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再会した幼馴染は☓☓オタクになっていました。  作者: 星空永遠
一章 高校生の春、私は貴方と再会した
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3話

「ごめ……黒炎くん。迷惑、だったよね?」


「いや、迷惑ではない。けど、こんなところ“アイツ”に見られでもしたら……」


そういうと黒炎くんは私から静かに離れ、目を反らした。

黒炎くんの“アイツ”って誰のことなんだろう。私はとても気になった。


「あの、黒炎くん。アイツって?」


「……俺もこの高校に通う1年だ。同じクラスになれるといいな」


「……」


今、完全に話をそらされたよね?

私と会話しながらも、どこか遠くを見ている。


黒炎君、貴方は今、何をおもっているの?


黒炎くんが校門に向かおうと足を進めようとする。私は「うん、同じクラスだといいね」と小さく呟いた。


あれから何年も経ってるんだ。黒炎くんにも恋人くらいいるはず、だよね? 私は、黒炎くんは付き合ってたわけじゃない。単なる幼馴染ってだけだ。


(なんか、胸のあたりがチクチクする……)


久しぶりに再会できて嬉しいはずなのに、今は“ただの幼馴染”という言葉が私の心を痛いくらいに引っ掻き回す。


―――だけど、まさか黒炎くんが恋してる相手が××だったなんて、このときの私は知る由もない。


* * *


入学式は、学校内にある講堂で行われた。


校長先生の長い話が終わると、新入生は眠たそうに目を擦ったり、中には欠伸する者もいた。校長先生の話が長いのはお決まりのようだ。


(それにしても広いな……)


私は元、お金持ち学校なんだと改めて実感する。

建物自体はそのまま残っているから、どこを見ても他の高校とはスケールが違う。


「次は、生徒会長の挨拶です」


「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。生徒会長の如月紅蓮きさらぎ ぐれんです」


生徒会長が壇上に登ると同時に、まわりは黄色い声をあげる。


「きゃー。3年の如月会長よ」


「いつ見てもカッコいい」


女子に騒がれるのも当然と言わんばかりのルックスで、確かにカッコいいとは思うのだが、私には黒炎くんがいるし。

まあ、付き合ってるわけじゃないけど。


「堅物会長のどこがいいんだが」


「……」


男子は妬んでるのか、生徒会長に対する悪口ばかりが聞こえてきて正直気分があまりよくない。というか、堅物会長ってなに? あだ名?


今は、そんなことよりも黒炎くんのことだ。

さっきから黒炎くんが言う“アイツ”が気になって仕方なかった。

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