余剰人口の海外植民が行われ、奴隷による安価に産品を得ることが出来、本国に持ち込むことで巨利を得ることになった。


5は旧大陸における戦争を裏で煽っていた教会勢力が宗教改革などによって没落していったことで相対的に王の権威が上回った。


となると、作中世界において中央集権を進める国家で出現するトリガーは王権の拡大を狙う存在の登場、そしてその条件である宗教勢力との決別、貴族特権の制限などを起こすことである。


このあたりは割と小説上でもいろいろな形で実施されたり、既に実行済みだったりしているからよく見かける。


主人公がそれを行うにあっては必ず誰か協力者を必要とし、その立役者は粛清するか明確に臣下の礼を取ることになる。そうでなければ、後年に反乱の火種になる。これも割とよく見かける仕掛けだろう。


また、王国スタートであれば、中央集権化を進めつつ富国強兵を図るというストーリーが一般的であるだろうし、帝国スタートであるならば、既存勢力を粛清するために反乱を促すシナリオや直轄領の富国強兵を進め決定的な力関係をつくった上で恭順を求めるというシナリオも考えられるだろう。

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