1.奴隷を買ってみよう
どうも。やっぱファンタジーって何でもありだから書きやすいですよね。でも作者は現実世界のが好きです。
それではご覧下さい。
―――「…金貨よーし、服装よーし、…さぁ行くぞ!!」
どうも。万能の精霊使いと呼ばれているエルシィ・ハピネスです。
何故こんなに張り切っているかって?それは…
「よ、よし…行くぞ…奴隷市場へ!」
ちょっと危ない所へお出掛けに行くからである。
――奴隷市場。名前の通り普通に過ごしていたらまず行かないダークな場所である。基本的には極悪人達が売られているのだが、中には奴隷商人が不正に連れてきた罪の無い人も混じっている…という噂もあるやばい場所。正直行きたくはないけど…
「…孤独に耐えられなくなってきた…」
そう、私はこの世界に来てからずっとあの山の家に住んでいる為、基本一人なのだ。たまに冒険者時代の友達が来てくれたりはするんだけどね。
「…着いた。」
ここが奴隷市場か…初めて来たけど雰囲気も暗くて苦手だな…
「俺を解放しろ!!!」
「早くここから出してくれ!!!」
…あちらこちらからそんな叫びが聞こえてくる。正直ここに来た事を既にかなり後悔していた。
でも…奴隷ちゃんとの楽しい楽しい同婚s…同棲生活の為なら!!!頑張らなきゃ!!!
「…ちょっとそこの商人さん、いいかな?」
「…へい、どうしたんですかい、お客さん。」
…そう言う商人の後ろには、沢山の奴隷。見てるだけで吐き気がしてくる。
「…とびきり可愛い奴隷ちゃんは居ますか?」
「と…とびきり可愛いか…ちょっと待ってな。」
そう言うと商人は店の奥の方に行って…一人のエルフ奴隷ちゃんを連れて帰ってきた。
「…!」
商人が連れてきた奴隷ちゃんを見た瞬間、私は一瞬でその奴隷ちゃんに心を奪われた。
恐らく風呂にも入ってないであろうレベルで汚れているのに輝く金髪!!!
弱々しそうな守ってあげたくなる顔!!!
光を失っているがちゃんと普通の生活をさせたらキラキラするであろう紅い瞳!!!
そこら辺を歩いたら恐らく100人中1000人は振り返るであろう出るとこは出ている綺麗な体!!!
「……買います!!!」
「お、おう…即決か…いいぜ、値段はこんなもんだ。」
…すっごい高い。多分そこそこの強さの冒険者の年収ぐらいはする。
まぁ私は神様からの大量の金貨があるんですけどね!!!
「…はい!これで足りますか?」
「…?!…お、おう…足りるが…金貨が余ってるぞ…奴隷契約もしないのか…?」
「釣りはいらないです!!!奴隷契約もしなくていいです!!じゃあさようなら!!!」
金髪エルフちゃんが不思議そうな顔でこちらを見てくる。大丈夫!!!私悪い魔女じゃないよ!!!
―――「か…買っちゃったぞ…ふふふ…」
そう言いながらエルフちゃんと歩いて帰る私は他から見たら多分やばい人だと思われていたであろう。にやにやが止まらない。
(…よく考えたら私、まだこの子の名前も知らない…ていうかどうやって話し掛ければいいんだろう?明らかに怖がってるぞ…)
エルフちゃんが下を向きながら歩いている。恐らく酷い目に合わされると思っているのだろう…可哀想に。
「…えーと…、貴女、名前は?」
エルフちゃんがビクッと驚いた様子でこちらを見てくる。
…驚かせちゃったかな?出来るだけ優しい声で掛けたんだけど…
「……わ、私に名前は…無いです…小さい頃に、商人達に拐われて…お、お母さん…うぅ…」
…マジですか。奴隷は奴隷でもエルフちゃんは違法な方の奴隷だったのか…あの商人が拐ったのかは知らないが、いつか犯人をぶっ潰そうと決意した。
「ほ…ほら!泣かないで!私は貴女に暴力なんてする気は全くないから!!」
取り敢えず泣いてしまったエルフちゃんを慰める事にした。
…私の身長よりエルフちゃんの方が高い。抱き締めて落ち着かせる作戦が出来ないじゃないか…
「うぅ…ぐすっ…」
あぁー!!泣かないで!!!周りの人に変な目で見られちゃう!!!
