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(A22)『帝国(定刻)崩壊』
(A22)『帝国(定刻)崩壊』
㈠
何を待ち望んでいるのだろう、とする、一種の虚実入り混じった混合物体は、定刻、撤去されることにはならないだろう。当たり前である、我々の望んだものだ、誰も止めなかったものだ。暴走は、帝国には似合わない、定刻に似合うのである。
㈡
また、そういう、一縷の望みを掛けた、絶望からの隔離は、果たして成功か失敗か、ではなく、もう既に存在したという事実だけで、充分なのである。崩壊をまざまざと、見せつけられたものは、発狂し、崩壊を見なかったものだけが、生き残ったということだろうか。真実は藪の中である。
㈢
何れにしても、そう言った、定刻崩壊する、諸現象において、一度も恩恵を被ることなく、一生を終えたものたちの、怨念を見よ、と言いたいのだ。史実は崩壊し、今と言う今の、過去と未来を切り取った枠に収まる、言葉の群衆が、定刻、崩壊を停止させるのである。