私はエルフちゃんを落ち着かせようと抱き付いた。
「ぐ…ぐすっ…あ、ありがとうございます…」
「…ど、どう?落ち着いた?」
私は背は小さいが…実は出るとこは出ている、所謂ロリ巨乳だ。
か、体だけなら包容力あるから…
…改めて今の状況を客観的に見ると中々酷い。何も知らない人が見たら首輪の付いた明らかな奴隷に小さい子が抱き付いているどう考えてもやばい光景だろう。
「と…取り敢えずさっさと帰ろうか!風の精霊!お願い!!」
私の声に反応して精霊ちゃんが風を巻き起こしてくれる。おぉー、本当楽。最初からこれで帰れば良かった…
―――「…付いたー!!ここが私の家だよ!…どう?意外と大きいでしょ?」
そう言いながら私はエルフちゃんの首輪を外すと、エルフちゃんは一瞬驚いた様な顔をしたが、すぐに怯えている様な顔に戻った。
神様から貰ったお気に入りのマイホーム!!素材は木で出来ているけど、全然刺さったりもしないし、何より二階建て!!
…多分、友達とかを誘うんだろうね。普通は…
「…す、凄いですね…!有名な方なんですか?…はっ!すみません!!」
「いーのいーの!!そんなに畏まらなくても!…貴方はもう…私の大切な家族なんだから!!!」
…暴力を振るわれて、罵声を浴びせられたりする事の辛さは俺がよく知っている。だからこそ、この子には幸せになって欲しい。
「…!」
あれ?!エルフちゃんの目から涙がポロポロと…
「…え?!ご、ごめん!!何か気に障るような事言っちゃった?!」
あわわ…どうしよう!!
「い、いえ…ぐすっ…わ、私、こ"…こ"んなに優しくされた事なんて…お母さん達以来だったから…あうぅ…」
エルフちゃんが私の体に倒れてくる。むにゅっ。…私の大きい物で何とか受け止められた。これが無かったら即死だった…
「…今までよく頑張ったね。…しばらくはこうしていようか。」
「…う"うぅ~…」
―――…エルフちゃんから、すやすやと寝息が聞こえてくる。そのまま寝ちゃったのかな?…このままそっとしてあげよう。
私はエルフちゃんの体を拭いてあげるか、と思いつつ起き上がろうとした。
「…あ、あれ?ちょっと…あ、あれれぇ??…もしかして…」
…私が小さいのと、力が無さすぎて…エルフちゃんから脱出できないいい…
「ぐっ…でも今起こすのは…流石に…うぐぐ…」
も、持ち上がらない…
「すぅ…」
か、可愛いぃい!!!…こんなの、起こせる訳が無いじゃないか…!!
「…ひゃあ?!」
エルフちゃんが私の体に抱き付いてきた。で、出れない…
むにゅっ。むにょん。何がとは言わないが私のとエルフちゃんので体が熱い。わ、私の精神が…!
―――「…おはようございます…ご主人様…ご主人様?!」
「…お、おはよう…エルフちゃん…ぐふ…」
「ご主人様~?!!」
初日から濃い夜を過ごしたよ…
プロローグのタイトル詐欺からようやく奴隷ちゃんが出てきたのに名前すら出てきてない小説があるらしいっすよ。
...すみません。次はちゃんと書きますんで...
読んで下さりありがとうごさいました。
それでは次回もご覧下さい。




